Friday 5 December 2014

うそつき

お風呂大好きだった愛彩ですが、最近、面倒くさがるようになりました。ある日、嫌がる愛彩をだましだまし服を脱がせ湯船に入れると、「プー(うんこ)」と。一度、お風呂でうんこをもらしたことがあるので、あわててお風呂からあがらせると、「ファー(Fart: おなら)」と得意げにニコニコ。うんこが出ると思ったらおならだったという、なんてことない話しですが、愛彩はこれでなにかピーンときたようで…。

またある日、嫌がる愛彩をだましだましお風呂に入れると、「プー(うんこ)」と。お風呂から早く上がりたいがために、バレバレのウソを付いているじゃぁありませんか!一度お風呂で本当にうんこをしたことがあるので、内心「本当だったらどうしよう」とビビっているのですが、あまりにタイミングがよすぎるし、表情や態度がソワソワしているし、なんかどう考えてもウソくさい。ということで、「わかった。じゃあ、パパーッと洗ってすぐに上ろうね」と体を洗い始めると、観念したのか何も言わなくなり、そのうち水がハネたりしているうちにテンションが上がってきてきゃっきゃきゃっきゃと笑い出し、結局長湯になりました。もちろんうんこちゃんは影も形も出ず。

そしてまたある日、さて今から寝るよ〜というときに、「愛彩、シック(sick: 具合が悪い)」と。今まで元気だったし、お熱もないので、どうしてだろう?と疑問に思いつつ、顔が真剣だったので、赤ちゃん用のマイルドな痛み止めを飲ませました。痛み止めは甘い味付けがしてあるので、愛彩は大好きなのです。「もしかしてウソ付いてる?」とチラッと疑問がよぎったのですが、なんせ自分も眠かったので半分面倒くさくて痛み止めをあげたのでした(←おい!)。愛彩は美味しそうに傷み止めをペロペロ舐めて眠りにつきました。

そしてその数日後、夕ご飯もモリモリ食べ、お風呂でもきゃっきゃとはしゃぎまわり、寝る前の絵本は「あと一冊!」と何冊も粘り、さて寝るぞ〜というタイミングでまた、「愛彩、シック」と。ががーん!うそくさ〜!!っていうかバレバレだよ、アンタ。マーティーがすかさず、「おねんねしたら治るよ」と。「おお、うまい!」これには愛彩も「そうきたか」といった顔で一瞬たじろぎましたが、八の字眉毛に上目遣いで、頭をおさえながら「イタイ」(日本語)と。きゅーん。ハイレベルな演技です。その後すかさずドアの方を指差しながら「(お薬)取ってきて!」と命令口調に。結局、「おねんねしたら治ると思うから、とりあえず今夜は寝ましょう。明日起きてもまだ具合が悪かったらお薬あげるよ」と説得して寝かしつけましたが、ベッドに入ったらすぐにぐうぐう眠っていました。

人間ってこんな小さいころからウソをつく生き物なんだなあと、感心させられたのでした(もしかして愛彩だけ?)。二歳児のウソはバレバレなのがかわいいです。男の子よりも女の子のほうが高度なウソをつきそうなイメージですが、本当のところどうでしょうね。

Monday 17 November 2014

二歳になりました2

愛彩が行く保育園では、二歳以下、二歳から三歳、三歳から四歳でクラスが分かれています。(ちなみにイギリスでは四歳から小学校に行き始めます。小学校といっても最初の一年はレセプションといって小学校のカリキュラムが本格的に始まる前の準備期間のようなものですが、公立校ではレセプションから無料の義務教育です。)

愛彩は二歳になったので、上のクラスに行くことになりました。一週間は移行期間で、月曜日は1時間だけ、火曜日は3時間、水曜日は半日プラスお昼ご飯、というふうに徐々に慣らしていきます。最初は下のクラスの先生が上のクラスに同伴してくれるし、愛彩とお誕生日が数週間しか違わない仲良し女の子二人がすでに上のクラスに行っていたので、スムーズに移行できるだろうと思っていたのですが、月曜日から泣いていやがっていたそうです。

私が保育園に迎えにいくと「愛彩Sad(悲しい)。えーん、えーん」と泣いているジェスチャー付きで、日本語と英語の両方で上のクラスに行くのがいやだった旨を伝えてくれました。保育園大好きな愛彩がそんなことを言うのもびっくりでしたが、いつも「その瞬間を生きている」ように見える愛彩が過去に感じた感情を説明したのも驚きでした。愛彩に「過去」があるなんて。「悲しい」という抽象的な感情を表す言葉がわかるなんて。なんかいろいろ賢くなってるなぁ。

移行期間の一週間がすぎ、さていよいよ上のクラスに行くことになりました。朝から「Don't like nursery(保育園いや)」と言って私とマーティーを驚かせた愛彩。保育園へ行く途中も元気がなく、二歳児なのに「憂鬱」という形容詞がぴったりの表情。さて、保育園に着いて今まで行っていた下のクラスを横切ると下のクラスのドアを見ながら「うわーん」と大粒の涙が。大好きな先生、大好きなクラス、大好きなおもちゃ、今まで慣れ親しんできた人や場所や物と別れるのが本当に悲しいのでした。そんな愛彩を見て私は悲しいというより感心しました。二歳でも「お別れ」て悲しいんだ〜!でも、二歳だからこそ環境の変化というのは大変なのかもしれません。ママが一緒だったら大丈夫だけど、一人でなんとかしないといけないもんね。がんばれー!

