Sunday 1 December 2013

おっぱいが...

おっぱい、もういらないらしいです。何度か「どう?」と勧めてみましたが、「ノーサンキュー」と渋い顔で首を横にふられました。翌日も同じ結果だったので、やむなく「卒乳」しました。早いよ〜。まだ一歳になったばっかりよ?

もうふつうのご飯をモリモリ食べているので問題はないと思いますが、世界保健機関の奨励にならって二歳くらいになるまでは母乳をあげようと思っていたので、「え〜?もう?」とちょっと残念でした。卒乳や断乳がなかなかできなくて困るお母さんもたくさんいるらしいので、あっさり卒乳できてありがたいと思おう。たいっへんラッキーなことに、授乳は最初からスムーズで、授乳するのが大好きでした。そして何のトラブルもなくあっさり卒乳。やっぱりありがたいかも。

まだ一歳になったばかりだけど、なんだかすっかり大きくなっちゃったなぁーとちょっぴり寂しいのでした。


アイサ語

最近、愛彩はよくしゃべります。一人でも「むにゅむにゅむにゃー」とか「ぶじゅぶじゅびゅー」とかよくしゃべっていますが、私やマーティーや他の人に対しても、明らかに話しかけてきます。しかも、なんかめちゃめちゃ流ちょうです。でも、何言ってんのかよく分からないので、「へー、そうなんだね」と適当に相づちを打ったり、「昨日も良く寝たのね〜。」などとアイサ語を適当に解釈して会話のキャッチボールを図ります。

愛彩の最初の言葉は「バナナ」だと思ったことがありました。バナナを指差して「ナナ」と言ったので。マーティーと私は「おお、ついに言葉を発したか!」と感激したのですが、今度は私の顔を指して「ナナ」。本を指差して「ナナ」。っということで、まだ通じる言葉は発しておりません。

でも、ペラペラと理解できない言葉をずーっと発しております。んで、こちらがアイサ語を理解していなくても気にするふうでもなく、大人同士で盛り上がってるときなど、いきなり叫びだしたりして無理やり会話に入ってきます。かなり空気読めない人ですが、それが許される一歳児。

私はおしゃべりが好きで、特に女同士だと何時間もおしゃべりできます。そんなになにをしゃべるの?」と聞かれたりするのですが、なにをしゃべったかなんてほとんど覚えちゃおりません。なので、アイサ語の役割もそんなところなのかもしれないと思います。なにをしゃべってるかは問題ではなく、「ぅーたたたたたたたっ」でも「ぱっぱっぱびゅしゅー」でも、お互いに音を発して笑ったりうなずいたり、そういうやりとりを楽しむためにアイサ語を発しているのかもしれません。

英語と日本語の両方を耳にしている愛彩。それぞれの言語をどんなふうに捉えているんだろう、これからどんなふうに習得していくんだろうとかなり興味深いところです。

私は愛彩に日本語で話しかけるので、よく「バイリンガルに育てるの?いいわねー」と言われるんですが、ママが日本語で話しかけてさえいれば子供は日本語を習得するというわけでもないらしいです。特にナーサリーに早く行っている愛彩は英語に触れる機会のほうが圧倒的に多く、英語をペラペラと話し始める日もそんなに遠い未来ではありません。本人にしてみれば英語で話す方がよっぽど楽なので、日本語はだいたい理解できるけど話せないとか、少しは話せるけど面倒くさくて話したがらないとか、片親が日本人の子供にはよくあるらしいです。

愛彩には日本語がちゃんと話せて、読み書きもできるようになってほしいなぁーと思います。ママがプッシュするから仕方なく...ではなく、本当に日本文化に興味を持ってもらえたらなぁと思います。歌舞伎とか日本文学とかそういう大それたものじゃなくて、ドラえもんとかジブリ作品などの自分が夢中になったものや、今の日本の子供たちが夢中になっているマンガやアニメなど、普通の日本の子供が「面白い!」とハマってしまうものに、愛彩もハマってくれるとありがたいなと思っています。ママのがんばり次第かな。むむむ。


Monday 18 November 2013

サグロ・ワーゴさむさん

愛彩がまだまだ生まれたばっかりのころ、体をくねくね手足をバタバタよく動かしていたので、あだ名がWiggletになりました。マーティー作の造語で、Wiggle(くねくねバタバタ動くこと)にlet(動物の名詞の後に付くとその子供という意味になる。例えばPig はブタでPigletは子ブタ)を付けたものです。

その後、Wiggletから発展してWaggletやWaggle(意味はなく、なんとなく音で...)とも呼ぶようになり、ほっぺたが大きくなって今にも落っこちそうになってきたら、Saggle(下に垂れ下がるという意味のSagをWaggleのWagの代わりに付けた)や Saggletと呼ぶようになりました。

マーティーがWaggleやSaggleと言っているとき、最初の音を強調するので「ワーゴ」や「サーゴ」と聞こえます。Saggle・waggleとダブル使用の場合は「サグロ・ワーゴ」と聞こえます。日本語を習っているので、「Saggle・waggleさん」と呼ぼうとし、勢い余って「Saggle・waggleさむさん」になることも多く、愛彩はマーティーからよく「サグロ・ワーゴさむさん」という意味不明の長いあだ名で呼ばれています。

二人の間で愛彩の話をするときは、「サグロ」と呼ぶことが多いです。たまになぜか、Sabbleになることもあり、「サブロー」と聞こえるので、内心「三郎!?」と英語で始まったあだ名が二転三転し日本語の三郎になったことに運命的なものすら感じます(ウソです、感じません)。

愛彩が眠った後、夫婦でのんびりしているときに必ず、マーティーが「Think of Saggle(サグロのことを思い浮かべて)」と言います。そして二人して愛彩のことをちょっと思い浮かべます。すると、あのきゃわいいお顔とか、モコモコ動くお尻とか、よくわからない言葉とか、スプーンで食べ物を破壊しているところとか、いろいろ思い浮かんできます。そうすると、梅干しを思い浮かべただけで、唾液がダーッと出てくるように、親バカップルの顔は「あはーん♡」と垂れ下がりメロメロになるのです。恐ろしいサグロ効果。サグロ・セラピー。

アルファー波だかオキシトシンだかわかりませんが、なんかいい脳内物質もでているに違いありません。マーティーと私の2人の間の空気もほっこりと和み、いろんな面で効果絶大なサグロ・セラピー...なのですが、思わぬ副作用もあります。昔は夫婦でのんびりしている時、マーティーが私の目を見つめて「今日もますますかわいいね♡」なんて、日本語にすると歯が浮き過ぎて総入れ歯になっちゃいそうなセリフを言ってもらってたりしてたんです...。愛彩が生まれてからというもの、彼が「あはーん♡」とよだれ垂らしそうな顔で見つめるのは愛彩だけになってしまいました。なので時々、「どう?今日のアタシ」とポーズをつけてほめ言葉を強要しているのですが、(えーと、なんて言わないといけないんだっけ)と数秒考え込んだあと、「あっ!きょ、今日もかわいいよ」と模範解答を口にするマーティー。きゃわいすぎる一歳児にはかなわない今日この頃です。キーッ!

Tuesday 12 November 2013

一歳になりました

11月9日、愛彩が一歳になりました。月並みなコメントですが、いろいろあったなぁー。そして、あっという間だったなぁ〜。

最初の子だったので、「こんな感動はきっと一生忘れない!」と思うようなことが何度もありましたが、忘れるんですよねー。私は愛彩が去年の何時に生まれたかすら覚えていなくて、「明け方だったよね」とマーティーに言ったら、「夕方だったじゃん!」とつっこまれる始末。

そういえば、このブログを書き始めたのも、「こんなにいろいろ面白いことがおこるのを、忘れたくない」と思ったからでした。

誕生日がちょうど土曜日だったので、近所の親しいお友達を集めて、小さいシンプルなパーティーをしました。ケーキは愛彩も食べられるように、お砂糖控えめのバナナケーキに無糖の生クリームでデコレーションをしました。

お友達のサムは、数週間前に盲腸が破裂して大変な手術をし、パーティーの数日前まで病院にいました。歩いて10分のところをバスでやってきて、帰る頃には青白い顔をしていて、タクシーで帰りました。彼には愛彩より三ヶ月年下の女の子がいて、パートナーのケイトと親子3人、ご近所で仲良しです。退院したばっかりで、まだまだ安静にしていないといけないのに、愛彩の誕生パーティーにはどうしても行きたいと来てくれました。本当に嬉しかったです。

日本では餅踏みをしたり、一歳のお誕生日は盛大にやりますよね。母にも「お祝いしてあげたいけど、イギリスは遠いすぎるね。今度帰省したときにね。」と言ってもらいましたが、私は今回のシンプルなパーティーが本当に嬉しかったです。マーティーの家族とも自分の家族とも離れたところで、子供を生んで育てていますが、地元のお友達にもコミュニティーのサポートにも恵まれ、職場の理解も得られ、ちっとも孤独ではありません。いろんな人にいつも助けてもらっています。

人は一人では生きられないけれど、子供ができるとさらに助けてもらう機会が増えます。助けたり助けてもらったりせざるを得ない立場というのは、本当の意味で信頼できるお友達ができるので、けっこういいものかもしれないと思います。

愛彩が生まれてきてくれて本当によかった。健康で一年育ってくれてよかった。どうもありがとう。


Tuesday 5 November 2013

自我の芽生え

愛彩が8ヶ月のころバスに乗ったら、かわいい2歳くらいの女の子がいました。その子は愛彩がにぎっていたおもちゃを取り上げてしまいました。女の子はそのおもちゃがとっても気に入った様子だったので、そのまま遊ばせてあげていましたが、バスをおりるとき、「ごめんね。バスを降りるから、そのおもちゃ返してもらえるかな?」と言って返してもらおうとしました。そうすると、隣に座っていたお母さんが、バッグから財布を取り出し、「それ、いただくわ」と言うではあーりませんか。

あまりに意外な展開にびっくりして意味がわからず、バスからすぐに降りないといけなかったので、とりあえず「ごめんね」と女の子からおもちゃを取り返してバスを降りました。

す、る、と、その女の子は鼓膜が破れそうなほどの大声で
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」と叫び始めました。
女の子を乗せたバスが発車して遠くに行って見えなくなるまで、その女の子の声が響き渡っていました。

お母さんの「それ、いただくわ」ていうコメントにはびっくりしましたが、もしかして乗客の鼓膜を破らないための配慮だったのかもしれないと思いました。これは今から4ヶ月ほど前のお話...。

そして最近...
愛彩が私の携帯で遊んでいるときに、携帯を取り上げたりすると「うわーん!」と涙を流して抗議をするようになりました。
自我が出てきて、ちゃんと意思表示ができるようになってきたことに感銘を受けつつ、あのバスの女の子のことを思い出して内心冷や汗をかいています。今まではなんでも好き勝手にさせてきたけれど、これからはちゃんと躾けってやつをしていかないといけないんですよね。いつかはきっと公共の場で「いやー!」って涙を流して叫ばれたりするんですよねぇ。私が子供の躾けなんてちゃんとできるのか心もとないこと甚だしいでござる。

将来が恐ろしい面もある自我の芽生えですが、子供の意思表示の能力が上がると、楽しいことも増えます。例えば先日、ママ友が愛彩にコチョコチョをして呼吸困難になるほど笑わせていたのですが、コチョコチョをやめてしばらくすると、愛彩がそのママ友の両手をつかんで自分の脇腹のところに持っていったのです。「またコチョコチョしてほしいの?」とコチョコチョを再会すると、キャーキャーとまた笑い転げる愛彩。私もママ友もコチョコチョをおねだりする愛彩の行動に爆笑でした。

首を横に振ってNOの意思表示もするようになりました。ただ、NOという意味じゃなくても首を横に振ることがあるので、わかってんだかわかってないんだか微妙なところです。

バイバイと手を振ったり、指でいろんなものを指したり、「マ、マ、マ、マ」や「ダ、ダ、ダ、ダ」などはっきり発音をするようになってきました。必ずしもママやダディーの意味で言っているわけではないようですが。

これからどんどん笑える行動&言動をするようになるんだろうなと思うと楽しみです。

Monday 28 October 2013

おっぱいが...

小さいころに聞いた、忘れられない、おっぱいの歌があります。

調べてみたら、ひらけ!ポンキッキの歌でした。以下、歌詞です。

ぼくがのんで いもうとものんだのに
ちっちゃくならない ママのおっぱい
おふろのなかで さわらせてもらったら
空気たりない ゴムマリみたい
ぼくがのんで いもうとものんだから
おっぱいがでない ママのおっぱい
あまかったのか 思い出せない
たくさんのんだはずなのに へんね
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
うれしいな さわりたい

ぼくがのんで いもうとものんだのに
おっきなままだね ママのおっぱい
ひとさしゆびで ちょこんとおしたら
びっくりするほど やわらかだった
ぼくがのんで いもうとものんだから
おっぱいがでない ママのおっぱい
もひとり赤ちゃん 生れるときは
また出るようになるのかな ふしぎ
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
きれいだな だいすきさ

おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
おっぱいが いっぱい
きれいだな だいすきさ

子供ながらに、すごく正直で直接的だなと衝撃を受けた覚えがあります。今でも大好きな曲です。

今自分のおっぱいを見ると、必ずこの歌がバックグラウンドで流れます。まだ出てるんですがね、おっぱい。著しくサイズが減少しました(涙)。イエローキャブでナイアガラの滝を誇っていた、あの巨大なおっぱいが、「空気たりないゴムマリ」のちーっちゃいやつになってしもた。ナイアガラの滝も、今は水道のチョロチョローみたいな感じです。だんだん減少していたのには気づいていましたが、ある日突然「ちっちゃ!」と声に出したくなるほど小さくなっていることに気づきました。けっこうショックでした。ああ、こんなことならもっと谷間の写真でも撮っとけばよかったと思いました。

愛彩はびっくりするほどよく食べる子に育ちました。おっぱい、あんまりいらなくなってきてるよね〜。

Tuesday 22 October 2013

おやすみなさい2

最近、愛彩は夜7時頃に寝て朝の7時ごろに起きています。ここ2週間ほど夜中に起きていません。毎日毎日ぶっ続けで12時間睡眠。やったー!!!

夜中の授乳に備えて夜10時頃に就寝する癖がついていた私は、10時に寝て7時ごろに起きるという夢の9時間睡眠を満喫しておりました。最近は8時間睡眠です。世間の睡眠不足のみなさまに申し訳ないほど贅沢な睡眠ライフをおくっております。ふふ♡

そうなるまでには紆余曲折がありました。初めて愛彩が夜通し寝てくれた時、私は実際に小躍りして喜んだのですが、その後ちょっと手強い時期に突入。前までは授乳したらトローンと酔っ払ったようになって、そのままスヤスヤと寝ていた愛彩が、夜に授乳した後もギンギンに目が覚めていて、ベビーベッドの中でいろんな方向に回転しまくり、ベッドの冊を持って立って「ぜったい寝ないからっ」とアピール。抱っこして子供部屋を歩き回ったり、暗い中で少し遊んでみたり、眠りにつくまでいろいろと試すこと1時間以上。7時就寝だったのに8時とか9時まで寝なくなりました。夜中に起きても同じで、前は夜中に起きても授乳したら5分くらいでまたスヤスヤと眠りについていたのに、授乳後は体をヘビのようにくねらせて暴れ、手を叩いて「わは、わは」とかなりのハイテンション。また眠りにつくまでにまた1−2時間。それが3日くらい続いてマーティーも私も睡眠不足でまいったなぁと思っていたとき、出勤途中の電車の中でママ友にばったり会いました。

愛彩が夜中に起きて遊びたがるので困ってると何気なく言ってみたところ、そのママさんは赤ちゃんの寝かしつけのコンサルタントを雇ってみたと言うではありませんか。その結果、そのママさんの娘さんはもうずっと夜中に起きることなく朝までぐっすりだと言います。しかも、そのママさん、コンサルタントさんに言われたアドバイスを私に惜しげもなく教えてくれました。

方法はいたってシンプルで、子供をベビーベッドに寝かせたら、子供が眠らなくても部屋を出ます。子供が泣いたら5分間我慢。きっちり5分計るのが重要で、4分45秒でもいけません。きっちり5分後に部屋に入って、できれば子供を抱っこせずにベッドの中であやします。仰向けにさせてお尻を体の上部に向かって優しくポンポンと叩きます。泣き止んだらまた部屋をでて5分。これを子供が眠るまで繰り返します。重要なのは、子供が自分ひとりで眠りにつけるようにすること。

