Saturday 20 April 2013

涙の理由

赤ちゃんって、どんなに「泣かないほう」の子でも、大人と比べるとよく泣きますよね。泣いている理由がすぐにわかるときもあれば、なかなかわからないときもあります。

ある日、愛彩がオムツもかえたばかりだし、おっぱいもあげたばっかりだし、お昼寝から起きたばかりなのに、なんだか機嫌が悪くて泣いていたとき、歯が生え始めて痛いのかな?と思って痛み止めをあげたら、痛み止めが効き始めるよりもずっと早く泣き止んだことがあります。「ぎゃー、痛み止め間違ってあげちゃった!」と後悔しましたが、泣き止んだからいいか、と。しかも、痛み止めのせいなのか、その後2時間くらいぐっすり寝てくれたので、「ぎゃー、娘をクスリで眠らせちゃった〜!」と思いましたが、眠ってくれてラッキー、と。あは♡

あの涙の理由はなんだったのか。お昼寝を十分してないうちに途中で起きてしまってまだ眠かったのか。他になんか違う理由があったのか。今でもわかりませんが、大切なのは泣き止んだということ。

赤ちゃんについてのあらゆることが日進月歩で科学的に解明されていて、お母さん同士や専門家との情報シェアが積極的にされている今、赤ちゃんの涙の理由は昔よりずっと正確に把握されているんじゃないのかな、と私は思います。昔から赤ちゃんの言ってることが正確にわかるスーパー乳母さんみたいな人はたくさんいたと思います。でも、赤ちゃんの体のしくみなどが誤解されていて、赤ちゃんとママが無意味に辛い思いをしていた歴史的な実例もたくさんあります。私の母のころよりも今のほうが、そして今よりも愛彩が母親になっているころのほうが、正確に赤ちゃんのニーズが理解されているんじゃないかな、と希望をこめて思います。

ロンドンでは、今の愛彩くらいの年の赤ちゃんがはっきりした理由もなく泣いているとき、必ず「歯が生え始めたかな?」と言われます。そして、たくさんの親がその理由で納得しています。でも、最近になって「歯の生え始めと夜泣きに因果関係はない」という説が発表されました。納得していない人も多いのですが、もしかしたら「歯の生え始め」で片付けられていた涙の理由が、実は全然違う理由だったと解明される日がくるかもしれません。

これから30年後に、赤ちゃんの涙の理由がもっと正確に解明されたとしても、きっと親ができることは同じな気がします。抱っこしてあやして。あとはもうひたすら泣き止むのを待つ。そしてきっと、お腹が減ってない健康な赤ちゃんは、時間が経てば自然に泣き止むというのも、太古の昔も30年後の未来も変わらないでしょう。

でも、親は涙の理由を知りたいものなんですよね〜。「人間は、どんなにひどいことでも、はっきりした理由があれば耐えられる」とどこかで聞いたことがあります。「歯の生え始め」など、親が必死で涙の理由を考えだすのは、「なにをやっても赤ちゃんが泣き止まない」という難しい状況を親が乗り越えやすいものにする知恵なのかもしれません。

泣いてる顔もかわいいけど、笑ってるときのほうがステキよ。(そして楽よ。)


No comments:

Post a Comment