愛彩よりもほんの数週間先に上のクラスに行った女の子二人の親御さんが「ウチの子も最初はすんごい泣きましたよ。でも一週間したら全然平気になりました。愛彩ちゃんもすぐに慣れますよ」て言ってくれました。

仕事が終わってお迎えに行くと、愛彩はニコニコ笑って上のクラスで遊んでいました。先生が「ママが行ってしまったらすぐに泣き止みましたよ」と教えてくださいました。よかった〜!帰り道に「今日は保育園どうだった?」と聞くと「Sad(悲しい)。えーん、えーん」とまたジェスチャー付きで答え、「保育園好き?」と聞くと首を横に振ってましたが。がんばって慣れて好きになってね。

二歳になりました

誕生日の前からマーティーママ&パパからプレゼントが届いていましたが、開けずにとっておきました。

誕生日の朝に「お誕生日のプレゼントだよ〜、開けてごらん」とプレゼントを差し出すと「Mama do it(ママやって)」とラッピングのセロハンテープのところを指差す愛彩。イギリスでは、包装紙はビリビリーと破って開けるもので、それが楽しみでもあり、セロテープをそーっとはがしたりなんてしないのですが、愛彩、そこだけなぜ日本的なのか?愛彩の要望通り、そーっとセロテープをはがして包装紙をはがし、折りたたみましたよ。

心のこもったプレゼントばかりだったのですが、特にびっくりしたのが、マーティーパパからもらった木馬のおもちゃです。とにかくデカい!愛彩よりもデカい!しかも作りが上等でものすごくリアル。愛彩、見るるなり「ひぃっ!」と後ずさり木馬から隠れてました(苦笑)。今は愛彩の部屋に置いてありますが、怖がってまだ一度も乗っていません。愛彩のお友達は喜んで乗っていたので、そのうち乗ってくれないかなと願っています。

お約束ですが、愛彩が喜んだのは木馬よりも木馬が入っていた箱。これまたデカい!愛彩が中に入って遊んでいたので私も入ってみたら、二人ともすっぽり入りました。試しにマーティーも一人で入ってみたら、余裕ですっぽり入りました。2メートル近いマーティーを余裕で収納できる箱に愛彩大喜び!出たり入ったりしてしばらく遊んでいました。

朝ご飯に「なに食べたい?パンケーキ?フレンチトースト?」と聞いてみると、トーストにベジマイトを塗ったものがいいという愛彩。ベジマイトというのは、オーストラリア人が好んで食べる、イースト菌からできた塩辛い焦げ茶色のペーストで、お味噌になんとなく似ています。トーストにバターを塗ってベジマイトを塗ったものが、オーストラリア人にとっては、日本人にとっての「たまごかけご飯」みたいな存在なのです。お誕生日だからパンケーキでもなんでも好きなものを作ろうと思っていたのに、愛彩、そこだけなぜオーストラリア的なのか?嗜好がしぶいよ?

パーティーは、できるだけ少人数にしよう!と固く決めていました。犬を飼うと犬好きの人の知り合いがあっという間に増えるらしいですが、それと同じで、子どもができると同じコミュニティーのママ友とか、ご近所の小さい子どもがいるお友達とか、保育園のお友達とか、あっという間にお付き合いが広がります。知り合いの子供をみんなパーティーに招待するとその親御さんとご兄弟も招待することになるので、あっという間に50人とかになってしまうのです。

中にはとってもきっぷのいいご両親もいて、そんな人たちみーんなを呼んで大きいパーティーをしたり、グループ別に何回かパーティーをしたりする方達もたくさんいるのですが、私はできない〜!大変すぎる〜!狭いアパートにそんなに大勢入らない〜!と、小さいパーティーをすることにしました。来年は愛彩の希望もあるだろうから、がんばるのかなぁ...。いや、でも子供の誕生会でがんばり過ぎて親がストレスっていうのもなんか微妙に間違っている気もするぞ。

ご近所の日頃からお付き合いのある面々だけを呼んでの小さなパーティー。それでも小さい子どもが愛彩をいれて5人、狭いアパートを駆け回っていたので、すごかったです。まだ二歳なのに、もう「お友達」という感覚があるみたいで、きゃっきゃっきゃっきゃと一緒に遊んでたかと思えば、それぞれ全然バラバラに遊んでたり。愛彩の誕生日プレゼントに、Peppa Pigという人気キャラクターの遊び用テントを買ったのですが、それを広げてみせたら、子供たち「きゃぁぁぁーーーー!」と大興奮!2-3人でテントの中に入ってピョンピョン飛び回り、はたからみると1メートルくらいのテントが忙しく上下左右に動いていてなかなかの光景でした。

お裁縫の得意なお友達がうさぎのぬいぐるみとうさぎとお揃いのワンピースを愛彩のために作ってくれて、愛彩はその日からずっとそのうさぎちゃんと一緒に眠っています。

マーティーも私も家族から遠く離れた場所で、すてきなお友達に巡り会えて、みんなが本当の家族みたいに愛彩の二歳のお祝いをしてくれて、ものすごく嬉しくてありがたかったです。








Tuesday 4 November 2014

さらにおしゃべり上手

愛彩は英語と日本語とどっちが上手かよく聞かれるのですが、がぜん、英語です。最近特にメキメキと上達していて、「今日はお庭で遊んでいてころんで手をけがした」とか文法とかめちゃくちゃで単語の羅列ですが、英語で言えるようになりました。

言葉が上達するのはとても嬉しい反面、どんどん英語が日本語より上手になっていくの目の当たりにするのは複雑な気分です。なので、日本語のボキャブラリーが増えるとものすごく嬉しいです。

最近のヒットは「はい、どーぞ」。人に食べものをあげたり食べさせたりするのが好きで、テディーベアーにヨーグルトを「はい、どーぞ♡」と言いながら食べさせたりしてます。あわれテディーベアー、ぐしょぐしょに(←洗濯しました)。私やマーティーにもおもちゃのトマトとか、自分の食べ残しとか勧めてくれます。笑顔で「はい、どーぞ♡」て言われると、胸きゅーん!かわいいアナタを食べちゃうぞ♡

それから、階段などをのぼるときや、大きいものを運ぶ時に「おいしょ、おいしょ」。これもきゃわいぃー!探し物が見つからないと「あれ〜?」ロンドンの赤いバスを見ると、「赤!」と叫びます。私の日本語で言っていることは理解しているようですし、ぼちぼち日本語のボキャブラリーも増えているようです。愛彩が英語で知っている単語を日本語に言い直すと、「ノー、ママ」と訂正されるのは相変わらずですが。数を一、二、三と数えると「ノー、ママ、フォー!」と言われたり。フォーって英語でも数合ってないし...。

英語で最近胸きゅーんだったのは、「サンキュー、マミー」と言われたとき。「プリーズ」は言えるようになってたけど、「サンキュー」もちゃんと言えるようになったんだなぁ。