私も早速試してみました。夜ベッドに寝かせようにも、ベビーベッドに寝かせたとたんに体を回転させて立ち上がる愛彩。檻の中で動き回る小動物のような我が子を残してとりあえず部屋を出ます。案の定ギャン泣き。5分間じっと我慢してまた部屋に入ると、部屋を出た時は立っていた愛彩が座って目をこすっています。「あー、やっぱり疲れて眠りたいんだ」と思いつつ、座っている愛彩を仰向けにさせておしりをポンポン。ポンポンしている最中から体をくねくねさせて脱出を図ろうとするので、諦めてまた暴れ回る小動物をベビーベッドに残し部屋を出ます。また泣くこと5分。部屋に入ってお尻をポンポン。今度は暴れ方がパワーダウンしてます。部屋を出て泣くこと5分。「これ何回繰り返すんだろう。やっぱり泣かせるのはいやだなー」と思いつつ、また部屋に入ってお尻をポンポン。今度は暴れずに仰向けになったまま、ポンポンとされていました。「おお、なんか手応えあり?」と思いつつ部屋を出ると、やっぱり泣く愛彩。が、3分ほどで泣き止みました。念のため15分ほど間をおいてから、そーっと部屋に入ってみると、顔をベッドに押し付けてお尻を宙に向け、足が片方ベビーベッドの冊から出た状態でぐっすり眠っている愛彩。そーっと仰向けにさせてブランケットをかけ直し、完了〜♪ご就寝♡

夜中に起きた時も同じように5分間泣かせてあやすを繰り返し。最初の3日くらいはよく泣いていましたが、だんだん泣く時間が減り、今では夜どんなにベビーベッドで暴れ回っていても、私が部屋を出たら5分後には泣きもせずにスヤスヤと眠るようになりました。そして朝までぐっすり。なんって手がかからないんだ!すんばらしいです。ちなみに、ベビーベッドに寝かせるときは、ブランケットをかけません。どうせ暴れてどっかにいってしまうので。いったん部屋を出て15分後くらいに部屋に入り、眠ったのを確認してから、すごい寝相の愛彩を正しい寝相に直してブランケットをかけるようにしています。それでも朝にはすごい寝相で発見されている愛彩。どんだけ暴れてるんだと毎日感心しています。

Sunday 20 October 2013

うそ泣き&あいそ笑い

最近はハイハイのスピードも上がり、つかまり立ちやつかまり歩きをし始めた愛彩。ふと気づいたら食洗機の開いたドアの上によじのぼってたりして油断がならない今日この頃です。

ちゃんとした言葉は言えないけれど、「んまっ」とか「ふしゅー」とか、「ぱぱぱ」とか、さもおしゃべりしているような感じでいろんな声を発するようになりました。こちらが愛彩のニーズ(お水が欲しいとか)に気づいてなかったり、なんかうまくいかないこと(ドアで遊んでて自分で自分を部屋に閉じ込めて出られなくなったとか)があると、「えーん」と泣いているような声を発します。最初は「泣いたかな?」とすぐに対応していたのですが、顔を見るとけろっとしているので、「愛彩ちゃん、今の泣きまねでしょ」と言うとニカッと笑う愛彩。目も見えてなかった新生児のころを思うと成長したもんだなーと感慨深いです。

電車の中など人が多いところでは、愛彩は必ず誰かをじーっと見ています。大抵の人は、赤ちゃんからじーっと見られると気づいて微笑んでくれます。そうすると愛彩も100万ボルトの笑顔でにこーっ!そうすると5割くらいの人がノックアウトされ、電車に乗っている間じゅう、愛彩に向かってニコニコ光線を送ってくださるか、面白い顔などをして遊んでくれたりします。「かわいい子ねぇ。おりこうさんねぇ。うふふふふー」などと愛彩に話しかけてくださるのですが、愛彩はニコニコしてるだけだし、私が話しかけられたわけでもないので、「ありがとうございます」とか言ったほうがいいもんかなーといつも微妙な気分を味わいつつ、あいまいな笑顔で会釈して後は時が過ぎ去るのを待ちます。標的の人が笑顔を一回は向けてくれたけど、ノックアウトされず、そのまま携帯の操作などに戻ってしまったりすると、愛彩は標的を次に移してまた他の人をじーっと見ます。標的が気づいて微笑んでくれるまでずーっと見ています。んで、標的が微笑んでくれた時点で、例の100万ボルトの笑顔を全開でニコーッッ!こうやって次々と遊んでくれる人を増やしている愛彩。なんか末恐ろしいぞ。

こんな営業活動を巧みにやっているのはどうも愛彩だけではないようで、愛彩くらいの年の赤ちゃんを街で見かけると、必ず赤ちゃんのほうから「ニコッ」としてくれます。そしてそのパパやママの顔を見ると、いつもの私と同じような微妙な笑顔を向けてくれます。「いや、わかるよ。その気持ち。アンタんとこの赤ちゃんもいつも営業でしょ?」と心の中でパパママにシンパシーを感じています。


Monday 7 October 2013

歯が生えた

愛彩がちょうど10ヶ月くらいのころ、下の歯が2本ひょっこり現れました。

乳歯が生えるとき、歯茎がかゆかったり熱がでたりして、赤ちゃんが泣いたりぐずったり夜眠れなかったりすることがあります。そのことを英語でTeething(Teeth:歯の複数形からできた言葉だと思われます)と言います。乳歯が全部生えてしまうまでには2−3年かかるので、生後3〜4ヶ月から2歳くらいまでの赤ちゃんがぐずったり泣いたり眠れなかったりしていると、か・な・ら・ず「あらTeething?」て聞かれます。もう、猫も杓子もTeething。保育園の先生からも、愛彩の機嫌が悪かったり微熱があったりすると、か・な・ら・ず「きっとTeethingですね。」と言われます。そんな私も、生後3ヶ月くらいのころに、愛彩が珍しく一日中ぐずっていたときは、「もうTeethingだわ、早いなぁ〜」と思っていました。

私は「赤ちゃんがぐずっている/眠らない/泣いている=Teething」説にはかなり懐疑的になりました。愛彩が3ヶ月くらいのころから、いろんな人から何回も何回も何回も「あらTeething?」と言われ、私自身も何度も何度も何度も「Teethingかな?」と思ってきましたが、歯が生えたのは10ヶ月を過ぎてから。なんでもかんでもTeethingのせいにするのはいかがなものかっ!?と心の中で熱く主張している私です。しかし、他の人が「Teething」を連呼しているときは黙ってうなずいております。本当にTeethingのときもあるし、Teethingってことにしといたほうが便利というか、心の拠り所になることもあるし...。

愛彩の2本の歯は、まったくTeethingの症状(泣いたりぐずったり、微熱やよだれがたくさんでたりする)なしに、ある日突然現れました。マーティーと2人で「愛彩の歯、なかなか生えないね〜。Teethingの気配さえないね〜。」「実は知らないうちに生えてたりして!うふふふふ〜。」なんて和やかな会話をしていたところ、マーティーが愛彩の口に指を入れて歯茎を触ってみたら、なんと、本当に「知らないうちに生えてた」のでした。

本当にTeethingで大変な思いをしたお友達親子には、全力で羨ましがられました。
この調子でTeethingなしに全部歯が生えてくれたらいいな。


Saturday 21 September 2013

モテキ

ある朝、いつものように親子三人で朝ご飯を食べていたときのこと。

「愛彩は本当にかわいいねぇ。またかわいいの新記録だね。」などと、お決まりの超親バカトークをしていたのですが、マーティーがぼそっと

「もしかしたら数ヶ月前のほうがかわいかったかもしれない…(←後半ほぼ聞き取れないほどの小声)」とのたまわったのです。


ピカッ!ゴロゴロゴロ(←雷が落ちた音)

ダダダダーン、ダダダダーン!(←ベートーベン「運命」のイントロ)


和やかな朝ご飯のひとときに衝撃が走りました。愛彩、生後十ヶ月にして「すでにかわいさのピークは過ぎ去った」説が浮上したのです。私は心底動揺しました。なぜなら、実は私にも心当たりがあったのです…。


その前の晩、マーティーがフィルムカメラで大量に撮った愛彩の写真を一緒に見ていたら、こんな写真を見つけました。


どっきゅーん!

か、かわいい。かわいすぎる。(←親バカで本当にすみませんすみません)

これは生後六ヶ月ごろの写真ですが、確かにこれを上回るかわいさの写真はここ数ヶ月撮れてないかもしれない。まさか本当に愛彩のかわいさのピークは過ぎてしまったのか!?

そんな両親の動揺をよそに、顔や手をヨーグルトで汚しまくりながら朝ご飯をもりもり食べている愛彩。

私「いや、でもこんなにかわいいし。今のほうがよく笑ったりしゃべったりするし。動作とか今のがいろいろするから、やっぱりかわいいし。」

マーティー「そうだけどさー、顔はますますファニーフェイスになってるよね。」

ガーン!(←追い打ち)


といろいろ熱く話し合った結果、最近は被写体が動き回るのでいい写真を撮るのが難しく、動画は今のほうがかわいい、というところで落ち着きました。愛彩のかわいさのピークは過ぎ去った説はうやむやなままとりあえずお蔵入りしました。


本当にどうでもいい話でした。赤ちゃんの顔はぐるんぐるん変わりますからね。ちなみに、私のかわいさのピークは生後一歳くらいでした。後は下り坂です。

Monday 9 September 2013

親子で旅行

イギリスの田舎にあるFromeという町まで車で旅行に行ってきました。Air B&Bというシステムを使ってジョイさんというFrome在住の女性の家の空いている部屋に泊めてもらったのですが、「赤ちゃんはどこに寝せるの?」と聞かれ、部屋にあった空のたんすの引き出しを出して、「これ使ってもいいわよ」と言われました。そう、イギリスでは昔、貧しい人々の間で、大きめのたんすなどの引き出しがベビーベッド代わりだったのです。引き出しの中にバスタオルなどを詰め、興味本位で愛彩を入れてみると、サイズもぴったり。添いしようと思っていたのですが、「引き出し、いいかも?」と試してみることにしました。夜、寝かしつけて引き出しの中にそーっと入れてみると、スヤスヤと眠るじゃぁありませんか!「引き出し、いいかも!」と私たちはふかふかのベッドでのびのびと寝ました。が、夜中に起きてギャン泣き。寝かしつけて引き出しに戻そうとする度に激しく抵抗されたため、「そうだよね。ふかふかのベッドで一緒に寝たいよね」と添い寝することに。私もマーティーも眠る愛彩に蹴られたり殴られたりしながら川の字で寝ました。

アーティストが多いオサレな情緒ある町で、何百年も昔からある古いお庭に散歩に行ったり、町が主催するオークションに参加したりして過ごしました。親子三人でステキな時間を過ごせたんですが、ハイハイをし始めて動きたい盛りの愛彩にとって、車のベビーシートは拷問に近かったようで...。眠っているときはいいのですが、起きて5分もすると「抱っこ〜」をせがまれ、おやつやおもちゃをかわるがわる勧めたり、手を叩いて歌を歌ったり、変な顔のメドレーをやったりしても20分ももたず、かわいらしいメソメソ泣きから始まり、この世の終わりのような号泣。途中で降りて休憩しても、車に乗ったら5分でふりだしに戻るので、マーティーに運転してもらっている間、私は後部座席で「人気のない子供のエンターテイナー」に徹しました。が、努力もむなしく泣き叫ばれるので、「どうせ何もしてあげられないし」と助手席に座り、泣き叫ぶ我が子を放っておくことにしました。すると、ものすごーくふてくされた顔で泣き止みました。いつも感心しますが、赤ちゃんってちゃんとわかってんだなぁと思いました。ママが後部座席にいたときは泣き叫んで「抱っこ〜」とアピールしてたけど、ママが助手席に行き望みがないとわかると「実に不本意です!」という心情をちゃんと顔で伝えつつ、あきらめるという。

私もマーティーも大の旅行好きで、いつもは「ネイチャー」とか「カルチャー」とか、その場所でしか体験できないことをしたいわけです。ちょっと冒険したりとか、普段よりもちょっと勇気のいることをしたりしたいわけです。
が、今回の旅行の後で私は心の底から思いました。「リゾート行きてぇ!!!」お手伝いさん付きで。ものっすごい人工的で商業的なリゾートに行きたい!(リゾートがみんなそうだと言っているわけではありません)「カルチャー」といえば地元のおいしい料理とかお酒。「ネイチャー」はプールから遠くのほうに見える海(でも海は面倒くさいから行かない)。プールサイドで低レベルの雑誌を読みながら一日中ゴロゴロしたい。愛彩がニコニコしてるときに一緒に遊んで、泣き出したらお手伝いさんに「お願いね♡」と手渡したい...。早い話が、車での格安旅行はたいへん疲れました。これから二人目ができたらいったいどうなるのか。冒険よりもリラクゼーションを欲するようになって、人は大人になってゆくのです(←なんか違うぞ)。

タンスの引き出しの中で眠る愛彩

Tuesday 3 September 2013

ハイハイ

愛彩がハイハイをし始めました。生後9ヶ月と1週間ほどでした。仲良しママグループのベビーちゃんの中には生後6ヶ月でハイハイし始め、9ヶ月にはすでに最初の一歩を歩いた子もいたので、「愛彩は大丈夫かな」とすこーし気になっていました。
その反面、一歳になってもハイハイどころか全く移動しない女の子もいて(生後13ヶ月の今ではおしりと手を使って器用にどこにでも移動しています)、その子のママ(二児のママ)は「動かないから本当に楽だわ〜」と全然心配してない様子だったので、「さすが、二人目になると心の余裕が違うわ!」と感心していました。
「ハイハイする時期は子供それぞれ。中にはハイハイせずに歩き出す子もいます。」というふうに聞いていたものの、育脳おばあちゃんで有名な久保田カヨ子さんの著書などには「ハイハイをしないと筋肉がきちんと発達しない」的なコメントも書いてあり、「ハイハイをしない子(またはし始めるのがすごく遅い子)は、いつもベビーカーに乗せられたり抱っこされたりで、ちゃんと一人でのびのび運動できる機会を得てないからじゃないのかな」とこっそり思い込んでいました。
ママになってみて、こういう自分の思い込みがことごとく覆されることが多々ありました。その度に「◯◯しなかいから/するから、よくないんじゃないの?」とこっそり思っていた自分に対して、「バカバカバカー!」と思うと同時に、批判していたママさん(特定の人を批判するわけじゃないんですけど)たちに「ごめんなさい。もうしません」と心の中で謝る日々です。

もこもこ動くお尻。目を輝かせて洗濯機に突進して行く様子。イスの下に入り込んで出方がわからなくて途方にくれている顔。な、なんてかわいいの♡
抱っこしてほしいとき、私の足下までやってきて脚を登ろうとしがみつくのがほんっとうにかわいい♡
でも、ちょこちょこ動いて止まってる瞬間がないので写真がなかなか撮れません。そのうちモノを壊したり怪我したり「かわいい♡」とか言ってられなくなるんだろうなぁー。


Monday 19 August 2013

ぷぷぷ

オムツを替えようとしたところ、愛彩のおしりからぷっとおならが。「あら、愛彩ちゃん、今のおなら?」と聞くと「うひひひ」と笑う愛彩。そしてもう一発、ぷっ。二人してうひひひ。そしてさらにもう一発、ぷっ。ケタケタと思いっきり笑う愛彩。私も大爆笑。

ぜったいわざとやってる!おならジョーク理解してる!生後9ヶ月にしてあなどれない...。

マーティー:「おーい愛彩、僕の指引っ張ってみて」
愛彩: 指をひっぱる。
マーティー: おならブー。
ふたり: 大爆笑

という日もかなり近いです。

初めての高熱

愛彩がナーサリーに行き始めてそろそろ一月になります。ナーサリーや保育園/幼稚園などは、よく「病気をもらってくる」といいますよね。マーテイーの姪っ子のバイオレットちゃんは、ナーサリーに行き出した最初の1年はほぼ毎週のように病気になっていたそうので、愛彩もそうだったら大変だなぁとぼんやり思っていました。

ちなみに、イギリスでは小学校に行く前の小さい子供を預かってくれるところを、ナーサリーと呼ぶことが多いのですが、オーストラリアでナーサリーというと、園芸店(ガーデンセンター)のことを意味します。ナーサリーには種苗や苗木という意味もあるので、イギリスのナーサリーには「苗木を育てているところ」というイメージもあるんですかね〜。

なんでもナメナメ期の愛彩はウイルスなどをすぐもらってきますが、たまに鼻水がダーダーと出るくらいですこぶる元気だったので、「頑丈に生まれてくれてありがたいわ♡」と思っていました。ナーサリーもすぐに慣れて、スタッフの方々が驚くほどよく食べ、周りがどんなにうるさかろうと眠たくなったらグーグー寝てくれるようになったので、「単純に生まれてくれてほんっとにありがたいわ♡」と思っていました。

が、先週の木曜日についにナーサリーから職場に電話が。愛彩が熱があるので迎えに来てほしいとのことでした。その日は職場からすぐに去れない事情があったので、マーティーに迎えに行ってもらいました。

さて、例のハイヒール競歩で家に着くと、愛彩はすこぶるハッピー。顔じゅうにラメみたいなものや食べ物のかすがついてるし、手は汚いし、服はいろんなしみだらけ。ナーサリーからのノートを見ると、ご飯やスナックは全部食べ、「お友達と楽しくお庭で遊びました」とのこと。両手をパチパチお尻をぴょんぴょんさせている愛彩を抱っこすると、体が熱い!ナーサリーの方が解熱剤を飲ませてくれていましたが、そろそろ効果が切れてきていた様子。計ってみると39度。おぉう!なんでこんなに元気なんですか?熱でバカになっちゃったのか?と思うほどハッピーでした。頑丈だなー。