英語で最近よく言うようになったのは、「Isa did!(愛彩がした!)」。愛彩がなにか自分でしたとき、例えば洗濯物を洗濯機に入れたとか(←乾燥機にかけられて大変なことになることろでした)、絵を描いたとか、そういう時にドヤ顔で「Isa did!」と言います。が、もっと頻繁に使うのは愛彩が自分でなにかしたいとき。本人は「Isa do it!(愛彩がやる!)」と言っているつもりのようです。靴をはくとか、パジャマを脱ぐとか、自分のことはもとより、私がお料理しているときなども、「Isa did!」となんでもしたがります。危険なことはさせられませんが、時間が許す限り自分でさせるようにしています。が、歯磨きの仕上げ磨きとかなかなかさせてくれないし、包丁などを持ちたがるし、なかなか大変です。

自分の写真や動画が大好きで、私のiPhoneを小さい指でたくみにあやつり何度も見ては、毎回大爆笑しています。自分の顔どんだけ好きなの〜!?朝、着替えを嫌がっているときは、その日のコーディネートを絶賛。これ着てダディーに見せてきたら?すっごいかわいい!と連呼し、マーティーを呼び出し、マーティーにも「かーわいー!!」と絶賛してもらいます。着替えを嫌がっていても、これでコロリです。首をクネクネかしげてご満悦でございます。

関係ないコネタですが、よくオマタをおっぴろげて、股間をパーン!と叩いたりします。まちゃみだ!といつも思いますが、愛彩は言ってもわっかんないだろうなぁ。

ウ◯コをしたときは、かならず「プー」と言うようになりました。オナラをしたときはニヤニヤしながら「ファー(fart: おなら)」と言います。保育園の先生から「もうそろそろトイレトレーニング始めてもいいかもね」と言われ、おまるを買ってみました。ちょっと値が張るけど評判がいいやつを買ったおかげか、愛彩、一目惚れ。オムツを外した状態でも座ってくれました。おまるに座って便意をもよおしたのか、顔がみるみる真剣になり、お尻をそわそわと触り出しました。「おお、最初からこんなにうまくいっていいの?」とびっくりしつつ愛彩に「そうだよ、そこでウンコするんだよ。がんばれー!」とジェスチャー付きで応援してみましたが、愛彩、おもむろにおまるから立ち上がって、おまるの外側にもりもりーと立派なヤツを。愛彩は自分のした立派なヤツをみて驚愕しつつも「Isa did!」と興奮していました。うーむ、道のりは長そうです。

Sunday 5 October 2014

テレビ

家にはテレビがありません。テレビ番組もネットで見れるので、パソコンがあればテレビはいらないかなと、あまり必要性を感じずにテレビを購入することなく月日がたち、気がつけばテレビない暦5年弱です。今でも不自由は感じません。

パソコンだと本当に見たいテレビ番組しか見ないので、付いてる番組をなんとなくダラダラ見てたら数時間たってしまった...なんてことがないのが利点です。ま、パソコンでもなんとなく無意味にネットサーフィンしてて軽く数時間ほど経つこともありますが。

で、愛彩にもパソコンで子ども番組を見せるているのですが、最初は数分で飽きていたテレビも年齢が上がるにつれてハマり始め、好きな番組だと1時間以上ぼーっと見れるようになってしまいました。特にハマったのがPeppa Pigというイギリス発祥のブタの女の子が主人公のアニメ。大人の私が見ても面白いと思う名作です。一話がたったの5分なので、それこそ子どもが長時間テレビを見過ぎないですむようにできているのですが、どこかの親切な誰かさんが、何十というエピソードを集めて1時間とか2時間のYouTubeビデオにしてくださっているのです...。

きっかけはフライト。長時間も狭いところにじっとしていなくてはならないは、一歳児にとっては至難の業なので、いろいろとおもちゃを用意していくのですが、何より時間がかせげるのが子ども番組やアニメ。ということで、Peppa Pigのエピソードを2時間分パソコンに落とし込んでトルコへ旅立ちました。トルコ滞在中も、大人がちょっと一息入れたいとか準備したいとかいうときに、Peppa Pigさえつけておけばパソコンの前でじーっとして動かないので、毎日重宝しました。

トルコから日常に戻っても家に帰るとすぐにテレビを見たがるようになり、しかも見てる時の顔にあまりにも生気がなくてモアイ像みたいに固まってしまうので、マーティーと私の間で「やっぱりこりゃいかんかなぁ〜」という雰囲気になりました。「テレビから学べることはたくさんある」「テレビでもなんでもなにかに夢中になるのはいいことだ」「一日の大半は違うことをして遊んでいるんだから一時間くらいテレビ見てもいいんじゃない?」「日本語のテレビを見せたら勉強になる」などいろいろ白熱して語り合いましたが、最終的に「やっぱりテレビを見させすぎるのはいかんよなぁ〜」という最初から二人とも思っていた結論に達しました。

というわけで、今は一日30分までということにしています。年齢が上がるにつれて長くなるかなとは思いますが。家事をするときなどにテレビを重宝していた私は「こりゃ実行に移すのは難しいぞ」と構えていましたが、実際に30分ルールを適応してみると意外と大丈夫でした。最初は泣いて抗議をしていた愛彩もすぐに慣れました。なにより、「いいのかなぁ」ともやもや罪の意識を感じながら見せていたころに比べて、ちゃんとルールを決めた後のほうが、「さあ、見ていいわよ〜!」と気持ちよく見せられるようになってよかったです。

今回のことで、「なんでテレビを見過ぎるのはいけないんだろう」といろいろ考えるきっかけになりました。故ナンシー関さんみたいに、テレビを見つくして生業にしていた人もいますが、才能のある少数派でしょう。夢中になったりハマったりするのが、「絵を描く」とか「バレエを踊る」とかなら悪いとは思わないのに、「テレビを見る」のがダメだと思う理由はなんだろうと自問します。テレビをただ見るだけならなんの努力もいらないからかなぁ。テレビなしでただぼーっとするというのはけっこう難しいものですが、テレビがあると、何時間でもぼーっとできてしまう。人生、ただぼーっとして過ごしたくない(過ごしてほしくない)と私もマーティーも思っているからかな。なんだか二人ともマジメだな。

なんだかこれを書いていて、さくらももこさんのお父さんのヒロシを思い出しました。さくらももこさんのエッセイによれば、ヒロシさんはそれこそいつもぼーっとテレビを見ていたそうで、しかも同じ番組を何回みても、まるで初めて見たように感心していたそうです。さくらさんいわく「全く何も学習していない」だそうでした。ヒロシさん、最高。

それで別にいいのだーという気もします。私自身、テレビを見る時間を親から制限された記憶はありませんが、大人になった今はあんまりテレビ見ないですし。でもとりあえず、マジメな新米ペアレンツはテレビは30分までと決めてみたのでした。今後どうなるかな?

バイリンガル教育

愛彩より半年ほど年上の男の子。お母さんが日本人でお父さんがドイツ人、住んでいるところはロンドンです。この前このご家族と一緒に飲茶を食べに行ったのですが、この男の子がお母さんには日本語でお父さんにはドイツ語で話しているのを目にしました。保育園では英語をしゃべるとのこと。

「すごーい!!」とママさんに言ったら、「このくらいの年の子どもは機会さえ与えればみんなできると思いますよ」とのこと。いや、そんなことはないっす。あなたの息子さんはすごいっす。

というのも、愛彩にはなるべく日本語オンリーで話しかけている私。本も日本語の本を読むし、テレビ番組(家にテレビがないのでパソコンですが)も日本語をなるべく見せるようにしています。なので、日本語は理解できるようですし、日本語のボキャブラリーも少しずつ増えてきましたが、私が日本語で話しかけてもたいてい英語で返事が返ってきます。

この前、亀の絵をみて「Turtle」と言っていたので、「そうだね。タートルだね。亀っていうんだよ。亀。言ってみて、亀」と言うと、「違うよママ、タートルだよ」と英語で訂正されました。ぐっすん。

それぞれ成長のスピードも違うし、得手不得手もあるし。まあこれはこれでいいのだ〜。

バイリンガル教育の道のりは長い…。


オーストラリアのじーちゃんばーちゃんとトルコへ

オーストラリアからはるばる孫を見にやってきたマーティーママのスーとパートナーのマークさん。オーストラリアからヨーロッパは飛行機で丸一日かかります。なので、オーストラリア人がヨーロッパへ行くときは、たいてい一ヶ月以上は滞在するのが普通です。そうじゃないと、飛行機に乗っている時間の割に合わないと思うのがオーストラリア人。今回のスーとマークも、まずロンドンで一週間、トルコで10日間、ロンドンに帰ってきて一週間、ポーランドで一週間弱、トータルまる一ヶ月という日程でロンドンまで来てくれました。

ロンドンでは、私たちのアパートからほぼお向かいにある物件をAir B&Bで見つけてくださってそこに滞在。まさにスープの冷めない距離で、狭いアパートにギュウギュウ詰めになるストレスもなく、もちろん愛彩を目に入れても痛くないほどかわいがってくださって、ほんっっとにありがたかったです。

トルコではイスタンブールに3泊、チラリというビーチ沿いの町で一週間過ごしました。イスタンブールはボスポラス海峡を挟んでアジア大陸とヨーロッパ大陸の二大陸にまたがる大都市で、ヨーロッパ大陸側も金角湾という大きな湾で東北と南西に分かれています。私たちはヨーロッパ大陸側にいたのですが、宿泊先はオサレなお店やレストランが多い東北側で、有名なモスクやバザールなどは西南側にあるので、毎日、金角湾を渡りました。湾の対岸側に見える街の姿に何堂もドーム型のモスクがあって、行きも帰りもとても美しい街だと思いました。地元の人も気さくで親切でマナーが良く、これほどの大都市で観光客もたくさんくるのにゴミがあんまり落ちていなかったのも印象的でした。

トルコの人は赤ちゃんが大好きなようで、愛彩はイスタンブールでもチラリでもスキあらばほっぺを(優しく)つねられていました。赤の他人の赤ちゃんのほっぺをいきなりつねるなんてびっくりですが、トルコでは当たり前なのか、愛彩があきらかに嫌がっていても一向にかまわず老若男女を問わずいろんな人が笑顔でつねっていました。グランドバザールでは、愛彩がトコトコ歩いている周りを、おじさんたちがワサワサと集まってきてほっぺたをつねろうと手を伸ばしていました。手が30本くらいどわ〜っと愛彩の顔の周りに集まってきたこともあって、写真に撮れなかったのが残念です。

イスタンブールは歴史ある文化も新しい文化も豊かで、食べ物もおいしいし、清潔だし、住んでみたい都市の一つですが、小さい子どもがいると大変だなーと思いました。歩道が狭くて坂が多く、道がゴトゴトしている上に常にあらゆる道路が工事中なので、ベビーカーを押すのが大変なのです。街を普通に歩いているうちにハーハーしてきたりして、「修行?」とツッコミ入れたくなるほど大変でした。(ほとんどマーティーに押してもらいましたが)

チラリではのんびりと、一日の大半をビーチで過ごしました。愛彩は海という言葉を覚えました。最初に海を見た時は大興奮で、キャーキャー言いながら泳いだり浅瀬で波と遊んだりしていました。自分一人で泳げると思いこんでいて、抱っこした腕から逃れようとするので、捕まえておくのが大変でした。

トルコはお肉もお魚も野菜もみんな美味しかったのですが、なによりパンとコーヒーのグレードが高かったです。トルコパンはもちろん、ピザやバゲットまで、パン生地を使ったものはなんでも「うまい!」と絶賛できるクオリティーでした。コーヒーもトルココーヒーだけじゃなくてカフェラテやエスプレッソも美味しかったです。

じーちゃんばーちゃんとの旅行、本当に楽しかったです。また行きたいな...で締めたいところですが、驚くほど準備のいいスーは、ロンドンに来る前からもうすでに来年の旅行を計画していました。来年の5月は同じメンバーでフランスのプロヴァンスでバカンスです。今から楽しみ〜!