38度〜39度の熱はそれから約2日くらい続きました。こんなときにありがたいのが、NHSのダイヤル111というサービス。電話で症状などをを伝えると看護師さんやお医者さんがアドバイスしてくれます。近ごろ一新されたこのサービス、不具合などが大きくニュースに取り上げられている真っただ中なのですが、個人的には大変重宝しています。イギリスで病院に行っても、ウイルス感染の場合は抗生物質が効かないので、「解熱剤を飲ませて水分を補給し安静にさせてください」と言われて帰されることが多いのです。赤ちゃんにとっては病院に行くだけでも体力がいったりするので、「だったら家にいればよかった...」となることもしばしば。「念のため病院に行ったほうがいいかな」と思うときは、病院に行く前に24時間対応の111に電話をかけるようにしています。2日目になっても熱がひかなかったので、今回は夜通し111にお世話になりました。イギリスでは基本的に医療サービスは無料です。なので、電話のサービスは病院側の負担と経費を節約のためでもあるのでしょう。患者にとっても医療サービス側にとっても助かるサービスなんじゃないかなと思います。

結局3日目に病院に行き、「ウイルスですね。あと2−3日すれば元気になりますよ。解熱剤で症状を和らげてください。元気だったら遊ばせても問題ないですよ。水分を補給して、食べ物は食べたいものだけ食べさせてください。」と言われました。やっぱりな〜な展開でしたが、お医者さんに大丈夫と太鼓判を押してもらって安心しました。と、思いきや、熱がひいた直後に体中に発疹が!「ウイルスで問題ないですよ」と言われたばかりでしたが、新米ママの私はあたふたと111に電話したりグーグルで調べたり。本人はけろっとしていましたが、やっぱりまた病院に連れて行こうと思ったその時、「もしかして突発性発疹ってやつじゃ?」とひらめきました。日本に帰省していたとき、三児のママの姉が教えてくれていた症状でした。インターネットで調べてみたら発疹の色や症状など全部が当てはまりました。突発性発疹は赤ちゃんによく見られる病気で、自然治癒で治るので心配しなくていいと教えてもらっていたのを思い出しました。持つべきものはママの姉。

ということで、顔や体中に発疹がありつつも、元気に回復している愛彩。元気だけどやはり普段と様子が違って、夜は何回も起きるし、昼間は抱っこしていないと泣いたりするので、正直なところ疲れる...。けど、熱があっても発疹があってもニコニコと両手をパチパチしている姿や、夜眠れなくてひしっと抱きついて泣いてる姿などを見ると、「健気だなぁ」と涙腺がゆるみます。赤ちゃんは本当にえらいよ。これから免疫力をつけるために、何回も病気になっていくのよね。ガンバレー。私もがんばるよー。

Tuesday 13 August 2013

おやすみなさい

昨夜10時に寝て、今朝6時にすっきりと目が覚めました。8時間睡眠。途中で起きることなく。1年ぶりじゃぁ〜!!

といいますのも、妊娠後期から夜中に目が覚めるようになり、愛彩を生んですぐは昼も夜も2−3時間おきに授乳。夜長く眠ってくれるようになってからも、1−3回は夜中に授乳で起きていたのです。「ああ、5つ星ホテルのスイートに泊まれたらどんな気持ちがするんだろうなぁ」と夢見るような感覚で「ああ、朝まで眠れたら気持ちいいだろうなぁ」と8時間睡眠を夢見ていました。本当にそんな日がくるなんて...(涙)。

昨晩、愛彩は生まれてから初めて12時間ぶっ続けで眠りました。私は誰に起こされることなく8時間ぐっすり眠り、今朝6時に自然に目が覚め、「あれ?愛彩がまだ寝てる?」と気づき、ダッシュで(でも忍び足で)愛彩の部屋へ向かいました。もしかして息してないんじゃないかと心配になったので。愛彩はまだスヤスヤと眠っていました。それから30分後に目が覚めた愛彩は、ベッドにいるテディーベアに話しかけているのか、むにゃむにゃときゃわいい声を出しました。私は隣の部屋で編み物をしながらストーカーのように娘の声に耳をそばだてていました。

夜寝かしつけたのが18時半で、朝6時半に寝起きのむにゃむにゃという声を聞いたとき「愛彩が、12時間続けて眠れたよ〜!」と世界の中心で叫びたい衝動にかられました。NHKとBBCとCNNにニュース速報として通報したいくらいでした。いや、しませんでしたけどね。

赤ちゃんが朝まで(12時間連続というのが理想)眠ってくれるかどうかというのは、ロンドンのママ友の間ではいつもホットトピックです。添い寝をしているママ友は、夜の授乳のときに起き上がる必要がないので、「半分眠ったまま授乳するからあんまり苦にならない」と言っていました。なので、朝まで続けて眠ってくれることに命を燃やすママは日本だとあんまりいないんですかね?気になるところです。

私を含め、ロンドンで出会ったママたちの多くは赤ちゃんの睡眠について本を読んだりグーグルで調べたりして、なんとか赤ちゃんが夜に長く眠ってくれるように試行錯誤を繰り返します。

ここから先は私が読んだり調べたりした睡眠のお話です。長いので興味がない方はとばしてくださいね〜。
睡眠にはサイクルがあり、私たちは寝ている間浅い眠りと深い眠りを繰り返します。大人の睡眠サイクルの長さはだいたい90分くらい。大人も赤ちゃんも睡眠サイクルが一回終わる度に目が覚めるそうですが、大人はすぐに次のサイクルに入るので、目覚めたことに気づかないまま朝を迎えるそうです。赤ちゃんは次のサイクルに自分で入れなかったりするので、夜中に目が覚めます。
赤ちゃんは、抱っこや授乳で寝かしつけてもらうのに慣れていると、睡眠サイクルが終わって目が覚めたとき、抱っこしてもらったり授乳してもらったりしないと次のサイクルに入れないので、夜中に目が覚めたときに「お母さん、抱っこ〜!おっぱい〜!」と泣くわけです。そこで、赤ちゃんが抱っこやおっぱいがなくても自分で眠れるようにトレーニングすると、睡眠サイクルが終わってもまた自分で次のサイクルに入れるので、長く眠れるようになります。

このトレーニングの仕方がいろいろあり、子供の性質も一人一人違うし、子供が長く眠れない理由もいろんな説があり、なかなか一筋縄ではいきません。いろんな人がいろんなことを言っているので、「どうすりゃいいんじゃー」と混乱することもよくあります。が、睡眠についてのトリビアは興味深いものが多く、赤ちゃんの睡眠時間数とママの生活水準は直結しているので、睡眠オタクになるママも多数。赤ちゃんの睡眠の仕組みや関連する専門用語などは、みんな普通のことのように知っています。みんな知識はあるんだけど、実際に自分の子供が長く眠ってくれるかどうかは別なんですよね。セオリーと現実はなかなか違うのです。

私も本に習ってがんばってトレーニングをしたり、「そのうち朝まで眠れるようになるさ」と諦めたりを繰り返しました。睡眠トレーニングとは、やり方はいろいろあるものの、結局は「いい習慣をつけるか悪い習慣をつけるか」という話なので、夜中に何回も起きた日なんかは「悪い習慣をつけさせちゃったのかなぁ。トレーニングするべき?でも、ただ単に昨日は調子悪かっただけかも。大人だってぐっすり眠れない夜はあるし。そのうち眠れるようになるかな?今トレーニングすれば長期的に楽かも。長く眠れるほうが赤ちゃんにもいいんだよね。トレーニングしないのは親の怠惰かしら。ハードコアなトレーニングとかしたくない。自然にまかせればいいさ。」などなどグルグルといろんなことを思うわけです。

つい最近も、2週間くらい連続で夜中に何回も起きていたので、「なんか悪い癖になっちゃったかなぁ。トレーニングとかしたほうがいいのかなぁ。」と思ってた矢先に、この12時間睡眠。なにか条件が変わったとも思えないけれど。つくづく、セオリーと現実は違うんだなぁ。もしかしたら昨晩一回こっきりかもしれませんが(セオリーでは、自転車に乗るのと同じで、一回できたらまたできるはずだそうですが)。

とにかく、愛彩、ありがとう。おめでとう。今日のママはお肌のノリもよろしく、精神的にもノリノリでした。今日も、ぐっすりおやすみなさい。


Wednesday 7 August 2013

託児所 その2

さて、ナーサリーに徐々に長時間預けていった先週。4時間までは楽勝で、迎えに来た私に気づかなかったくらいでしたが、その翌日10時半〜4時まで預けた後迎えに行くと、エンエンと漫画みたいに号泣している愛彩。私が抱っこすると泣き止んで鼻水垂らしたままニコッ。た、たまら〜ん!!いろいろ聞いてみると、お昼寝の途中でまわりがうるさくて起きてしまった模様。いつもはトータルで2時間くらいお昼寝するのに、その日は30分くらいしか眠れていなかったようでした。

ナーサリーだったら、お友達もいるし、おもちゃもたくさんあるし、好きな時に眠れるし、ベビーカーに長時間乗ったりしなくていいし、至れり尽くせりだと思っていた私ですが、大勢の子供を一度にお世話するので「眠たくても周りがうるさくて眠れない」なんていう不便な面も、そりゃありますよね。一応、決まったお昼寝の時間というものもありますが、一日に2回お昼寝する愛彩とはちょっと時間がずれてしまいます。もう少し大きくなれば、お昼寝が一日一回でも大丈夫になるので、そのときはみんなと一緒にぐっすり眠れることでしょう。

一週間の「慣らす」期間の後、愛彩を一日中ナーサリーに預けて仕事に行ってきました。朝の授乳の後、家族みんなで朝ご飯を食べ、マーティーに愛彩をナーサリーに連れて行ってもらっている間に朝ご飯の後片付けをして出社。仕事が終わる5時ピッタリに退社して競歩でナーサリーへ。会いたかった〜!の感動の再会。家に着いたら晩ご飯を食べさせてお風呂に入れて授乳して7時半に愛彩は夢の国へ。その後マーティーが帰宅して二人で大人の晩ご飯。

分刻みで忙しい一日でしたが、愛彩と一日中いる日よりもよっぽど疲れなかったのが不思議でした。私はモリモリと忙しく働くほうが性に合っているので、仕事中にぼーっとゆっくりしているわけでもありません。一方、愛彩と一緒のときは、ごろんごろん体操と称して一緒に床やベッドでゴロゴロしたり、愛彩がお昼寝しているすきに自分もお昼寝したり、することといえば食事作りや後片付けなどの家事くらいで、それもおっくうな日はかなり適当です。後はママ友に会いに行ったり、公園でピクニックをしたりするくらい。それなのになぜ働いている方が疲れないんだろう〜。

マーティーのお母さんも働くお母さんだったので、「働きに出るほうがよっぽど疲れません」と言ったところ、「ああ、私もそうだったわ。仕事に行くのがホリデーみたいなもんだったわ。笑」とのことでした。いわく、赤ちゃんと一緒のときは赤ちゃんが主導権を握っているけど、仕事してるときは自分が主導権を握ってるので疲れないんじゃないかな、とのことでした。ああ、そうかもしれない。「自分が主導権を握っているときは疲れない。自分が決めたことを自分が決めた時間にすると疲れない。」ていうのは、人生のいろんな場面でそうかもしれません。

それから、ママ業は24時間だから大変なんじゃないかと。9時 5時でママがやれるんだったら、楽しくってしょうがない仕事だと思います。私にとっては仕事をすることがママ業からの息抜きになります。仕事に戻ってみて、専業主婦が実は一番大変だな〜と思いました。

家ではぐっすりよく寝る愛彩

Tuesday 30 July 2013

託児所

今日も愛彩は託児所へ行っています。こちらではナーサリーと呼びますが、日本で言う幼稚園や保育園もナーサリーと言ったりするので、託児所というのが正確な日本語訳かどうかはわかりません。つまりは小学校前の子供を預かってくれるところです。

さて、今月は週2日でナーサリーに預ける予定なのですが、一日預かってもらう予定日の一週間前から少しずつ慣らしていきます。最初の日はママと一緒に一時間の訪問。次の日からはママなしで、2日目は2時間半、3日目は4時間というふうに少しずつ時間を増やして慣れてもらいます。

初日はママがいるからなんてことはありません。2日目、愛彩を預けてナーサリーを出た時はちょっとドキドキしましたが、愛彩の性格からして、きっと大丈夫なんだろうなぁと思って家に着きました。このママがいなくなる時にわぁ〜っと泣く子もいるんですよね。愛彩はキャッキャキャッキャと笑っておりました。ママは嬉しかったけど、少しだけ複雑な気持ちでした。「ママがいなくなっちゃいやだぁ〜!」とか、な、ないんですか?

愛彩がいない家でゆっくり羽を伸ばしていると、郵便の人がドアベルを鳴らしました。「今の音で愛彩が起きなかったかな?」と子供部屋をのぞくと当然そこには愛彩がいなくて「あ、そうだった。ナーサリーにいるんだった」と思い出しました。日中にのんびり羽を伸ばしている感覚が愛彩が寝てるときの感覚と同じだったので、すっかり愛彩は家で寝てるものだと勘違いしたのでした。そして2時間半はあっという間に終了。愛彩を迎えに行くとお尻をぴょんぴょんと動かしながら歓迎のダンスをして迎えてくれました。ナーサリーのマネージャーの方もスタッフのみなさんも、本当に子供が好きで子供のことを心から考えてくれているのが伝わってきて、愛彩もずっと楽しく過ごしていたようだったので、ママの私も大満足の結果でした。しかも家に着くと新しい環境で疲れたのかぐっすり2時間ほどお昼寝。また羽を伸ばす私。ああ、一日にこんなに長時間リラックスできた日があったろうか...としみじみ感激。

3日目、4時間預けて迎えに行くと、ちょうどおやつの時間。愛彩はもう帰るのでもらえません。他の子が食べているものに興味津々。私が部屋に入っても気づきません。ナーサリーのスタッフの方が愛彩に「ママが迎えにきたよ〜」と教えても気づきません。私が「愛彩」と呼んでみると、私の方をちらっと見て、また食べ物をじーっと見ている愛彩。「ママがいなくって寂しかったよ〜!」とか、「ママが迎えにきてくれて嬉しい♡」とか、な、ないんですか?と若干ショックでした。が、気楽な娘を持ってラッキーだと感謝しなくちゃね。愛彩をかわいがってくれるナーサリーの方々にも多謝。スタッフの方に「今日はどうでしたか?娘が泣いたりして困らせませんでしたか?」と聞いてみると、「一日中ニコニコしていい子でしたよ。一回だけ機嫌が悪くなったことがありました。私が哺乳瓶のミルクを用意してたら、早く飲みたかったみたいで叫ばれました。」とのこと。娘よ...。

こんだけナーサリーによくしてもらって、愛彩にも気に入ってもらえると、「私と一緒の日のほうがよっぽど退屈なんじゃ...」ていう変なプレッシャーがあったりします。ナーサリーだと好きな時にお昼寝できるし、ベビーカーに乗らなくてもいいし(愛彩は長時間ベビーカーに乗るのが嫌いです)、いつも他の赤ちゃんや子供たちやおもちゃに囲まれているし、いろんな大人がかまってくれるし。ナーサリーに負けないくらい楽しい毎日にできるようがんばりまっす。

Thursday 25 July 2013

お仕事、復活

先週の木金と2日間、マーティーに愛彩をまかせてお仕事に行ってきました。いやもうね、楽しかったです。

まず、ベビーカーもママバッグも持たずに家の扉を閉めた時点で新鮮でした。外に出るときはいつも愛彩と一緒だったので、愛彩がいないと携帯電話を忘れて家を出ちゃったときと同じような違和感が。でも、愛彩はケータイの数十倍も重くてかさばるので、連れて出ていかないってだけですんごい楽に感じるわけです。満員電車に乗るのも「そうだったそうだった!」と昔を思い出して心の中ではしゃぐ私。わかってますよ。この感激は今だけさ。満員電車、大嫌いでした。慣れたら「いやだぁぁ〜」と思うにきまってるさ。

オフィスがかなりオサレなエリアにあるので、駅から会社までを歩くのも楽しい♪ちゃんとした格好をしてきちんとお化粧をしてハイヒールで歩くのもし・ん・せ・ん!同じ部署のお姉さんに「妊娠前にすっかり戻ったのね〜。子供がいるなんて思えないわ」と社交辞令で褒めてもらえるのもうれし〜。若返るぜ!

トイレにゆっくり行ったり、お茶を入れたり、メールをチェックしたり、自分のペースで好きなだけ何かに集中できるというのもし・ん・せ・ん!!