Monday 1 September 2014

おしゃべり上達

最近、ぐんぐんボキャブラリーが増えてきた愛彩。

英語はCar(車)、 Towel (タオル)、Big(大きい)、Kiss(キス)、Door(ドア)、Pig(豚)、Cat(猫)、Orange(オレンジ)、Milk(牛乳)、Strawberry(イチゴ:ベビーと聞こえます)Walk(歩く)、Hair pin(ヘアピン)、Spoon(スプーン:プーンと聞こえます)などが言えるようになりました。少しだけど文章も作れるようになりました。Isa walk(愛彩歩く)とか Teddy Sleeping(テディ寝てる)とか。Sleepingは「ピーピン」と聞こえますが。

日本語は、木、パン、雲、おいしい、ケーキ、あった、足、目、耳、鼻、口など。「ママの目」など文章ではないですが短い節は言えるようになりました。アンパンマンが大好きで「アンマン!アンマン!」と言います。

本を読んでいると、絵を指差して「That(あれ)」と言います。これは何て言うの?という意味なので、描いてあるものの名前を教えてあげます。「馬」とか「ケーキ」とか。そうすると、私の真似をしてその言葉を覚えようとします。私やマーティーなど大人が言った言葉をそっくり真似するのもかなり上手になりました。上手に真似できた言葉は、けっこうちゃんと覚えたりするので、子供の脳みそは本当にスポンジみたいだと感心します。上手に真似できない言葉は、聞き取れないくらいのちーちゃい声か口パクで真似します。こんなに小さいのに上手くいえないのが恥ずかしいのか?かなり笑えます。

ベビーカーに載せていると「ママ、ウォーク!(ママ、歩く!)」と言ったり、マーティーが抱っこしようとすると、「ダダ、ノー!(お父さん、嫌!)」と拒絶したり、ことばが増えるにつれ、自分の意見をいっちょまえに言うようになってさらに笑えます。

毎日どんな言葉を覚えてくれるのか楽しみです。すぐにペラペラおしゃべりするようになるんだろうなぁ…。




Friday 29 August 2014

投げキス

おやすみのときにギャン泣きするのは、数日間で終わりました。またスヤスヤと問題なく眠ってくれるようになりました。

最近は、おやすみの前に絵本を数冊読みます。まず、愛彩の指示でテディーベアとお人形さんと2匹の猫のぬいぐるみをベビーベッドの柵に立てかけるようにして座らせます。愛彩も座り、愛彩は隣りの空いてる床をポンポンと叩いて「ママ」と言います。「そこに座れってことね〜」と隣に座ります。これで準備はオッケーです。私が絵本を読む時もありますが、マーティーが読むこともよくあります。私が読むときはマーティーがいなくても大丈夫ですが、マーティーが読むときは私も同席しないと機嫌が悪くなります。

絵本といっても大人も十分に楽しめるものが多く、マーティーの熱のこもった朗読に私も気分が乗ってきたところで、愛彩がページを早くめくろうとします。「ああ、今いいとこだから!」とそのページの最後まで読もうとするのですが、愛彩の早めくりに負け、ウダウダなまま本を閉じられ「おしまい♪」となることもよくあります。早く本を閉じようとする割には、一冊終わるとかならず「ワンモア(One more)」と言って次の本を読むようにせがみます。三冊目くらいになると、眠くなってくるのか、早めくりをしなくなります。お話しを聞いてるんだかいないんだか分からない愛彩に邪魔されることなく、のびのびと絵本を読むマーティー。エツに入る私。眠くて絵本なんかどうでもよくなっている愛彩をよそに「この本、何度読んでもいいね〜」と満足な大人二名。

最後の絵本が終わると、マーティーにおやすみのキスをする愛彩。キスのコンセプトがイマイチわかっていないようで、「んー」とキスの音をマネしながら、自分のほっぺをマーティーのほっぺにくっつける愛彩。でも、これだけでお父さんはメロメロです。「おやすみ〜。バイバーイ」というマーティーにむかって、バイバーイと手を振った後、投げキスをする愛彩。パパ、デレデレです。パパが退出した後は、これまた愛彩の指示でテディーベアー、お人形さん、二匹の猫のぬいぐるみをベビーベッドに並べます。その後、私が愛彩を抱っこして「ゆりかごの歌」か「夕焼け小焼け」を歌います。歌い始めるとすぐに、「もう、いいから早くベッドに寝かしてくれ」とばかりに背中をそらせるので、歌いながらベッドに寝かせると、やれ寝袋のジッパーをあげろだのブランケットを乗せろだの、かなり細かい指示を出して来る愛彩。一通りおやすみの準備がすむと、愛彩は笑顔で「バイバーイ!」投げキスちゅっちゅっちゅーとやります。これでねかしつけ終了です。私が部屋をでると、自分で勝手にスヤスヤと眠ってくれます。
愛想よく、ご機嫌で単純に育ってくれて、まじでありがとう。

Monday 21 July 2014

初めての歌

前から体をゆらして歌詞っぽい音を発しているときなどあったのですが、最近ちゃんと人もわかるように「アイアイ」が歌えるようになりました。「アイアイ」のとこだけですけどね...。両手で「アイアイ」のポーズ(手をグーにして顔の上下に持っていくおさるさんポーズ)をしながら「あーいあい」と突然歌い始めます。ご飯のときなど、本当に脈略もなく(本人には今だ!と思う理由があるようですが)「あーいあい」。きゃわいいので、毎回一緒に歌ってあげます。

それから、自分の名前が言えるようになりました。不思議なもので、お友達の名前は言えるのに、自分の名前はずっと言えないままでした。ある日突然、「あ!なるほどね」と合点がいったように、自分を指差して「あいさぁー!」とドヤ顔で言いました。ある日突然なんだかピンときたようです。

まぐれかもしれませんが、先日の朝、テディーベアーの耳を持って、「テディーの耳」と言いました。今まで単語を口にしたことはあったけど、2つ以上の単語を使ったフレーズを言ったことがなかったので、びっくりしました。しかも日本語で。

しまじろうのDVDを見せているのですが、「お返事しましょう」みたいなコーナーがあり、いろんな子供が「はーい」と手を挙げているシーンが続いて「きみもお返事できるかな?」と視聴者にもお返事をするように呼びかけます。それに触発されて愛彩も「はーい」とよく言うようになりました。それまでは「No」は言えても「Yes」は言えなかったのに(今でもYesは言えませんが)、ベネッセさまさまです。

しまじろう効果でもうひとつ。歯磨きをするときは「カバさんみたいにあーして」と言って口をあけさせていたのですが、先日、絵本にでてきたカバの絵を見て、「あー」と言って口を開けてました。

なにか上手にできたときは、自分で拍手しながら「イエーイ」と言うようになりました。周りの大人も一緒になって拍手して「イエーイ」と言ってあげると、ほくほくと満足そうに笑います。

保育園の先生が、愛彩の髪にかわいいヘアピンをしたり、ゴムで前髪を結んであげたりすると、ものすごく喜んぶらしく、鏡の前で「えへへ〜」と悦に入るらしいです。保育園の先生が親切にヘアピンのセットをくださったので、家でも付けるようになりました。朝おでかけ前にヘアピンをつけてないと、髪の毛をなでつけながら、「ママ、ママ」とヘアピンを指差します。こんなに小さいのに、もう女の子だなぁ。

もともとよく眠るほうで、最近までは起きたままの状態でベビーベッドに寝かせ、「おやすみ〜」と言うと「バイバーイ」と愛彩の部屋を去る私に笑顔で手をふって、そのまま一人でスヤスヤと眠っていましたが、ここ数日になって急にベビーベッドに寝かせると泣き出すようになりました。「赤ちゃんの睡眠おたく」の私は、もちろん速攻でググりましたよ。よく眠っていた赤ちゃんがあんまり眠らなくなったりするは、成長期によくあることだとありました。今の愛彩はまたものすごい勢いで成長していて、頭の中もたくさんいろんなことが起こっているのでしょう。また、自我も強くなって「自分がしたくないことをさせられる」のがものすごーくイヤなようです。以前、おやすみトレーニングをしたことがありましたが、また同じ方法でトレーニングしてみることにしました。抱っこして「もうおやすみの時間だよー」と説得し、歌を何曲か歌ってあげた後にベビーベッドへ。部屋を出ると「うわぁーーーー!」と泣き出す愛彩。かわいそうだけど5分待ちます。前回の時よりも声帯が発達していて、ものすごい大声。声の限りをつくした抗議の泣き声に「ぜったいいやだぁぁぁー!」という意思を感じて「すげーな」と変な方向にグッときてしまう自分。5分後に部屋に入ると、ピタっと泣き止む愛彩。涙と鼻水でぐしょぐしょの顔。八の字眉毛。両手を挙げて「ママ」と抱っこしてのポーズ。たまらんっ!きゃわいい〜♡

抱っこして「ゆりかごの歌」などを歌ってまたベッドへ。部屋を出ると「うわぁぁ〜ん!ママ、ママ〜!」と大泣き。これをもう2回ほど繰り返し、最終的には力尽きたのかバタンキューと眠りました。あと何日かトレーニングすることになるのかなぁー。また笑顔で「バイバーイ」と眠ってくれるようになるといいな。

Monday 30 June 2014

ベイビーとビビ

愛彩は自分と同い年か少し年少の子供を見ると、「ベイビー」と言って側へよっていきます。ぎゅーっと抱っこしたり、頭をなでなでしたり。アナタもつい最近までベイビーでしたよね?とツッコミたくなります。愛彩だけでなく、言葉を覚え始めた赤ちゃんが最初に言い始めるのが「ベイビー」という言葉。「私はもうベイビーじゃないから〜」て言いたいのかなぁ。

なんでもママの真似をしたがるので、先日は友人の赤ちゃんのベビーカーを押してあげてました。陰で赤ちゃんのお父さんが引っ張ってくれてたんですけど。

それから、ご飯の時間になると、「ビビ」と言って自分でスタイ(英語でBib:ビブ)を取ってくるようになりました。自分でスタイを付けて、両手を合わせて「いただきます」のポーズ。「すごいね〜!自分でできたね!」とほめるとドヤ顔で拍手をして自画自賛。最近は私が何も言う前から、一人で「いただきます」をしては速攻で拍手をして自画自賛しています。

愛彩用のカップを私のコップにガチャンとあてては、一人で乾杯。
私の携帯を耳にあてては、愛彩語で長電話。意味は全く分かりませんが、本当にそんな言語があるかのように、ジェスチャー付きでもっともらしくおしゃべりするのです。
愛彩の一挙一動を見るのはヘタな漫才を見るよりもよっぽどオモシロイです。

朝起きた瞬間から電池切れでスコーンと昼寝してしまうまで、昼寝から起きて夜ベッドに入るまで、とにかく元気!そしてハッピー!息してるだけで幸せそう。牛乳のボトルやお財布がそんなにエキサイティングなものだったとは!世界が「楽しい」と「びっくり」で満ち満ちているようです。朝起きて、たくさん遊んで、よく笑って、よく食べて、ぐっすりたっぷり眠る。なんて健康的な生活なんだ!病気や怪我をしても回復が早いはずです。

子供ってすごいな〜と心から思います。大人は大人でいろいろオモシロイけど、世界をずーっと新鮮な目で見続けられるように、毎日元気でハッピーに過ごせるように、子供を見習おうと思う毎日です。

Thursday 12 June 2014

ぬいぐるみ

最近、愛彩はテディーベアーと猫のぬいぐるみがお気に入り。寝る時は二匹を抱っこして就寝、朝起きると第一声が「てでぃー」で、保育園に行くときまで二匹とも抱っこして歩き回っています。愛彩にとっては大きいぬいぐるみを二つも抱えて歩くので、大人の目から見るとものっすごく大変そうなんですが、本人は喜々としています。

不思議なのは、愛彩がこの二匹を床に仰向けに転がして、背中やお尻をポンポンとなでること。あやしてるのか、寝かしつけなのかわかりませんが、すっかり二匹の「お母さん」のつもりのようです。

テディーベアーは愛彩が生まれる前にマーティーが買ってきたものでした。「赤ちゃんと言えば、テディーベアーだろう!ぜったい一家に一匹はいないと」と自分好みのテディーをネットではりきって調べ、手作りのものを通販で買いました。生まれてから気づいたのは、「赤ちゃんはぬいぐるみで遊ばない」ということでした。音が鳴るぬいぐるみや、ハムハムと噛むのにちょうどいいぬいぐるみは別ですが、ぬいぐるみの本来の「生き物の代わり」としての機能は全く使われないままでした。音も鳴らないし噛むのには大きすぎるテディーベアーは、愛彩が生まれてから何ヶ月も、愛彩のベビーベッドの中でインテリア雑貨の一つとして遊んでもらわれることなく鎮座しておりました。「ぬいぐるみ、あんまり意味ないかも...」とずっと思っていたのですが、一歳をすぎてから、ぬいぐるみに話しかけたり、抱っこして遊んだりするようになりました。物体を生き物に見立てて遊ぶというのは、想像力を要する高度なことなんだと気づきました。