肝心のお仕事のほうはというと、「そういえば、けっこう情熱を持って仕事してたわ」ということを思い出しました。私が入社してから新しくできたマーケティングの部署で、デジタル・マーケティングという新開拓の仕事をさせてもらって、いろんな人に合い、すごいスピードでいろんなことが起こり、いっぱい学ぶこともあって、一日として同じ日はなく、けっこう毎日おもしろかったことを思い出しました。もちろん、その反面ストレスやジレンマもありましたし、デジタルの世界はスピードが命なので、毎日ヘトヘトに疲れて帰宅していたことも思い出しました。育児との両立、上手にできるようにいろいろと工夫しないといけません。楽しく、効率よく、ストレスを感じないように、時間内に(←ここが肝心!)仕事をする術を学ばなきゃなぁと思います。

心配していたおっぱいですが、案の定、爆発するんじゃないかというくらいパンパンに。でも搾乳はせずにダッシュで帰宅しました。最寄りの駅からハイヒールで競歩のように歩いている間に(←かなり怪しい人物)マーティーから電話が。「あとどのくらいで帰宅できる?」と聞かれて、「あと5分で着くよ!」と答えていると受話器から「きゃぃやいや〜!ぅぅだぁ〜!@£$%^&*?{%$」と愛彩の奇声が聞こえてきました。「スピーカーにしてるから、君の声が聞こえたんだよ。声を聞いただけなのにすごい勢いでうれしがってるよ。」とマーティーにいわれて、胸きゅーーーーん!家に着くと、マーティーに抱っこしてもらった愛彩が、腕から飛び出そうなくらい体をぴょんぴょん揺らしながら、満面の笑顔で迎えてくれました。感動の再会もそこそこに速攻で授乳!愛彩を胸に抱いて授乳していると、「会いたかった〜」ってちょっと泣きそうなくらい嬉しくなりました。「妻子のためならどんな苦労だって耐えてみせるぜ」って思う世の中のお父さんたちの気持ちがよーくわかりましたよ。仕事に行って一番嬉しかった瞬間が、家に帰って愛彩を抱っこしたときというのも皮肉な話ですが、毎日24時間ずーっと一緒にいたら、こんな気持ちにはならなかっただろうなと思います。

マーティーは愛彩と楽しい一日を過ごしたようでした。「ずーっといい子にしてたよ。今日は本当に楽しかった。でも...、疲れるね。5分として集中して自分のことができないし。毎日大変だね。」と言ってもらいました。しっかり楽しく子守りをしてくれたうえに、ママ業の大変さも分かってもらえて、理想的な展開になりました。本当にグッジョブ!お疲れさまでした。

今回はマーティーに子守りをしてもらいましたが、今度からは託児所に預けます。マーティーいわく、「君が視界からいなくなった時点でもう君のことは忘れてたよ。ママが恋しいとかそういうのはないみたい。別に誰でもいいからかまってくれてたらハッピーみたいだよ。」という報告が。う、うれしい、けど、ちょっと寂しいかも〜。でも、じゃあ託児所でも大丈夫かな?と思います。託児所についてはまた次回に。


Wednesday 17 July 2013

産休おしまい

もうすぐ産休が終わります。パートタイムでお仕事に戻ります。産休ノーサンキューってやつです。←言ってみたかっただけです。

7月は2日間だけお仕事に行きますが、その間はマーティーが愛彩をみてくれます。8月からは週2日で託児所に預けます。マーティーがみてくれる2日間、二人とも私がいなくてもまあ平気だろうと安心していますが、心の2%くらいで、私がいなくて少しくらいは困ってほしいなぁと思っています。仕事から帰ってきたとき、泣いている愛彩が私の顔をみてパッと泣き止んで笑顔になり、マーティーが「ああ、帰ってきてよかった。君の毎日の大変さがよーくわかったよ」なんて言ってくれたり...なんて密かに妄想しています。

実際は、二人はアドベンチャーに繰り出すのではないかと思っています。「今日は楽しかった〜!愛彩を連れてピクニックに行って、美術館にも行ってきたよ。産休って毎日楽しくていいね。」なんて言われそう。ま、そうなったらそうなったでグッジョブですが。実際のところどうなるんだろうと興味津々です。

仕事に戻ることについては、いろいろな思いがあります。ずーっと一緒にいる愛彩と初めて長時間離れるので、やっぱり不安もあります。一番の不安は、実は、自分のおっぱい。離乳食を始めて数ヶ月経ちますが、まだまだおっぱいを飲ませているので、日中飲ませられないとなると、おっぱいがパーンパンになるわけです。乳腺が詰まったりすると深刻な問題になったりもします。なので、働くママの中には職場で搾乳する人もいます。いやだぁ〜!搾乳すること自体が嫌なのに、職場でこっそりするなんていやだぁ〜。と、そのことばっかり考えています。子供を持つまでは、まさか一番の不安要素がパンパンに詰まった自分のおっぱいになろうとは思わなんだ。

愛彩を託児所に預けることについてはネガティブな感情はありません。自分がいろんな大人や年上の子供に面倒をみてもらってきたからといのが大きいと思います。それから、アフリカに「子供一人を育てるのに村一つ必要」という諺があるそうです。核家族が増えたのは歴史的にみると本当に最近のこと。ほんの最近まで、どこの地域でも、複数の大人が複数の子供をみんなで面倒みてたんですよね。昔はよかったと言うつもりは全くないんですが、コミュニティー全体で協力して複数の大人が複数の子供を同時に面倒みるのは、私にはヘルシーな人間関係なように思えます。子供の面倒をみるのって本当にいろんな方法があります。母親としては、いつも「正しい」やりかたで育てたい。でも、本当は「これが絶対正しい」という方法なんてありません。試行錯誤の末、自分が「正しい」と思うことをやっているだけで、他の人は全然違うことをやっています。結局、どっちでもいいってことが大半なんだろうと思います。人に預けて、自分のやり方じゃない方法で面倒をみてもらって、「それでも大丈夫なんだ」と身をもって知ることは、母親としての自分にとってもプラスになるかなと思います。

と、自分は思うんですが、小さいころに専業主婦のママとほぼ二人きりで育った友人は、とっても人柄も頭も良くて、仕事もバリバリできて、今では世界一優しいお母さんになっているので、ま、そういうことも含めて「どっちでもいい」し「どっちもいい」のかもしれません。

「まだまだ小さい子供を託児所に預けるなんて、子供が愛情不足になってかわいそう」という意見もあります。罪の意識を感じつつ復職するママは身近にもけっこういます。フルタイムで復職すると「子供と触れ合う時間がない」と罪の意識を感じ、パートタイムで復職すると「ママ業も仕事も中途半端」というストレスを抱え、専業主婦のままだと「私って時代遅れのつまらない女かも」と悩む。そういうジレンマが今のイギリスのママたちの間にはあるようです。

フランス(特にパリ)では産休は3ヶ月ですぐに復職するママがほとんど。「いつもママと二人きりだなんて、ママはストレスがたまるし、子供は社会性を身につける機会がなくてよくない。」という人が多いらしいです。本当に、いろいろですね。

個人的には、復職すると愛彩のママじゃない自分の時間ができるのが楽しみです。パートタイムで働くのが、ママとしての自分と働く自分の両方の時間が持てると同時に、両方の仕事から息抜きができて理想的かな、と今は思っています。ま、実際にはいろいろ大変な面もでてくるのでしょうが。仕事に戻ったらどういうふうに思うんだろうと今からドキドキです。

Thursday 11 July 2013

人生いろいろ

愛彩を生んでからいろんなママに会う機会を得ました。学校の先生、会計士、言語療法士、作業療法士、カメラマン、博物館のキュレーター、美容師、助産師、女優さんに振付師まで!普段だったら会うこともない職業の人たちと、ママってだけでお友達になれるんだからおもしろいものです。ちなみに、下の写真はウェディングを専門にやってるカメラマンのママさんが無料で撮ってくれた写真です。さすがウェディング専門って感じのメルヘンさで、さすがプロ〜って感じの仕上がりです。




ロンドンという土地柄なのか、類は友を呼ぶからなのか、みなさん家族と離れてママをやってる人ばかり。旦那さんやパートナーさんが仕事に行ってる間は、いつも赤ちゃんと二人きり...だと頭がおかしくなってしまうので、そういうママと赤ちゃん同士でいつもワイワイとつるんでいるわけです。「今日はどこそこのママさんグループと公園でピクニックした」とか「今日は〇〇さんとカフェに行った」とか「今日はみんなでプールに行った」とかいつも報告を受けているマーティーは、「なんだか毎日楽しそうだね」と羨ましそう。いや、まあ、たしかに気楽で楽しい毎日かも。でもね、ピクニックに行くには赤ちゃん用の食べ物とか飲み物とかオムツとか着替えとか日焼け止めとかいろいろ用意し、ピクニックから帰ったら、ドロドロに汚れた服やらピクニックマットなどを洗い、タッパーを洗い、夕飯を食べさせたら、汚れた前掛けや服などを洗い、テーブルやハイチェアーや床を拭き...。主婦業とは食事の用意とお片づけの連続のことを言うのかもしれないとも思います。

ママになれたおかげで、いろんな職業でキャリアを積んできたママたちに出会えて、思いのほか、憧れの職業の実態を学んだり、自分が全然知らなかった職業について知ることができました。人生いろいろ。職業もいろいろ。私が今まで選ばなかった選択肢。今までやってきたこと。これからの選択肢。幅広く考えるきっかけになりました。特に、女優さんが言っていたことがとても印象深く記憶に残っています。いわく、「有名な役者さんが、自分の子供には役者になってほしくないなんてインタビューなんかで言っているのを聞くと、じゃあ自分はなんでやってるの?て腹が立つわ。私は自分が好きなことをやってて食べて行けるのがありがたいし、息子も役者になりたいといったら、全力で応援するわよ!」。彼女は舞台女優として20年くらい活躍している人ですが、今年の春、カンヌで賞を取ったりしたことのある某有名監督の映画の主演女優に抜擢されました〜!

「明日宝くじが当たったらどうする?」と聞かれて、「まず仕事を辞める」という人はとても多いと思います。嫌だけどお金のために仕方なく仕事をしている人は珍しくありません。でも、「仕事大好き」という人たちにもたくさん出会いました。なんの職業であれ、お金を稼ぐというのは楽なことではありません。どんなに好きなことでも、プロとしてやっていく限り、プレッシャーやストレスは避けられないと思います。それでも自分の仕事にプライドを持って、「大変だけど、好き」だと言えるのは、やっぱりいいなぁと思いました。私も働くことが好きだし、仕事は好きでやってきました。でも、「私は〇〇のプロ!」と情熱とプライドを持って言えるものがあるのかというと、どうも心もとありません。愛彩が大きくなるまでには少しは前進しているかなぁ。いや、女優になるつもりはないんですが。

Thursday 4 July 2013

初めての食べ物 その2

ベビー・レッド・ウィーニング(Baby Led Weaning略してBLW)という方法で離乳していると書きましたが、今でも継続してやっています。

自分で最初から食べさせるやり方なので、最初のほうは食べられる率よりも食べられない率のほうが高く、用意した食べ物のほとんどはテーブルの上とか床の上とか、あるいは愛彩の耳の後ろとか、オムツのすきまとか、後で発見してびっくりするようなところに散らばって終わります。食べ物=おもちゃなので、アボガドを塗ったトーストで頭を叩いて遊んだりして、「おお、新しいな!」と感心したりすることもしばしば。栄養分を体内に取り込んでもらうことではなく、いろんな食べ物にふれて「ものを食べる」というのはどういうことか、経験を通して知ってもらうことがねらいです。なので、いままで道りしっかり授乳して母乳から栄養を撮ってもらっています。

とはいえ、やっぱり食べてくれると嬉しいものです。最初は食べられる率が低いので、食べられたときは、パチンコの玉みたいに「入った〜!」ていう感じでした。生後6ヶ月くらいのときは手がグーかパーにしかできないので、食べ物をグーでつかんで、手からはみ出た部分だけガシガシと噛み、手に残った部分を食べようとしても、パーにした時点で口に行く前にぼとっと落ちていました。なので、最初のほうは「ハンドル部分」を作るべく、食べ物をかなり長めに切っていました。

そのうち、右手で握った食べ物を左手を添えて口まで持っていくことを覚え、落下率が減りました。また、指一本一本のコントロールが次第にきくようになり、「ハンドル部分」がないくらい小さい食べ物も口に入れることができるようになりました。ブルーベリーを一粒一粒、ちゃんと手でつまんで口に入れて食べれるようになったときは「おお〜!」と思いました。

7ヶ月をちょっと過ぎたころ、突然スイッチが入ったように夕ご飯をモリモリ食べたことがありました。その時のメニューは焼いた鮭、茹でたブロッコリー、ローストしたにんじん、ライスケーク(砂糖や塩を加えていない固くないおこしみたいなもの)、いちごなどでした。用意した食べ物の8割くらいは食べられないで終わるのが普通だったので、出すものを全部平らげているのをみて、お腹をこわさないかとマーティーと不安になったくらいでした。

それ以来、がぜん「食べる率」が上がりましたが、今でも食べれるときと食べれないときのムラがありますし、食べるとお腹がいっぱいになるということに気づいていないみたいです。そのうちお腹を満たすために食べるようになるんですよね〜。なかなか感慨深いです。

さて、我が子にバランスのよい食事をしてもらおうと、いろんな種類の野菜や果物、お肉にお魚、豆類などを買い込み、毎食バランスに気をつけて愛彩の食事を用意しています。また、お菓子やジャンクフードは与えないようにしています。自分はチョコレートを食べる一方で愛彩には無糖ヨーグルトにフルーツをあげたりします。なんだかなぁ...。愛彩に食べさせている超健康的な食事を自分もしていれば、一生太らないで健康でいられるだろうなと思いつつ、厚生労働省などで推奨されている食事よりも塩分、動物性脂肪、糖分を明らかに過りすぎてる自分がそこそこ健康なので、ある程度は適当でいいのかも...とも思います。愛彩の離乳が、自分自身と食べものの関係を見直すきっかけにもなっています。

愛彩には、「悪い食べ物」と「良い食べ物」があるというふうに教えたくありません。動物性脂肪や砂糖や塩も撮り過ぎがいけないだけで、大切な栄養素。そして、栄養がどーのこーのという以前に、他の生きものの命であったり、自然とたくさんの人が関わって作った大切な食べ物です。ブロッコリーも、お豆腐も、ハンバーグも、ケーキも、おいしくってありがたい食べ物。どの食べ物も大好き〜、おいしい〜、ありがとう〜、て食べてほしい。そして、大人の責任として、どのグループの食べものをどのくらい食べるのが健康的なのか、料理やお菓子作りを一緒にしながら、楽しく教えたいなと思っています。なんでもおいしく食べて、お腹がいっぱいになったら食べるのをやめる(←私はここができましぇん)、モリモリ食べたら元気に遊ぶ(または働く)、という生活をしてたら、変に我慢をしたり万年ダイエッターなんかになることなく、自然に健康でいられると思うんですがね。もと万年ダイエッターのつぶやきです。

手作りピザ

いちご

ヨーグルトといろいろ


Friday 28 June 2013

よいこを持ったプレッシャー

愛彩は朝から晩まで基本的にハッピー。特に寝起きはすこぶる機嫌が良く、朝ベビーベッドまで迎えに行くと100万ボルトの笑顔で手足をバタバタさせて「うぎぎぎ、うはうはうは」と声に出して挨拶してくれます。また、何がツボなのかよくわからないのですが、時折あまりにハッピーすぎて自分を押さえきれないように、腕をぶるんぶるんふりながらお尻をバタバタゆらして「あは、んま、うーはっ」と歓喜の踊りを踊ります。そして毎日、全力投球で「お母さん、大好き〜!!好き好き好き好き〜!!!」光線を放ってくれています。

「こんなよいこを持った私はなんて幸運なんだ」(←親バカ)と思いつつ、我が子のワンダフルさと、娘からの純真かつ直球の愛情をプレッシャーに感じることも時にはあるのです。

例えば朝、フルスロットルの笑顔で起きた娘を抱っこしながら鏡を見ると、そこには髪はボサボサ、まぶたは半開き、疲れたオバさんの顔をした自分の顔が...。当然、赤ちゃんの肌と比べると、これまた疲れきった肌をしている自分。
「ああ、愛彩は嬉しくてしょうがない様子で一日を始めるのに、なんで私は朝さわやかに起きれないのか。30年後も愛彩には今みたいな調子で一日を始めていてほしいなぁ。私のようにはならないでほしい。はっ!自分がこうなってほしくないという人が母親だなんて愛彩がかわいそう。大人になるのもいいなって思ってもらえるようにがんばんないとダメじゃない。私のバカバカバカ!」(←いや、本当にバカですね)と思ったり。

先日、愛彩を連れて美容院へ行きました。いつもは週末マーティーに愛彩をあずけて行くのですが、美容院側の都合で週末の予約が取れず、現役ママのオーナーさんが、「娘さんを連れてきても問題ないですよ。平日の暇な時なら私がみていられますから」と言ってくださったので、「まあ大丈夫だろう」と連れて行ったわけです。折悪しく、その朝ものもらいができてしまいました。お岩さんのような顔で髪を切ってもらうという時点でかなりブルーでしたが、そのうえ愛彩が前髪を切ってもらってる時にガンガン泣き始めました。前髪を切ってもらっているので抱っこもできず。オーナーさんがずーっと抱っこしてあやしてくれていましたが泣き続ける愛彩。「オーナーさんの親切に甘えて赤ちゃんを美容院に連れて行った私が非常識だった。私のバカバカバカ!」と思いつつ「すみません、すみません」と何回も謝りながら終了。顔がお岩さんなので、髪を切ってもらったのにぜんぜんさっぱりせず。家に帰るとストレスで「甘いものが食べた〜い!」欲求が爆発。が、甘いものを家になるべく置かないようにしているため、めぼしいものが何もない。唯一あったのが赤ちゃんようのビスコッティー。「おりゃ〜!」と赤ちゃん用のビスコッティーを一気食いする私。そんな自分をきらっきらのピュアな目で笑いながら見ている愛彩。「あぁ〜、そんな目で見ないで〜!こんなママは最低だ、バカヤロー。愛彩はそんなに可愛くていい子なのに、ママの私はなんでこんなにダメ人間なんだ。」とかなり落ち込みました。

専業主婦で他に話す人も見てる人もいないので、ブルーになると一人で考えすぎてしまってさらにエスカレートし、「私はこんなに情けない人間だから、大学受験でも第一志望に受からなくて、その後のキャリアも中途半端なんだ」と自分史を顧みながら人生のダメ出し。さらに「このまま情けなく年を取って、後悔ばかりしながら死んで行きたくない」と哲学的に未来を憂う自分。うはははは。一人で落ち込んでる時の自分ってほんっとうにアホですね。

こんなアホは私ひとりかと思って、笑い話としてママ友に話してみたところ、「わかる〜。私もそんな時あるよ!」と言ってもらいました。いわく、自分の子供があまりにワンダフルなので、ネガティブな気分のときなど「自分よりももっと立派な人がママだったらこの子のワンダフルさがもっと十分に生かされるかもしれないのに」と思ったりするそうです。わかる〜!