うんこをしたら、「ぷぅー(poo、うんこのこと)」と言うようになりました。毎回じゃないのが惜しいのですが。そろそろトイレトレーニング始めてもいいかなぁ。

それから、先日本を持ってきて「プリー」と言ったので、我が耳を疑いました。「愛彩ちゃん、もしかして今Pleaseって言った?」と聞くと、ドヤ顔で体をくねらせながら「プリー♡」(←本を読んでほしいらしい)。「お願い♡」のポーズまで会得しているとは!Thank youやありがとうはまだ言えません。だってね、Pleaseはなにかしてもらうために言えたら便利だけど、ありがとうはしてもらった後だもんね。もう興味ないよね。

だんだん賢くなってます。楽しいけど、いろいろ油断できなくなってきたな〜。

Tuesday 20 May 2014

久しぶりの大人デート

なんと、マーティーの会社は誕生日にはお休みを取っていいことになっております。今年のマーティーの誕生日は、私も合わせて有給を取り、愛彩が保育園に行っている間に大人デートをすることにしました。

朝起きてゆっくり親子3人で朝ご飯を食べ、二人で一緒に愛彩を保育園に連れていき、帰ってきてからコーヒーを飲んだり時間をかけてお化粧したりしていたらすでに11時。「はっ!せっかくのデートの日があっという間に過ぎてしまう〜」と思いましたが、愛彩が生まれる前は、休日に朝起きて身じたくをしたらもう11時とかふつうだったなと思い出しました。愛彩がいる今では、朝の11時というとすでに一仕事終えて一休みな時間ですが。

普段、お休みの日は愛彩を連れて行けるとこにしか行きません。せっかくの大人デートなので、子供連れでは行けないところに行こう、と映画を観ることにしました。

観たかった映画をやっていた映画館の周辺はトルコ料理で有名な土地柄だったので、映画の前にトルコ料理のランチを食べることにしました。さすが、トルコ人が多い地域の有名店、パンはフワフワもちもち、お肉はカリッとジューシー、ナスのディップも絶品で、大満足でした。

お昼を食べた後ブラブラと買い物をし、映画館に入りました。「せっかくだから飲もう!」と私は白ワインをマーティーはビールをたのんでかんぱ〜い!観た映画はFrankというコメディでしたが、笑えるのにすごく哀しい映画で、ほろ酔いの私はひじょーにメランコリーな気持ちになりました。喜劇と悲劇はコインの表裏だなと思いました。

大人デートの時間はあっという間に過ぎ、二人で愛彩を保育園に迎えに行きました。デート中も、愛彩の写真や動画を見せ合っては「あは〜ん♡」となっていた私たち。保育園に二人で迎えに行くと、満面の笑顔でトタトタ駆け寄って「抱っこ〜」をせがむ愛彩にメロメロに。保育園からの愛彩と一緒の帰り道が実はその日のハイライトだったかもしれません。

たまには、こういう夫婦だけの大人な時間も楽しいし必要だなと感じますが、「いつもそこにいる人がいない」というのは変な気分です。愛彩がいるぶんだけ、人間としての私たちも、夫婦の関係も、二人の生活も、大きく変わりました。変形したぶんのスペースが、愛彩がいない間にしゅるしゅる〜と元に戻るわけはなく、そのままの形で残っている感じです。「自分の時間がもっとほしいなぁ」と思うこともよくありますが、こうやって「自分の時間」をもうけたらもうけたで、「愛彩はなにしてるかなぁ」と愛彩がいないぶん空いた隙間にモゾモゾ変な気分になります。私たち、愛彩の存在なしで、昔はどうやって暮らしてたんだっけなぁ〜と疑問に思いながら一日を終えたのでした。



Monday 12 May 2014

アップ!アップ!

愛彩のボキャブラリーが徐々に増えています。それと同時に、いろいろ要求も増えてきました。

週末の朝、早い時には8時くらいに自分のくつを持ってきて「シュー」「シュー」(Shoe=くつのこと)と言い、その場にペタンと座って「くつをはかせてよ〜」とせがみます。くつをはかせてあげると、今度はカーディガンを持ってきて、「カーガ」「カーガ」と「カーディガンをきせてよ〜」とせがみます。カーディガンを着せてあげると、ベビーカーに突進し、ベビーカーに無理やり登ろうとしながら「アップ!」「アップ!」と「ベビーカーにのせてよ〜」とせがみます。「早く外に連れていけ」という合図です。「アップ!」は椅子など高いところに座らせてほしいときにも言いますが、椅子やベビーカーなどからおりたいときにも言います。最近は家の中にずっといることができません。朝早いと8時半、遅くても9時半までには外に連れ出さないと延々とベビーカーにしがみついて「アップ!」「アップ!」と言い続けます。

本棚から絵本を持ってきて「ブッ」「ブッ」(Book = 本のこと)と差し出すと「本読んでくれよ〜」の合図です。時にはレシピ本とか編み物の本も持ってきます。かなり無理矢理ですが、レシピ本や編み物の本もがんばって読みます。写真や絵本の絵を見て何かわかるようにもなってきました。猫や犬の写真や絵をみると、大興奮して「にゃんにゃん!」「わんわん!」と言います。牛の絵や写真を見ると「む〜(も〜)」と鳴きまねをします。ライオンやトラも「にゃんにゃん」で馬は「わんわん」ヒツジやゾウは「む〜」に分類されます。「ねこ」や「いぬ」は言えませんが、「ねこ」と私が言うと「にゃんにゃん!」と返すので、意味は分かっているようです。

「ハナ」というと鼻を指差して「のぅ(Noseのこと)」と言います。「口」や「耳」、「目」も同じ。「お母さん、鼻は「のぅ」って言うんだよ」と教えてくれてるつもりなのかも...。ちなみに、友人の子どもはママのことを「ダダ(お父さん)」と呼びます。ある日、その子が「ま、ま、ま、ま」と言っていたので、友人は「そうよ〜!ママよ」と自分を指差して言ったら、その子はママをびしーっと指差して「ダダ!」とママを訂正したそうです。