私が胸を突かれ、時にはプレッシャーに感じてしまうのは、我が子のワンダフルさというより、赤ちゃんの生き方なのかもしれません。いつも、その時その場所を全力で生きていて、隣の芝生は青いと思ったりすることもなく、◯◯さえあれば幸せになれるのになんて考えることもなく。朝は起きてうれしい。ママの顔を見るともっとうれしい。そんなピュアでワンダフルな小さい人に、「世界で一番好き〜!」光線を浴びせられると、ラピュタ城のムスカのように「目が〜、目が〜!」て倒れたくなることもあるわけです。例えが分かりづらかったですかね。ママはパーフェクトとはほど遠いし、愛彩も十代になれば「お母さんみたいにだけはなりたくない」て思うのかもしれないけど、前向きにがんばっていくよ。今日も、楽しく。

Wednesday 26 June 2013

スリング・ライブラリー

スリング・ライブラリーに行ってきました。普通のライブラリー(図書館)は本が借りれますが、スリング・ライブラリーはその名の通り、いろんなスリングが試せて借りれます。使い方なども説明してもらえます。*ちなみに、ここでいうスリングは日本でいうスリングよりも広い意味で、赤ちゃんを抱っこしたりおんぶしたりするためのベビーキャリアー全般のことをさします。

私はママになって初めて知ったのですが、世の中にはびっくりするほどたくさんの種類のベビーキャリアーがあります。そして、コスメや健康器具なんかと同じで「これがいい」といわれると、すぐ違うものを試したくなるんだな〜。私はお祝いにもらった初期のベビービョルンを重宝していました。愛彩が大きくなるにつれ、今持っているベビービョルンが合わなくなってきたので、他にどんなのがあるかなと思ってスリング・ライブラリーに行ってみました。

スリング・ライブラリーは今ではイギリスの各地にあるようですが、最初はひとりのママが私物を貸し出したことから始まったらしいです。私のようにスリングをいろいろ試したくなってしまったママのひとりが、私と違ってお金持ちだったため、いろいろ買って試していくうちに、家がスリングだらけになってしまい、スリングが趣味になり、せっかくだから他のママたちをサポートしよう、とスリング・ライブラリーをボランティアで始めたそうです。

私が行ったスリング・ライブラリーも、ふたりの現役ママが自宅の一室で運営していました。行ってみると、私以外のママやパパと赤ちゃんがすでに6組くらいきていて「人気なんだなー」とびっくり。説明する人はひとりだけなので大変そうでしたが、慣れているのか手際よくグループにして説明してくれました。そんなに広くない部屋で、赤ちゃんの超リアルな人形と生身の赤ちゃんが一緒にごろんごろんいて、ママたちが一斉にいろんなベビーキャリアーを試しているところはかなり見応えのある光景でした。私は長い一枚の布(ほんとうにただの長い布です)を巻いて使うベビーラップに興味があったので、その説明を受けました。ベビーラップに興味があった一番の理由は、他のちゃんとしたベビーキャリアーに比べて安そうだったから(笑)。子供の成長やママのニーズに合わせて巻き方を調整でき、おんぶもできるというのも魅力でした。巻き方を教わってみたところ意外と簡単で、腰にも肩にも負担が軽くていい感じ。

「よし、ベビーラップにしようかな〜」と思っていた矢先に、近所の公園であったバザーで10ポンドで見つけてしまいました!即購入。これから重宝しそうです。

話は少し変わりますが、日本に帰ったとき、親戚の現役ママたちの話を聞いて「日本のママはなんて働き者なんだ」と感激しました。ロンドンでは「ママは授乳とか子供の世話で一日中大変なんだから、パパは仕事で疲れてても、家事や育児を毎日手伝って当然」みたいな雰囲気なんですが、日本では「専業主婦は家事と育児をするのが仕事」ていう共通認識があるように感じました(個人差あると思いますが)。そして、日本のママががんばれる秘訣の一つはおんぶにあり!とちょこっと思ったのです。イギリスではおんぶをするママはかなりマイナーです(アフリカ系のママやスリング通のママなどでおんぶする人もいることいはいますが)。スリングなどで赤ちゃんをだっこしながら掃除・洗濯をするママもたくさんいますが、おんぶに比べるとやっぱりできることが限られます。おんぶだと、玉ねぎだって刻めちゃうし、チャーハンだって炒められるぜ!

今はちょうど愛彩が夢のように手がかからない時期で、おんぶやだっこをしなくてもその辺に転がっててもらえるので、家事ができない言い訳がなんにもないんですけど、これから愛彩が動き回るようになっても、おんぶできればなんだってできるぞ、と強気で家事などがむばります。

Friday 21 June 2013

じーちゃんばーちゃん

私は5人姉弟の4番目。当然、母は赤ちゃんのエキスパートだと知っていましたが、今回の帰省で意外と父がものすごーく赤ちゃんの扱いが上手なのをみてびっくりしました。考えてみれば、父だって5人の子供を育てたんだからベテランです。

例えば、愛彩がぐずっている時、抱っこするのはいつも私でした。マーティーでさえ、「ダディー=楽しい人=刺激」と思っているのか、ぐずっているときに抱っこしてあやそうとすると、「もう刺激はいらーん!眠いんじゃ〜!」とばかりに号泣(最近はそうでもなくなりましたが)。でも、私の父、じーちゃんが抱っこすると、ほーっとした顔になり泣き止む愛彩。時には、私が抱っこしても泣いているのに、じーちゃんが抱っこすると泣き止んだり。じーちゃんのマジック・ハンド!
「だまって抱っこしとらんで、立って歩けって言いよらすとさ(言ってるんだよ)」と実用的なアドバイスをくれる父。おハシと豆腐で愛彩を離乳デビューさせたのも父でしたし、氷が入った水を愛彩に飲ませてて「冷たすぎるばい」と冷静にツッコミを入れてくれたのも父でした(っていうか気づけよ、私)。じーちゃん、意外とイクメンだったんだね。そういえば、何も言わずにさりげなく人を助けるタイプの父だったなぁ〜と、父との思い出がよみがえってきてじーんとしました。帰省中はいつも助けてもらいました。

母と愛彩は、会った瞬間から仲良し。お母さんっていつまでたってもやっぱり特別な存在です。自分がお母さんになってから特に、私自身が「お母さーん」と母を必要に思うことが多くなりました。いつもは遠くに離れていても、どこかにいるってだけでなんか安心します。私の祖母は両方とも他界しているので、私の母には「お母さーん」と呼べる存在の人がこの世にはいません。自分の「お母さーん」がいない世界で、子供の「お母さん」であり続けるのってどんな気持ちなんだろうと思ったりします。心細かったりしないものかなぁ。

さて、今回の帰省中、2番目の姉が子供3人(ほぼ3歳の双子ちゃんと生後4週間の新生児)を連れてじーちゃんばーちゃんの家に帰ってきてくれました。そのにぎやかさよ...。まさにカオス。姉は夜通し授乳してろくに寝ていないのに、朝早くからわんぱくな双子ちゃんの相手をしながら、家事をこなしつつ、新生児をほぼ毎時間のように授乳&オムツかえ&抱っこ。アンドロイドか?と思う働きぶりに「子供ひとりの面倒を見るくらいなんてことないな」と思ったのでした。(それでも、ヘタレの私は夫に「疲れた」とか「家事が大変だ」とかブーブー文句言ってるんですけど。)

人がワイワイたくさんいるのはやっぱりいいなと思いました。5人姉弟のうえに、叔父さん叔母さん、いとこたちと、大家族で育った私。豊かな子供時代をおくったなあと思うので、愛彩にもなるべく同じような環境を与えてあげたいと思うのです。でも、いくらマメにママ会などに参加したりお友達になるべく会わせたりしていても、基本はママと二人の愛彩。ロンドンではママしかそこにいないから、「ママ、ママ」とかまってほしいサインを出しますが、実家だと何も言わなくてもいろんな人がかまってくれる。直接かまってくれなくても、いろんな人がいろんなことをしていろんな音をだしている。特に他に子供がいるとずーっとにぎやか。そういう環境だと赤ちゃんってちゃーんと一人で観察して遊んで学んでいくようで、愛彩も私がかまわなくても平気なようでした。ロンドンの小さいフラットだと、愛彩にあんまり干渉せずに自由に遊んで学んでいってほしい反面、こちらから刺激を与えてあげないといけないかななどと毎日考えるのですが、実家だとそんなこと全然考えませんでした。ただそこにいるだけで刺激だらけですからね。そもそもそんな暇なかったし。刺激だけじゃなくて、愛情も本当にいっぱいもらって育ったなぁと思います。離れていてもたくさんの人から愛されて育ってるんだよーと愛彩に知っててもらいたいです。今回の帰省でお世話になった、じーちゃんばーちゃん、姉ちゃん、弟、叔父さん叔母さんに従兄弟(従姉妹)、親戚一同+ご近所のみなさま、ほんとーうにありがとうございました!

そんなカオスな実家から帰りのフライト。いろんな人に「一人でお子さん連れて大変ですね」て親切な声をかけてもらったんですが、「子供が一人だとなんて静かで平和なんだ...」と楽勝さをかみしめていました。

じーちゃんのマジックハンド

Friday 7 June 2013

いろんな涙の結婚式

姉の結婚式に合わせて日本に帰省したのですが、大人になってから日本の結婚式に参加したのは実は2回目。もう一人の姉の結婚式以来、10年ぶりの日本の結婚式でした。ひとくくりに日本の結婚式といってもいろいろあると思いますが、今回の姉の結婚式(&披露宴)はいい意味でいろいろな「日本っぽさ」がいっぱいの結婚式だと思いました。

なにがまず日本っぽいと思ったかというと、至れり尽くせりの段取りの良さ。私みたいにあんまりマナーとかわかってないぼーっとした人間がふらりと参加しても、最初から最後まで楽しく過ごせて、恥もかかないように、ちゃんといろいろ考えてありました(姉が陰で細かいところまで準備してくれてたのかもしれないけど)。ケーキ入刀とか新郎新婦のビデオとか写真撮影とか、「はい、これからこんなことやりますよ」てのがアホでもわかるようにちゃんと段取りされているというか。お料理や飲み物もナイスなタイミングでずっとでてきますし。みーんなが楽しめるようにいろんなことが隅々まで配慮されてるなぁ〜という印象を受けました。ハイチェアーも、赤ちゃんがそのまま眠れるように、クッションとリクライニング機能が付いたもので感激〜!

自分が赤ちゃんを育てるようになるまで、赤ちゃんは理由もなく四六時中泣くもんだと思っていたんですが、実はそうでもないですよね。赤ちゃんが泣くのには理由があります。結婚式など人がたくさん集まる場所で、必ずといっていいほど赤ちゃんが泣くのは、大抵の場合「お昼寝できなくて眠いから」なんじゃないかと思います。愛彩の場合は時差ぼけもあって、結婚式の日は一日中ぐずってました。ハイテク☆ハイチェアーのおかげでちょっとは寝れたとはいえ、赤ちゃんにとってはハードスケジュールだったでしょうね。でも、そういう日もあっていいのだ。私はというと、親戚の方々が代わりばんこにぐずる愛彩を抱っこしてくれたおかげで、娘をほったらかしてパーティーの激ウマ料理をゆっくりたっぷり(両手で!)堪能し、両家の親戚の面々とおしゃべりして楽しみました。

引き出物も日本ならではですよね。きれいな箱に入ったお菓子と一緒にカタログが入っていました。出席者は後でカタログの中からなんでも選んでもらえるというしくみ。私は今回初めて、こんなしくみがあることを知りました。主催する側にとっても悩まなくてすむし、出席する側にとっても好みに合わないティーセットとかもらうよりも嬉しいですよね〜。こんなところまで痒いところに手が届くサービスがあるのも日本っぽいなと思いました。他の国でもやってるとこあるのかな?

キリスト教徒じゃない新郎新婦が教会で式を挙げるというのも、日本ならでは。おそらく、なんちゃって仏教徒であろう新郎新婦が、キリスト教の神父さんの前で人生最大の誓いをかわすのを見て一抹のシュールさを感じましたが、とってもいいお式でした。仏様もキリスト様も、宗教を超えて人間が仲良くしているほうが、きっとうれしいでしょう。

メルボルンとロンドンといういろんな人種がいる都市に住むようになって10年以上になりますが、私は「誰が何人か」というのがあまり気にならなくなりました。そのせいか、今思えば明らかに南ヨーロッパ系の神父さんのことを「顔がすんごい濃い日本人だなぁ〜」と思っていました。「袈裟が似合いそうなしょうゆ顔の日本人が神父さんだと感じがでないから、結婚式場と隣接してる教会なんかだと、いかにも神父さんやってそうな顔の神父さんを優先的にリクルートするのかな」と非常に不謹慎なことを考えてました。なので、神父さんがなまりのある日本語でスピーチをするのを聞いて「はっ!日本人じゃなかったのか!」とびっくりしてる自分にびっくりしました。

それから、新郎新婦による両親への手紙っていいですよね〜。花嫁が涙し、花嫁の父母が涙し、花嫁の姉弟が涙し、花嫁の手紙で花婿の家族も涙。私は結婚式や卒業式などで涙を流さない薄情なタイプなのですが(ちゃんと感動はしてるんですよ〜)、愛彩が嫁に行くときはさすがに泣くのかなぁ〜なんて思いました。結婚式でいろんな人(特に花嫁とその両親)が涙するのは、日本でも海外でも同じだと思っていました。が、今まで参加した結婚式を思い返すと、海外だと泣かない花嫁もけっこういたかも。もしかして結婚式で涙するのも日本ならではなのか?日本の結婚式でも泣かない花嫁はけっこういるのか?不謹慎な疑問はいつまでも続く...。




Saturday 1 June 2013

初めての食べもの

愛彩が初めて口に入れて飲み込んだ食べ物は、図らずして豆腐でした。しかも、スプーンじゃなくておハシで!日本に帰省していたとき、父がよく愛彩の面倒をみてくれたのですが、ご飯の間もずっと膝の上にのせてくれていて、ちゃぶ台の上にあるものをなんでも手でつかんで口に入れようとしていた愛彩に、おハシでひょいっと豆腐を口にいれてあげたところ、「なんだこりゃ?」というビミョーな顔でもぐもぐしたあと、ごっくん。その後、あは〜んと満足げな笑顔。

それまで、つかみやすい大きさに切ったバナナや、ゆでたブロッコリーやニンジンなどをあげたりしていましたが、どれも喜々としてもぐもぐした後に笑顔でオエーと吐き出していました。「そのうち食べるようになるだろう」と思っていましたが、いきなり豆腐で離乳デビューするとは!日本人のアイデンティティはあなどれません。

愛彩の離乳は、ベビー・レッド・ウィーニング(Baby Led Weaning略してBLW)という方法でやっています。直訳すると「赤ちゃん主導の離乳」。スプーンで赤ちゃんに食べさせるのではなく、赤ちゃんが最初から自分で食べるように促すやり方です。最初はスプーンなどが使えないから手で、スプーンなどが使えるようになったらスプーンで、赤ちゃんが最初から「自分で」食べるようにします。実際にこのやり方で離乳をしたママ友から、その名もベビー・レッド・ウィーニングという本を勧められて、「おぉ、これだ!」とあっさり感動し(←非常に影響を受けやすい32歳女子)、この方法でやることにしました。

いわゆる「ふつう」の離乳だと、最初に食べさせるものは液体やピュレー状のもの。そして、最初はフルーツや野菜で慣れさせた後にお魚やお肉、などいろいろ段階がありますよね。BLWの場合、離乳を生後6ヶ月まで待って、最初から大人が食べる状態のもの、例えば茹でたブロッコリーなら茹でたブロッコリーをそのまま赤ちゃんにあげます。お魚やお肉も最初からあげます。パンやご飯もそのままの状態であげちゃいます。生後6ヶ月経っていると自分で食べ物を手でつかんで口に入れてもぐもぐできますよね。歯がなくても噛めるの?と最初は思っていましたが、歯茎で意外となんでも咀嚼できるみたいです。

「ふつう」のやり方とあまりにも違うので、自分自身ですら「大丈夫なのかな?」と思ったり、他のママにびっくりされたり。特に日本に帰省中はあんまり理解が得られませんでした。また、ちゃんと本を最初から最後まで読まずに、イントロだけ読んで適当に始めてしまったため、いろいろ間違ってました(←おいっ)。でも、ちゃんと本を読んでみて、やっぱりBLWでいこう!と思いました。

BLWにしようと思った理由はいろいろありますが、一番の利点は離乳が「楽しい」ことかも。今まで、私は愛彩が寝ているときによくお昼を食べたりしていましたが、今は愛彩をハイチェアーに座らせて、一緒にランチをします。愛彩は先日、ローストして冷ましたズッキーニを手でつかみ「あぅあぅあぅあぅ」ときゃわいい声をだしながら噛み噛みし、柔らかい部分だけをごっくんした後、固い皮の部分をぺっと口から出し、手で床に落としていました。「我が子は天才か!?」と思った瞬間でした(いやもう、アホですんません)。
また、愛彩にとっても、食べ物は何よりのおもちゃ。他のおもちゃと違って、つかんだり噛むことによって形状が変わります。最初はひとつのかたまりだったものが、バラバラになったりペースト状になったり。触った感触も、カサカサ、ぐちゃぐちゃ、ベトベト、ツルツル、ぬるぬる、ふわふわなどいろいろ。最初はカサカサだったのに噛んだらぐちゃぐちゃになったり。味も甘かったりすっぱかったりいろいろ。どんなおもちゃと遊ぶよりも刺激が多いんじゃないでしょうか。

おっぱいじゃない食べ物が食べれるようになるのは、成長の大きな一歩。食べるということを通じて、愛彩が日に日に(本当に、毎日のように)新しいことができるようになるを見るのは本当に嬉しいし楽しいです。その反面「おっぱいがいらなくなる日も近づいてきたんだなぁ〜」とセンチメンタルな気持ちになることも。授乳、好きなんだよ〜。かわいい子よ、もうすこし吸っててくれ。

Thursday 30 May 2013

ひとりで、子連れフライト

日本の実家に帰ってきました。愛彩は初めて、おじいちゃん、おばあちゃん、おじちゃん、おばちゃん、などなど日本の親戚にご対面です。姉の挙式に合わせての帰省だったので、いろいろおめでたい旅になりました。その話はまた後ほど詳しく...。

フライトはオランダ航空でアムステルダムを経由して福岡まで。行きは13時間弱、帰りは16時間弱という長時間のフライト。マーティーは来られなかったのでひとりで愛彩を連れて飛びましたよ。子供が2歳までフライトは無料ですが、タダで席をくれるわけではありません(当たり前ですが)。でも、優先的に非常口の近くの広い席に座らせてもらえ、小さいベビーベッドを席の前に取り付けてくれます。ベビーカーは機内に持ち込めるし、おもちゃやベビーフードももらえるし、いろいろと優遇してもらえます。

とはいえ飛行機に乗る前まではかなり不安で、子連れフライトを経験したママさんたちにいろいろ聞きまくりました。

オランダからニュージーランドまで、6ヶ月の男の子を連れて24時間以上を旅したママの友達は、息子さんがフライト直前でバクテリアに感染してしまい、フライトの間じゅうずーっと、吐く、出す(大小)、泣くの大騒ぎ。その24時間の間にママまで発病してしまい、ほんとーうに大変だったそうな。その話をすると未だに暗い顔で「もう思い出したくない...」と言うほど。

またあるママさんのママ友は、3人の子供(そのうち2人は2歳以下の双子)を一人で長時間のフライトに載せるという荒ワザを強行(!!)するために、医者に赤ちゃん用のマイルドな睡眠薬を処方してもらいました。医者の指示通りに飛行機に乗ってすぐ睡眠薬を3人に飲ませたところ、双子ちゃんはぐっすり。上の子はアレルギー反応が出てしまいフライトの間じゅう幻覚を見たりしてこれまた大変だったそうな。

とまあ、いろいろオッソロシイ話を聞いていた反面、「ハイハイする前だったら楽だよ〜」「飛行機に載せるなら、6ヶ月くらい(愛彩はフライト時ちょうど6ヶ月)が一番よ」などと頼もしい意見も聞いていました。

機内に持ち込む赤ちゃん用の荷物をネットのブログやフォーラムなどを参考にしながら何度も検討。何事もスムーズにいったら...のプランAだと荷物もごく少なくてすみます。でも、下痢になったら...、歯が突然生え始めてむずがり出したら...、気圧の変化で耳が痛くなったら...、隣に座る人が超コンサバな男性で授乳ダメとか言われたら...などなどスムーズに行かなかった場合のプランB、C、D、などの妄想が始まるとキリがありません。オムツは20枚で足りないかも。着替えも10着くらいいるかも。念のため哺乳瓶もいるかも。あ、哺乳瓶は一本で足りるのか?っていうか、液体タイプのミルクは機内に持ち込めるの?(←持ち込めます)粉ミルクだとお湯とかもらえるの?(←もらえます)といろいろ考えるうちにすっかりラビリンスに。二転三転したあと、結局いつものママバッグにちょっとだけプラスαな荷物におさまりました。(参考までに:オムツ10枚、おしりふき一パック、着替え一セット、大きいガーゼ3枚、小さいガーゼ3枚、よだれかけ3枚、消毒済み哺乳瓶一本、液体タイプのミルク2パック、おもちゃ2つ、赤ちゃん用痛み止め小分けタイプ5袋、赤ちゃん用爪切り、オムツ処理用ビニール袋5枚、ふつうのビニール袋2枚、ベイビーキャリアー)

長時間のひとり子連れフライトについては、正直かなり前からブルーでした。マーティーが日本の家族との友好を深めるとかどうでもいいから(←ひどい)、荷物持ちとしてだけでも同行してほしぃぃぃ!と切実に思っておりました。いろいろシュミレーションしたり、妄想したり、夢にうなされたりしながら迎えたフライト。拍子抜けするほど超、超、超、スムーズでした。

九州人率が著しく高いアムステルダム − 福岡の直行便の中で、ハーフ顔の愛彩はみんなのアイドルでした。
「うわぁ〜、かわいい。お人形さんみたいね。パパにそっくりなのかなぁ〜?」とパパの顔を見たことのない他人に何度も言われて微妙な思いをした母。いや、親バカなんで「我が子とは思えないくらいきゃわいい!」て思ってるんですけどね...フッ。
乗務員の方々がかわりばんこに愛彩にあいさつをしてくれ、「何か必要なものはございませんか?」と私を気づかってくれました。
非常口のある席なのでトイレの近く。トイレの順番待ちの間は乗客のみんなに「かわいいねぇ〜」と笑顔で話しかけてもらったり頭をなでてもらったり。
夜ベビーベッドで眠ろうとしている(というか私が眠らせようとしている)愛彩にむかって「いない、いない、バー」をしてくれたり「本当におりこうさんねぇ」と笑顔で話しかけてくださった親切な方々には、笑顔の裏でうっすら殺意を覚えたりしました(すみません)。そんなこともありつつ、愛彩は飛行機の小さいベビーベッドの中でスヤスヤとよく眠ってくれました。ブラボー!

ある60代の男性が、愛彩にすっかり夢中になってくれて、ずーっと「いやぁ、かわいいねえ。僕は赤ちゃんが大好きでねぇ。息子が一人大きいのがいるんですが、孫がいなくてねぇ。いやね、前に飛行機に乗ったときはね、お母さんが朝ご飯を食べている間とか、ずーっと赤ちゃんをあずかって手伝ったりとかしたんですよ。」とずっと話しかけてくださっていたので、「抱っこしていただけます?」と聞いてみたところ、「え、いいの?」と快く抱っこしてくれました。なんというか、味があるというか、ぶっちゃけひょうきんな顔のこの男性に、愛彩はすぐになついて、おじさんが変な顔をしたりブブブーと口で音を出したりするたびに大ウケ!きゃっきゃきゃっきゃと笑っておりました。そのうち、このおじさん、「女房にも見せたいからさ、連れてっていい?」と愛彩を連れっててしまいました。「後を追ったほうがよいものか...」とオロオロしているうちにおじさんが遠くまでいってしまい、10分ほど愛彩、行方不明に。(←おい!)ちゃんと愛彩を連れて戻ってきてくれましたが、その後もずーっと30分くらい遊んでてくれました。

いろんな人のご親切なおかげで、フライトは、本当に楽ちーんで楽しかったです。

オランダ航空からもらえるミッフィーちゃんのよだれかけ。
厚手の布で大きいのでかなり重宝してます。

Monday 29 April 2013

おもしろすぎるママワールド

赤ちゃんの五感を楽しく刺激するというBaby Sensoryというクラスに参加してきました。1回8ポンドもするので、私はちょっと...と思っていたのですが、前から感じがいいなぁ〜と思っていたママさんが「子供の目がほんっとにキラキラするのよ。すごく楽しんでるみたい。」と強く勧めていたので試してみました。

結果:たいへんシュールな経験でした。

まず、電話でクラスの予約。ハローの声からひじょーにテンションの高い女性が応答。受話器を思わず耳から遠ざけてしまったほどの大きな声で情熱的にクラスの内容を力説。「10回分のクラスに登録したら初回はタダですから」と何回も念をおされ、この時点で若干ひいてしまった私でしたが、「とりあえず一回試してみよう」と予約。

さて、会場に着くと15人くらいのママさんとその赤ちゃんたちがいて「おお、けっこう人気なんだなぁ」とちょっと期待値があがります。ママと赤ちゃんが輪になって座っていたので、私と愛彩も座りました。そして、電話で話したひじょーにテンションの高い女性(このクラスの先生だと判明)が登場。「みなさん、ようこそ〜!赤ちゃんもようこそ〜!」とディズニーランドのかぶりものキャラクターのようなジェスチャーで挨拶。反応に困っている私たちがシーンとする瞬間を与えないよう、次々にハイスピードでいろんなことを説明し、「質問はありますか?」と言われママたちが「えっ」と戸惑う前に「ないですね!」と笑顔で押し切られました。

「まず、こんにちはの歌を歌いましょう。初めてのママ、最初は歌えなくても気にしないでくださいね。」とCDのスイッチをオン。常連さんらしきママさんたちと先生が手話っぽい動作をしながら歌い始めました。「ママさん、恥ずかしがらずに大げさにジェスチャーをしてくださいね。赤ちゃんはママのジェスチャーが大好き!」と言われ、見よう見まねで大げさな動きで手話をしながら、歌詞がわからないので「フフフフーン、ラララー」と適当にメロディーを口ずさみます。

愛彩の反応:私の歌やジェスチャーには全く興味を示さず。自分の服のはしっこをじーっと見ながら指をもぐもぐ。

「ぜんっぜんウケてないんですけど...。」と焦りつつ周りのママさんたちを見てみると、上手に手話も歌もやっているママもいれば、私みたいに初めてで微妙な笑顔でいる人もいて少し安心。他の赤ちゃんの反応を見てみましたが、そんなにウケてる様子はない気が...。本当に赤ちゃんはママが手話を大げさにやってんのを見るのが大好きなのかなぁ〜、と思いつつ、ノリノリの先生や常連ママさんたちのテンションを下げないよう、百万ボルトの笑顔でやりましたともさ!

その後、子供用のプールに5ミリくらい水が入れてあって、赤ちゃんの足をそこにつっこんだり(愛彩、困惑顔&無反応)、シャボン玉と色のきれいな布切れで「お風呂ごっこ」をしたり(愛彩、シャボン玉におびえて泣く寸前)。先生のテンションが上がれば上がるほど、不機嫌になっていく愛彩。「赤ちゃんの五感を楽しく刺激」?「子供の目がキラキラ」?楽しくってキラキラしてるのは先生だけだと思うのは私だけ?
「大人が必死になって赤ちゃんを笑わせようとすればするほど、失敗するもんだよね」ていう例を、集団でお金払っていろんな道具を駆使してやってるようにしか思えないんですけど...。

ああ、この光景を誰かが映画にしてくれたらおもしろいだろうなぁ。伊丹十三さんとか、リトル・ミス・サンシャインを監督したご夫婦なんかが、上手にこのシュールな滑稽さを表現してくれそうなのになぁ。と思いました。心の中ではドン引きしてるのに、ノリノリで笑って踊ってる自分とか。不自然にテンションが上がりまくっている先生におびえてる赤ちゃんたちとか。誰か撮ってくんないかなぁ。このシチュエーション、おいしいなぁと思いました。

愛彩がウンチ爆弾を落として全身着替えないといけなくなると、私は愛彩を裸ん坊にして、オムツマット(おねしょマットの小さいバージョン)の上にのせます。愛彩はこの裸体操が大好きで、ブランケットや自分の手をなめなめしながら、頭やお尻をフリフリ。手足をバタバタ。目はキラキラ。「そ、そんなに楽しいんだ。」と私は毎回びっくりします。大人がそこにあることも気づかないようなもので、喜々として遊んだり、目を丸くして見入ったりする赤ちゃん。赤ちゃんの「楽しい」を発見する目と能力に私はただ感心するばかりです。そんな赤ちゃんに大人が「ほら、こういうのが楽しいんでしょ〜?」とおもちゃを近づけたり、変な顔をしたりして、ぜんっぜんウケないことがあります。

マーティー:「愛彩ってさ、僕たちが笑ってほしいと思ってるときに義理で笑ってることがあるよね」
私:「あー!私もそう思ってた!」
なんてときすらあります。

大人につき合わないといけない赤ちゃんたちも大変だよねぇ。

ちなみに、10回分のクラスに登録せずに8ポンドを払って帰ったのは私だけで、他の新しいママさんたちはみんな登録してました。「あの赤ちゃんとか泣いてたし、あの赤ちゃんとか途中から寝てたのに...!?」と一人憤りを感じて帰りました。私がひねくれてるだけなのかなぁ...。


Tuesday 23 April 2013

ドリーム・ランド

愛彩が眠いのに「まだ眠りたくない。遊びたい。」とぐずっているとき、私はドリーム・ランド、夢の国の話をします。「愛彩ちゃん、まだ遊びたいの?夢の国で遊べばいいんだよ〜。おもちゃもいっぱいあるし、お友達もたくさんいるよ。楽しいよ!ほら、夢の国に行っといで〜!」と説得します。

例によって静かな声でぼそぼそと、夢の国がどんなに楽しくてステキなところか話すんですが、まだおっぱいしか飲んでない新生児ができることは限られてるので、愛彩の夢の国の話は話している私のほうがちょっと飽きてくるわけです。そこで、「お母さんの夢の国はね〜」と最近は自分の妄想を語ります。

「あおーいお空に雲が浮かんでてね、ふわふわした雲の上に乗るとね、やわらかくて、いいにおいがするの〜。雲を食べると綿菓子みたいな味がするよ。その雲に乗ってビーチに行って、白くてサラサラの砂浜の上に寝そべるとね、マッサージ師がどこからともなくやってきて、全身マッサージしてくれるの。マッサージが終わると、小さいカサが付いたおいしいカクテルがふわふわ飛んでくるのよ〜。太陽がサンサンと輝いてるんだけど、お肌になんにもダメージはないのよ♡ ビキニを着てるんだけど、みんながふりかえっちゃうような、スカーレット・ジョハンソンみたいなナイスボディなのよ。」

浅はかすぎる、自分の夢の国!

またあるときは
「学校のプールくらい大きいケーキがあってねー、ぴょーんと飛び込むと、スポンジケーキがふわふわで、トランポリンみたいにぼよよん、ぼよよよん、て体が跳ねるのよ〜。ほんとーうにおいしい生クリームがたくさん乗ってて、顔をうずめたり手ですくって食べたりできるのよ♡ 自分の3倍くらいある大きいイチゴをねぇ、はらぺこあおむしみたいにトンネルを作りながら食べてね、イチゴのトンネルの中で一休みするのよ〜。(そしていくら食べても太ったり気持ちが悪くなったりしないのよ♪)」

ああもう、欲望が暴走する夢の国!

なにげなーく始めた自分の夢の国の話。こんなに自分の欲望が丸出しになるとは思わなんだ。もし「明日世界が終わるとしたら今日なにしたい?」と聞かれれば、「家族や友達みんなと一緒に...」となにをしたいかより誰と一緒に過ごしたいかが真っ先に頭に浮かぶんですが、「夢の国」だと、もっと本能的な欲望がむき出しになるのが興味深いです。心理学的に分析したら、なんかいろいろ知らない自分が解明できそうな気がしますがどうでしょうね。


Saturday 20 April 2013

涙の理由

赤ちゃんって、どんなに「泣かないほう」の子でも、大人と比べるとよく泣きますよね。泣いている理由がすぐにわかるときもあれば、なかなかわからないときもあります。

ある日、愛彩がオムツもかえたばかりだし、おっぱいもあげたばっかりだし、お昼寝から起きたばかりなのに、なんだか機嫌が悪くて泣いていたとき、歯が生え始めて痛いのかな?と思って痛み止めをあげたら、痛み止めが効き始めるよりもずっと早く泣き止んだことがあります。「ぎゃー、痛み止め間違ってあげちゃった!」と後悔しましたが、泣き止んだからいいか、と。しかも、痛み止めのせいなのか、その後2時間くらいぐっすり寝てくれたので、「ぎゃー、娘をクスリで眠らせちゃった〜!」と思いましたが、眠ってくれてラッキー、と。あは♡

あの涙の理由はなんだったのか。お昼寝を十分してないうちに途中で起きてしまってまだ眠かったのか。他になんか違う理由があったのか。今でもわかりませんが、大切なのは泣き止んだということ。

赤ちゃんについてのあらゆることが日進月歩で科学的に解明されていて、お母さん同士や専門家との情報シェアが積極的にされている今、赤ちゃんの涙の理由は昔よりずっと正確に把握されているんじゃないのかな、と私は思います。昔から赤ちゃんの言ってることが正確にわかるスーパー乳母さんみたいな人はたくさんいたと思います。でも、赤ちゃんの体のしくみなどが誤解されていて、赤ちゃんとママが無意味に辛い思いをしていた歴史的な実例もたくさんあります。私の母のころよりも今のほうが、そして今よりも愛彩が母親になっているころのほうが、正確に赤ちゃんのニーズが理解されているんじゃないかな、と希望をこめて思います。

ロンドンでは、今の愛彩くらいの年の赤ちゃんがはっきりした理由もなく泣いているとき、必ず「歯が生え始めたかな?」と言われます。そして、たくさんの親がその理由で納得しています。でも、最近になって「歯の生え始めと夜泣きに因果関係はない」という説が発表されました。納得していない人も多いのですが、もしかしたら「歯の生え始め」で片付けられていた涙の理由が、実は全然違う理由だったと解明される日がくるかもしれません。

これから30年後に、赤ちゃんの涙の理由がもっと正確に解明されたとしても、きっと親ができることは同じな気がします。抱っこしてあやして。あとはもうひたすら泣き止むのを待つ。そしてきっと、お腹が減ってない健康な赤ちゃんは、時間が経てば自然に泣き止むというのも、太古の昔も30年後の未来も変わらないでしょう。

でも、親は涙の理由を知りたいものなんですよね〜。「人間は、どんなにひどいことでも、はっきりした理由があれば耐えられる」とどこかで聞いたことがあります。「歯の生え始め」など、親が必死で涙の理由を考えだすのは、「なにをやっても赤ちゃんが泣き止まない」という難しい状況を親が乗り越えやすいものにする知恵なのかもしれません。

泣いてる顔もかわいいけど、笑ってるときのほうがステキよ。(そして楽よ。)


Friday 12 April 2013

初めての、コロン

今日ブログの更新するの二回目です。というのも、愛彩が初めてうつ伏せの状態からコロンと仰向けに寝返りがうてたので。

なんと、母の私は、携帯のメールを打つのに夢中で、すぐそばにいたのに一部始終を見ていませんでした。いやーん!うつ伏せだった愛彩が、気づいたら仰向けで私にニコニコしてたので、私も愛彩にニコニコした後、3秒くらいよーく考えて、「ちょっと待て!愛彩がなんでか仰向けで笑ってる〜!」と気づいたのでした。またうつ伏せにしてみてもう一回やんないかなーと待ってみましたがダメでした。

他のママに話してみたら、「私の子はうつ伏せから仰向けの寝返りは一回だけ偶然やった後、もう何週間もしてないよ」という人もいたので、もしかしたら愛彩も一回だけの偶然だったかも。見逃して残念!

ところで、鏡に写っている愛彩をよく写真に撮るのですが、たまーに我が子を一生懸命激写しているアホ顔の自分の顔が写ります。

おとぎ話

愛彩が夜なかなか寝付けないときは、おとぎ話とかつくり話をしてあげたりします。話の内容はともかく、ぼそぼそと静かな口調で話すのを聞くと落ち着くようです。自分も退屈しないですむので、けっこう楽しんでお話をしています。

つくり話は適当にその場ででっちあげているのでいいのですが、おとぎ話はけっこう難題です。最初は調子よく「むかーしむかーしあるところに...」と始められるのですが、途中で「あれ?おじいさんがどうしたんだっけ?」とわからなくなり、「えーと、あれだ。なんかの動物がでてきてさ」とかなり適当に真ん中を流し、結末もグダグダのまま、「めでたし、めでたし」で結びます。あれだけ子供の頃に繰り返し話してもらったり読んでもらったりしたのに、意外と忘れてしまうものですね〜。

昨日の夜は、浦島太郎の話をしました。この話はけっこうちゃんと覚えていました。話しているうちに「で、浦島がさぁ」とか「ブスだけどナイスボディーなひらめのダンサーたちがね」とか、登場人物が頭の中で脚色されてオトモダチ化されていきます。そして結末。「浦島が玉手箱を開けるとけむりがモクモクとでてきて、浦島はたちまちおじいさんになってしまいました」

「めでたしめでたし」って、全然めでたくないぞ。浦島はその後どうなったの?海から帰ってみれば、家もない。知っている人もいない。優しいところがあるけど、ぼーっとしてて要領が悪くて、漁師としての腕も大してよくない、むっつりスケベの浦島が(私の頭の中ではそういうキャラです)サバイバル系だとは思えません。家も身寄りも手に職もなくて、タイムスリップしてるから世間知もなくて、体力もなくなってしまったおじいさんが、これからどうすればいいんでしょう。悲嘆にくれて入水?乞食になって餓死?考えれば考えるほど、「老人の悲惨な孤独死」のシナリオしかうかんできません。

気になったので、もちろんググってみましたさ。このサイトによれば、万葉集ではおじいさんはそのまま死ぬことになっているらしいです。チーン。それからずっと後の室町時代に編集された御伽草子の中では、おじいさんは鶴になって長生きしてめでたしめでたしだそうです。大衆の気持ちを考慮しての編集だったんですかね。おとぎ話は夢がないとね。

現代に書かれた子供用の絵本がハートウォーミングだったり、ほろりとするいい話だったりする中、桃太郎とかカチカチ山とか、昔話しはどれもシビアだったり残酷だったりしますね。昔は怪我や病気や死がもっと身近なものだったからかもしれませんね。現代に生まれてとりあえずはよかったかも。めでたしめでたし。


Wednesday 10 April 2013

習慣と儀式

赤ちゃんを育てていて、人間って習慣と儀式が必要な生き物なんだなぁとつくづく思うようになりました。

赤ちゃんの面倒をみることについて「お腹空いたときにおっぱいをあげて、眠くなったら眠らせてあげればいいさ」と愛彩を生む前までは安易に考えていたのですが、愛彩を生んでいろいろ勉強したり実践したりするうちに考えが変わりました。そして私が愛彩の一日の行動パターンを誘導してあげたほうが本人の調子がいいということを学びました。

授乳はだいたい3時間おき。お昼寝の時はベビーベッドに寝せて子守唄を一曲。夜はお風呂→マッサージ→パジャマ→授乳→ベッド→子守唄。毎日行くところや会う人が違っても、食べることと寝ることに関しては、だいたい同じ時間に同じことを毎日繰り返しています。

よく考えたら大人も同じ。たいていの人が、毎日だいたい同じ時間に起きて、三食だいたい決まった時間に食べ、だいたい同じくらいの時間に寝ていると思います。週末は違うぞという人も、きっと毎週同じようなパターンを繰り返している人が大半でしょう。

育児書などには、「子供は習慣の生き物。次に何が起こるか把握していることを好む」とよく書かれているんですが、実はけっこう大人もそうかもと思いました。衝動的になにかやったり、突発的に何かが起こったりするのがワクワクするのは、日常が繰り返しだから。ルーティーンが最初からないと、こういうワクワクもありません。また、大人は次に起こることを自分でコントロールできますが、子供はかなりの行動を大人にコントロールされるので、常に次になにが起こるかわからないというのは、大人以上に不安なものかもしれないと思いました。

それから儀式。私はロンドンに来たばかりのころ求職中に、「朝起きて化粧をして家を出る」ということがどれだけ自分にとって大切か気づきました。身支度をして家を出るというのが、一日が始まる儀式で、家に帰って部屋着に着替えるのがオフの儀式。無意識のうちにそうやって一日のメリハリを付けていたということに、休職中で一日パジャマで家にいてもいい身分になって初めて気がつきました。人間って無意識に、こういう儀式的なことを毎日やってるものなんだと思うのです。

赤ちゃんは大人と違って自分でできることが限られているので、大人がそういう儀式的なことを代わりにやってあげる必要があるのかなと思います。それから、ママ業はフリーランスに似ていて時間に融通がきくので、意識的に儀式的なことをやったほうがママの心の健康にもいいかなーと思います(個人的には)。というわけで、私は毎日朝起きたら着替えて化粧をし、何の約束がなくても一日一回は家の外に出るようにしています。

赤ちゃんは、あまりにもいろんなことができないので、大人がやってる・できるとも気づいていないことに気づけて興味深いです。無意識にやっていることに気づくと、意識的にそれを変えることもできますし。授乳中ということもあり、ここ最近、毎日夕ご飯の後にデザートを食べる習慣がついてしまったのですが、授乳をやめた後にこの習慣をやめれるか、はなはだ自信がありません。むむむ。


Wednesday 3 April 2013

ベイビートーク

子供ができたら、子供がいないお友達とは疎遠になっていくのかなと思っていましたが、そうでもなかったです。親になったら子供のことばかり話すようになって、子供がいない人にとっては退屈だろうと思っていました。親になってみて、本当にびっくりするくらい子供のことばっかり話すようになってしまったんですが、「子供ネタ」は子供がいない人にとっても意外とウケるようです(社交辞令かもしれないけど)。子供、ネタとしてはちっとも退屈じゃないんですよね(たぶん)。子供以外のことに興味がなくなってしまって、人の話を聞かなくなってしまうと、それがマズいんでしょうね。私は子供がいないお友達が話してくれる、仕事とか趣味とかヤングなネタに飢えていて、「子供のお昼寝とか離乳食とかじゃない話をもっとしてくれ」オーラを出しまくっているので、子供がいないお友達にも愛想をつかされずにすんでいます(と思います)。面白い話ができなくても、人の話をちゃんと聞いてれば仲間はずれにされないということに大人になって改めて気づきました。

ママ友たちとは、そりゃぁもう、子供ネタばっかりです。気づいたんですが、ママ友と子供のことを話すときは、めーっちゃ細かいディテールまで報告し合っています。私は、愛彩のフィアンセのリーバイくん(リーバイスのリーバイです)が、就寝時間は8時だけど1時間くらいはぐずってしまうこととか、夜は8時間半も一気に眠れるようになったとか、でもお昼寝は今でも苦手でベビーベッドじゃお昼寝してくれないとかいうことまで知っていますし、リーバイくんのお母さんのフィオナは、愛彩の就寝時間が8時で、一昨日は夜中の1時に授乳に起きて朝の4時半にまた目が覚めたけど授乳せずにまた寝たとかいうことまで知っています。そりゃぁ、子供いない人には退屈な話でしょうねぇ...。

私はいつもマーティーに、「愛彩はなにをやらせても上手。おっぱい飲むのも上手。おしっこをするのも上手。ウンチをするのも上手。お昼寝も上手。えらいねぇ〜!」とのたまい、「恥ずかしいからよそでそんなこと言っちゃだめだよ」とたしなめられます。
最近、うつぶせの状態で物をつかんだり出来るようになったので「マーティー、愛彩がうつぶせの状態でものをつかんだり出来るようになったよ!すごいねぇ〜」と言ったところ、「すごいんだけどさ、本当はすごくないよね」と言われました。
そうなのです。他の動物なんて、生まれたときから立って走ったりできるのに、人間の赤ちゃんは、おっぱい、おしっこ&ウンチ、寝る、の3つくらいしかできない状態で生まれてきます。なめとんのかコラ、食べるぞ!てライオンに言われてもいたしかたありません。
私は愛彩を生んで初めて、赤ちゃんが物をつかむようになるまで何ヶ月もかかるということや、自分では「できる」と認識さえしていなかった「寝返り」などが赤ちゃんにとっては成長の大きな一歩であることを知りました。
お腹に9ヶ月も入ってるんだからさ、もうちょっといろいろできるようになってから生まれてもいいだろうにね。そのぶん親の楽しみはちょっと減りますが。




Wednesday 27 March 2013

十人十色

朝起きてから夜寝るまで、基本はハッピーな愛彩。赤ちゃんはみんな、健康でお腹がいっぱいだったらそうなんだと思っていたのですが、いろんな赤ちゃんに会っていくうちに、それぞれ全然違うんだなぁと思い直しました。

最近知り合った愛彩とほぼ同い年のダヴィンくんは、すでに世を憂えている感じ。他の赤ちゃんには見向きもせず、大人しか相手にしません。ダヴィンくんに「いない、いない、ばぁ〜」とか子供っぽいことをすると、冷たーい視線をあびるか、「フッ、しょうがねえなぁ」的な失笑をかいます。ご両親がアイルランド人なのもあり、高度なジョークをポーカーフェイスで言うような子供になりそうな予感です。(アイルランドは世界の大阪。おもしろい人がとんでもなく多く、みなさんジョークのレベルが高いです。)

これから5年後、もしダヴィンくんと愛彩が同じクラスルームにいたら...。
ダヴィン君:
「ビッグベンがまだスモールだったころにさ...」
愛彩:
「ビッグベンって小さかったの?」
ダヴィン君:
「当たり前じゃんか。最初からあんなに大きいわけないだろ。」
愛彩:
「そ、そうか、そうだよね。ダヴィン君は頭いいなぁー。」

みたいな会話がかわされるのではないかと。(高度かどうかは別として。)

愛彩がもう少し大きくなったら、いろいろ嘘ついて反応を見てみたいです。
「奈良の大仏さんって体が大きいから、人通りが少ない夜しかお寺から出られないじゃない?」
なんて、さも普通のことのように話すと、「え、奈良の大仏さんは夜に歩き回るんだ」と心の中で驚きつつも「う、うん」と知ったかぶりをして神妙にうなずいたりするのかなぁ。などと想像すると楽しいです。今からいろいろネタ考えておこう(←ひどい)。

さて、生まれたときから世を憂えているダヴィン君ですが、よく泣くし夜中に何回も起きるしで、お母さんは連日睡眠不足。でも、そんなダヴィンくん「が」心からかわいくてしかたない様子のお母さんを見てると、愛って美しいなと思います。みんな違ってみんないいのだ。


Tuesday 26 March 2013

おかあさ〜ん!

マーティーに愛彩をあずけてマッサージへ。予約が夕方遅くにしか取れず、帰ってくるころには愛彩のベッドタイムというタイミング。夜の寝かしつけはいつも私がやっているので大丈夫かなぁと思いましたが、だめだったら私が帰ってから寝かしつけてもいいし、愛彩はマーティー大好きだし、大丈夫だろう!と行ってきました。

通常80ポンドのところを30ポンドでやってもらえるというバーゲン・マッサージは、案の定ハズレで、油が変な匂いするし部屋は寒いしでかーなーりー残念な結果に。数週間も楽しみにしてたのになぁ。マッサージ中もずーっと「お家のふたりは大丈夫かなぁ」とぼんやり思っていました。

さて、家に帰ってみると...。玄関のドアを開けたとたん「ううわぁ〜!!」という愛彩の泣き声が聞こえてきました。家に入ってベッドルームのドアを開けると、愛彩を抱っこしたマーティーとさっきまで泣いていた愛彩が、ふたりそろって同じ顔で私のほうを見ました。眉毛がハの字で鼻水足れそうな顔。きっとさっきまで二人そろって途方に暮れてたんだろうなぁー。私が帰ってきて「あぁー、やっと帰ってきた!」と思ったんだろうなぁー。という顔でした。

私が寝かしつけると、疲れていた愛彩は15分くらいでスヤスヤと夢の世界に行きました。

今まで、こんなに誰かに必要とされたことなんてありませんでした。「ああ、私じゃないとだめなのね♡」てめっちゃ快感〜!
仕事なんかだと、私の代わりはいくらでもいます。でも、愛彩にとってお母さんは私だけ。オンリー・ワン。たまらーん!!

二人にはかわいそうだったけど、私はしばらくニヤニヤ笑いが止まりませんでした。赤ちゃんから言われるオンリー・ユーは、恋人から言われるオンリー・ユーよりもずっと真剣です。んふ、たまらーん。


Sunday 24 March 2013

パートナーのお仕事


イギリスの「当然こうあるべき」というイクメン像は、

産後直後は育児休暇を取り、弱っているママの看護と家事全部をやる。
積極的に育児に参加し、もちろんオムツかえなども率先してやる。
母乳の場合、最初の数週間はママに三度のご飯とスナックを用意する。(授乳が長くかかる場合やママが弱っているときは口まで運ぶ)。
ミルクや混合授乳の場合は夜の授乳を交代でやる。
仕事に戻った後も、ママが寝不足なようならできるだけ家事は自分がやる。
疲れているママにマッサージをしてあげる。
週末はママが「自分の時間」がもてるように半日〜丸一日は赤ちゃんを一人でみる。

と、なかなか要求されるレベルが高いように思われます。「理想のイクメン」じゃなくて「当然でしょ!」ていうレベルがこれですからね。出産前のクラスでも、助産師さんから「パートナーのみなさん、出産から回復するまでしっかりママの看護をしてくださいね。産後直後はママの言うことがどんなに理不尽でも全部聞いてあげてくださいね!」というアドバイスがありました。里帰りをするママはまれで、1−2週間ほどご両親がヘルプにきてくれるところが大半ですが、基本はカップルでやっていくところが多いロンドン。パートナーの役割はとても大きいのです。

とはいえ、「男女平等が進んでいるロンドンだし、こんなイクメンばかりに違いない」と思っていたら全くそんなことはなく...。ロンドンのママ会などではいかに自分のパートナーが役に立たたない薄情者か、よく話題になります。そんなロンドンママたちの心の叫びを聞いていると、気配りや几帳面さでいえば、日本の最近のイクメンのほうがよっぽどレベルが高いかも?と思ったりもします。

「育児休暇中なのにホリデーと勘違いして、ほっておくと毎日昼過ぎまで寝てるから、毎朝たたき起こしてたわよ」
「彼は料理ができないからいつも私が料理してたんだけど、出産直後はさすがに料理してくれるだろうと思ってたら、『僕のぶんの夕飯は心配いらないよ。適当にすませるから』て笑顔で言われて愕然としたわ」
「子供と遊んでてウ◯チの音がしたら『ウ◯チしたよ』て子供を手渡そうとするから、『そうなの?』て笑顔で押し返したわ」
などなど、「それはひどい」と思うような話や身に覚えのある話まで、この手の話はつきることがありません。どこの国でも旦那の悪口大会は盛り上がるんだナーと新鮮な驚きがありました。
もちろん、絵に描いたような理想のイクメンの話も耳にしますが、大半のパートナーが「当然こうあるべき」イクメン像とはほど遠いようです。男女平等が進んでいる(印象のある)イギリスでも、私が知っている限り、家事や育児のリーダーシップをとるのは女性だというカップルがほとんど。パパもママも育児休暇中で、ママは授乳でほぼ24時間赤ちゃんにつきっきりという時でも、ウンチのついた洗濯物はママがやるかママがキレるまで放置されるのが、「ふつう」のカップル事情のように思われます。

いろんなママたちの話を聞いているうちに、「当然こうあるべき」といわれているイクメンなんてイギリスにもあんまりいないんだ、と残念に思ったけどなんだか安心もしました。かといって、ママが不満や不公平感を無理やり押しこめるのも不健康。せっかくがんばってきたフェミニストの方々も報われません。不満をちょこちょこと小出しにすると、セクシーでラブリーな新妻(自称)がガミガミ母ちゃんに豹変。ピンク色の新婚生活がだんだん黄ばんでいきますし、不満を溜めて爆発させるとえらい騒ぎになりかねません。自分の気持ちに嘘をつかずに桃色のアモーレな結婚生活を維持していくにはどうしたらいいのか、けっこう真剣に考えてみました。というのも、愛彩が生まれてから何度か「えらい騒ぎ」を経験しまして...(←遠い目)。マーティーとは10年以上の付き合いになりますが、「ああ、はらわたが煮えてもつ鍋になってしまう〜!」と思うほどキレたのは愛彩が生まれて初めてでした。

そこで編み出したのが「夫は火星人だと思おう」作戦。男は火星人女は金星人というベストセラーのタイトルにヒントを得た作戦ですが、私の場合、女は地球人で男は地球の習慣を理解していない火星人という設定にしているので、上から目線です。フフフ。

例えば、オムツをかえてくれたのはいいけど汚れたオムツはそのままペロンと床に放置。バスルームには丸まった靴下とパンツが、ベッドルームにはズボンとシャツが、キッチンには開けたままのチーズやパンの袋などなどが放置。愛彩が生まれる前はなんとも思わずに片付けていましたが、連日寝不足が続いてヘトヘトになっているときに、空き巣に入られた後のようなバスルームに足を踏み入れると「ここを私に片付けろと?お前はどこの国の王様じゃ〜!わたくしめは貴国の召使いですか?!きぃぃぃぃ〜!」となってしまっていたのです。
そこで「ああ、火星では使ったものは翌日に片付けるのが普通なんだな」と思います。アホみたいですが、これがけっこう効果がありました。
夫は私と違う考え方と習慣を持った人なんだと再認識。ちらかったバスルームは「片付けといてね♡」というメッセージではなく、ただ単に使ったものをすぐにしまうという習慣がないだけ。もし私が片付けなければ本人はそれで気にならないし、気になったら自分で片付けるんだということがわかりました。
それまで、「やる気や思いやりがないから」「家事は女の仕事だと思っているから」やってるんだと思っていた行動も、「火星ではそういう習慣だから」だと気づくと怒ることもなくなりました。

火星ではお鍋の外側を洗う習慣はないし、シェービングクリームなどのフタは開けたままにしておくし、靴は何足かリビングに放っておくのが普通なようです。
火星の異文化にふれてびっくりしたり「ちょっと困るなぁ」と思ったとき、地球人にはふたつの選択があります。異文化を受け入れて自分でなんとかするか、火星人と交渉をしてみるという選択です。幸運なことに火星の公用語の一つは英語なので、言葉は通じます。「言わなくてもわかってほしい」なんて思うのは百害あって一利無し。交渉は礼儀正しく、辛抱強く、かつ巧妙にしなくてはいけません。間違っても火星人は常識がないなんて思ってはいけません。地球と火星では常識が違うだけです。
火星人が自分の習慣を変えてくれたり、変えようと努力をしてくれたら、それがどんなに世間で「当然」だと思われていることでも、感謝しなくてはいけません。誰にとっても習慣を変えるのはとっても大変なことなので。

そういう私も引っ越してからずーっと「この黒くて四角い物体はなんだろう」と思っていたものをマーティーに「この黒い箱みたいなの、かさばるから屋根裏に置いてもいい?」と聞いたら、「それ、スピーカーだけど...。」とびっくりされたことがあります。私だって夫からみたら火星人なのかもしれません。

我が家の火星人の困った習慣を暴露してしまいましたが、我が家の火星人は愛彩にメロメロで面倒をよくみてくれるし、いいところもたくさんあります。先日マーティーが愛彩をみながら、「愛彩が生まれるまでは、この世にあるハッピーの総量がちょっとだけ少なかったんだよね」と言ってるのを聞いて、ちょっぴり惚れ直しモーメントでした。

これからもよろしく。




Friday 15 March 2013

今度はおフランス式

French Children Don't Throw Food (直訳するとフランス人の子供は食べ物を投げない)という本を読んでいます。マーティーから「また育児書?」とあきれられていますが、こんなに育児書を読みたいと思う時期もきっとすぐに過ぎ去ると思うので、興味のおもむくままに読んでいます。

Buddhism for Mothers(母親のための仏教)を読んでいたころは、「私、仏教徒になろうかな」と近所の瞑想のクラスを物色までしていた私が、今度は「フランス式でいくよ!」と張り切っているので、ますますあきれられています。いいのだ。これでいいのだー。

French Children Don't Throw Food は、パリに住んでいるアメリカ人の女性が書いた本です。母親でもある著者がアメリカやイギリスの子供に比べて、フランス人の子供のほうがずいぶんとマナーがよく、親も子供に振り回されずに人生を楽しんでいる様子を見て「どんな秘訣があるの?」と探っていく本です。実体験とリサーチを元に面白く書かれています。

このブログでフランス式の子育てについてちらりと言及したことがありましたが、すみません、全面撤回いたします。私がまちがっていたよ。なんにもわかっていなかったよ。(←あきれられるほど影響を受けやすい31歳)。子供と添い寝をするのが当たり前の日本と、まだ赤ちゃんのころから子供部屋に一人で寝せるのが一般的なフランス。「フランス人のママだって、赤ちゃんが生まれたすぐは、添い寝のほうが楽なのに〜と思うんじゃないかな」と前回のブログで書きましたが。そんなことはないようです(本によりますとね)。フランスでは、出産後の一週間は病院に滞在するのが普通で、母親が眠っている間は看護師さんが赤ちゃんをあずかってくれるんですと!母乳で育てている人には、授乳のたびに看護師さんが赤ちゃんを病室まで連れてきてくれるけど、ミルクを飲んでいる赤ちゃんだったら一晩中あずかってくれるんですと!(読み進めていくうちに、病院によってサービスに雲泥の差があることが分かりました。どこの病院でもそうしてくれるわけではないようです。)しかも、早くは生後6週間目から、遅くても生後6ヶ月になるころには、ほとんどの赤ちゃんが夜8−12時間通して眠れるようになるんですと!夜中の授乳は正直いってめんどうくさいなと思ったことのあるママなら「どうして?秘訣は?」と思うでしょう。

秘訣は本に書いてあったんですが、これが驚くほどわたくしのお母様が言ってたことと同じでびっくりしました。私のお母ちゃんが図らずしてフランス式だったとは灯台下暗しですたい。(添い寝のこととか違うところもいっぱいあるんですけど)
フランス人ママと私の母が一貫して言っていることは「子供に干渉しすぎないほうがいい」「赤ちゃんだって、こっちが言ってることはちゃんと理解している」というふたつ。
赤ちゃんが泣いたりぐずったりしたら、パニックになって抱き上げるのではなくて数秒待ってみる。子供自身がどう反応するか観察する。子供が自分でなんとかする力を信じてあげる。この「数秒(時には数分)待つ」というのがフランスではとっても大事だと思われているらしいです。そして、赤ちゃんだってこっちが言っていることが理解できると信じて真剣に説得してみる。私が尊敬する黒柳徹子さんも「赤ちゃんや動物も、こっちが真剣に言っていることは絶対にわかってくれます」と言っていて、私もそれを信じています。往々にして「説得」に応じてくれない愛彩ですが(笑)。
私の母はよく「ほっといていいのよ」と言っていましたが、この本によれば「子供に自分自身で学ぶ機会と自由とプライバシーを与えてあげる」のがフランス式とあります。ふむ、言っていることは同じだけど後者のほうが聞こえがいいっす。

確かに、ロンドンのママ会で出会うママの中には「子供の面倒を見るのが大変で、家事をするどころかお茶一杯も飲めない」と疲れた顔で言っているママもいます。心の中で「お茶の一杯くらい、子供をほっといて飲んでも大丈夫なんじゃないかなー。」と思います。興味深いことに、日本人ママ会のママでそんなことを言っているママにはまだ会っていません。いろんな事情があってロンドンで乳幼児を育てているたくましいママたちだからかもしれませんが、日本も「子供に干渉しすぎるのはよくない」と思う人が多いんでしょうかね。

フランス式、まねしたくないところもありますが、勉強になるなぁと思うところもたくさん。ちょっと試してみるつもりですが、愛彩が食べ物を投げない子供になるようになるかどうかはまだまだわかりません。


Tuesday 12 March 2013

母の日

イギリスでは母の日は3月の第一日曜日です。今年は3月10日でした。生後4ヶ月の娘からまさかプレゼントをもらうなんて思いませんでしたが、うさぎちゃんのかわいい小皿をもらいました。マーティーいわく、彼はなにも関与していないそうです。ふふ。






ほんの9日前に赤ちゃんが生まれた友人カップル(サム&ケイト)に会いに行きました。ご近所さんで私たちのアパートから徒歩でほんの15分くらいのところに住んでいます。ケイトは妊娠39週間目というタイミングで足の骨を骨折してしまい、マーティーと私をはじめ、ご近所仲間みんなで心配していました。子供が生まれたら大変だろうからみんなで助け合おうね!と言い合っていました。

マーティーと私は先輩風をふかして、「最初の数週間は眠れないだろうし、ケイトが動けないとサムがまいってしまうかもしれないね。お掃除と料理くらいならできるから手伝いにいくよ。マーティーが仕事帰りによって、2時間くらいなら赤ちゃんの面倒をみたりできるし。息抜きになるよ」なんて言っていました。
ところが!出産のその時から今にいたるまで、二人の生活は一分一秒がバラ色のようなのです。私たちの手伝いなんてなーんにもいらないようでした。

まず、出産はどうだったか聞くと、48時間もかかったらしいです。ケイトは一種の自己催眠療法で痛みをコントロールしていたらしいのですが、「ペチジンでもエピジュールでも痛かったらなんでも打ってもらおうと思ってたんだけど、けっきょく笑気ガスだけだったよ。痛いのはもう忘れちゃった。ははは〜」と笑顔。丸二日もかかった出産だったのに、二人とも「よかったよ〜。すっごく感動した。他に言いようがない」と言います。痛かったり疲れたりしたことも全部ふくめて、ネガティブだったことなんてなにもなかったみたいに。この時点でええ〜!とびっくりな私。

出産後は?というと、赤ちゃんが良く眠ってくれて授乳も順調。二人ともよく眠れていて、赤ちゃんにメロメロで、毎日がただただ楽しくてしかたがない様子。
サムもケイトも産休中なのですが「仕事戻りたくな〜い。ずっとこのままの生活が送れるにはどうしたらいいか考案中。宝くじでも当たらないかなー」と言っています。サムはあんまり料理ができない男性だったけど、骨折したケイトのために喜々として家事全般をこなし、娘のオムツかえはサッカーの観戦よりも楽しそうです。ケイトもケイトでサムにラブラブ光線を始終放っていて、ふたりとも針でつついたらパーンと幸せで弾け飛んでしまいそうです。

私とマーティーなんて、お互いに対する怒りのあまり、沸騰した血が鼻からブーっと吹き出るんじゃないかと思ったことが何度もあったのに...!二人が私よりも先に子供を生んでたら参考にしたのになぁー。マーティーにも「サムを見習って!」と言えたのになぁ。いや、そしたらもっとケンカになってたかな(笑)。
なにより、二人が一分一秒を愛おしむように過ごしている姿に感銘を受けました。

出産前に「産後は大変だ」といろーんな人から言われていたのですが、そのおかげで心の準備ができていた反面、無意識に「大変じゃないといけない」と思いこんで、自ら大変さを作り出していた面もあったんじゃないかと思うのです。
また、私は出産ギリギリまで働いていたのですが、仕事がとても忙しくて毎日どうやって時間内に仕事をこなそうか、どうやって効率を上げようか、ということに常に頭を使っていました。産休に入って出産する前も「やったー!自分の時間がたくさん取れる。あれしてこれして。」と忙しく過ごしていました。
その調子で出産後もすぐにお友達を招待したり(しかも毎日毎晩)、ケーキなんて焼いちゃったりして、ちゃんと休養をとらず、ずーっとバタバタして過ごしました。

愛彩が3ヶ月になるころに、ハタと、「ベビーヨガもママ会も行きたくなかったら行かなくていいんだ。掃除も料理もお洗濯も一日くらいサボってもいいんだ。今日絶対やらないといけないことは、愛彩におっぱいをあげてオムツを代えてあげるだけ」ということに気づきました(遅!)。そしてケイトとサムの楽しそうな姿を見て、バカだったなぁー私!と心から思ったのです。あんなにがんばらなきゃよかった!なんであんなにバタバタとがんばってたんだろう。せっかくのんびりできたのに、もっと楽しめばよかった。そしたらマーティーにも愛彩にももっと優しくできたのになぁ。

「時は金なり」なんて言いますが、時は金よりもずっと大切なんじゃないかと思うのです。金は貯めておいて後で使ったりもできますが、時は常に変化していて、今という時間はもう戻ってきません。愛彩は毎朝起きて私を見るとニコーっと笑います。朝起きて新しい一日が始まったことが本当に心の底から嬉しいみたいです。もし愛彩が30年後に、毎朝、月曜日も、こんな顔をして起きていたら、愛彩の職業がなんでも、どんなに貧乏な暮らしをしていても、私は何も言うことはありません。よかったなーと思うだけです。そしてそれは自分自身にも言えます。向上心を持って日々新しいことに挑戦したり、継続してなにか技術を身につけたりするのは、毎日を充実させるという意味でもいいことだと思いますが、もし愛彩が将来のために今を犠牲にしたり、生産性を上げるために人生の楽しみを見失ったりしたら、それはとっても残念なことだと思うのです。そして、愛彩に願うことは、自分に対する願いでもあります。

8月にはパートタイムで仕事に戻る予定で、そうすると今よりも忙しくなります。専業主婦でいられる間は思いっきりのんびりと楽しんで、仕事に戻ってからも心の余裕は失わないようにしたいです。愛彩が大きくなっても、「お母さんは毎日楽しそう」と思ってくれるような自分だったらいいな。理想は「お母さんの人生って気楽で楽しそう」と思ってもらえることかな。がんばってないように見える人に憧れがある私です。