オムツを替えるとき、両足をつかんで「ぁしー」と言ったこともありますが、一回きりでした。それから、「やったー!」を無理やり覚えさせようと何度も試みていますが、一度「ったー!」と言ってそれきりです。食事の前の「いただきます」は全然言いません。目の前にあるご飯に夢中すぎて他はどうでもよくなるようです。

りんごのことを「ア〜ぷぅ〜(appleのつもり)」と言いますが、トマトやときにはみかんまで「ア〜ぷぅ〜」とドヤ顔で呼びます。おそらく、アルファベットの表などで一番最初にでてくるのがAのappleなので、「ア〜ぷぅ〜」と言うのが自分のなかで流行っている様子です。

食べ物の名前はよく覚えていて、保育園から連れて帰る際、ベビーカーに乗りたくないとジタバタ暴れているときに、「お家に帰ってバナナ食べよう」というと、はっとして「ナナ?」と暴れるのを止めたり、「いちごあるよ」というと、にこっと笑ってベビーカーに乗ってくれたりします。相変わらずの食いしん坊です。



Wednesday 7 May 2014

弟の結婚式

五人姉弟の四女として生まれたわたくし。女四人ともめでたく結婚し、一番下の弟(長男)も結婚することになったので、2014年の3月に一歳四ヶ月の愛彩を連れてまた日本の実家に帰省しました。五人とも結婚できて親としては感無量といったところなのかなと思いますが、私としても「みんなよかったねー♡」と嬉しい気持ちで帰省しました。

さて、結婚式は長崎のハウステンボスにあるホテルで行われたのですが、小さい子どもがジャガイモのようにごろっごろいて、いろんな珍事を巻き起こしておもしろかったです。

お式ではやはり神父さんが英語で誓いの言葉をのべ、「なんで日本語じゃないんだろぅ」といつも通りの違和感を覚えましたが、なんと、式の一番大切な部分である夫婦が「誓います」と言うあたりで、愛彩が「うぇーー!」と叫び出しました。ウェディングコーディネーターの方が、笑顔でスマートに、しかも驚異的な速やかさで私のところに来て「こちらへどうぞ〜」と愛彩もろとも退出させてくださいました。

愛彩がやっと落ち着いたところでまた式に戻れましたが、花のようにかわいい弟のお嫁さんと、なんだかいつのまにかいい大人(おっさん?)になってしまった幸せそうな弟を見て、ぶわぁーーーーと涙が出てきてびっくりしました。姉たちの結婚式では「ああ、お姉ちゃんよかったね〜」という気持ちでじわーっと涙がでる(もしくはでそうででない)程度だったのに、弟のときは、「こんなにかわいいお嫁さんにきてもらってよかったね」「あんなに小さかったのに大人になって」「これからがんばれ〜!」などなど、いろんな思いが胸中を錯綜して、なんかぶわーっと泣いてしまったのでした。

古風かもしれませんが、「女はお嫁に行くもの男はお嫁さんをもらうもの」という考えが潜在意識に根強くあって、姉がお嫁に行ったときは「いいところに行けてよかったね。一件落着〜!」みたいな心境でしたが、弟の結婚式では、「いいお嫁さんをもらってしまった(←私がもらったわけでもないのに)。弟よ、責任は大きいぞ」という心境でした。不思議なものです。

さて、披露宴はにぎやかに行われましたが、ごろっごろいる小さい子どもたちのスタミナがもたず、ひとり、ふたり、とお昼寝をし始めました。式場内にベビーベッドを設置してくれて、「へぇ〜、こんなサービスまでしてくれるんだ」と感心していましたが、ベビーベッドが4つ設置されたあたりでもうベビーベッドを置くスペースがなくなりました。あいにく愛彩のスタミナは4つ目のベビーベッドが占領されたころに切れ始めたので、ベビーカーで寝てもらいました。大人が酔っぱらって大声でしゃべったり歌ったりしている中、ごろごろいる子ども達がスヤスヤと寝ているのはなかなかオモシロイ眺めでした。

披露宴のクライマックス、花嫁がご両親に書いた手紙を読み、みんなが感動に涙ぐむその絶妙なタイミングで、姉の息子(11ヶ月)がうわーんと泣き始めました。姉は我が子をラグビーボールのようにかかえてドアの方へまっしぐらに走りましたが、あいにくそのドアは開けられなくなっており、式場のスタッフの男性が「すみません、あちらのドアをお使いください」とすまなさそうに反対側のドアに誘導しました。感動のタイミングでまたもや反対側のドアに向かって、わーんわーんと泣き続ける乳飲み子を脇にかかえてまっしぐらに走る姉。花嫁さんのお手紙の内容はもう忘れてしまいましたが、式場をお出かけ用スーツで一生懸命走っていた姉の姿はずっと忘れないだろうなぁと思いました。

披露宴で電池切れの愛彩

Sunday 27 April 2014

ぎゅー♡

愛彩が最近、ぬいぐるみを抱っこしたり、お友達をぎゅーっと抱きしめたりし始めました。特に自分よりも小さい子どもを見ると「あ〜、赤ちゃんだ。かわいい」みたいなノリでぎゅーっとしたり、頭をなでなでしたりします。自分だってついさっきまで赤ちゃんだったのに。

2歳以下のお友達同士でぎゅーっと笑顔で抱き合ったりするのを目撃し、周りの大人が「あはーん♡」とデレデレになったりすることもありますが、大抵の場合、一方がもう一方を追いかけ回し、嫌がってるのに無理矢理ぎゅーっていう構図が多いように思われます。愛彩も、小さい赤ちゃんを(嫌がってるのに)ぎゅーっとしたがるわりには、同い年かちょっと年上(とはいっても2歳以下)の子どもに抱きしめられようとすると、露骨に嫌がって押し返したり逃げ回ったりします。

大人の世界だと完全にセクハラだよね〜という行為が日々繰り返される赤ちゃんワールド。自由だねぇ。

それでも、小さい子どもがぬいぐるみなんかを愛しそうにぎゅーっとやってるシーンは、何度みても「あはーん♡」となりますね。

Saturday 26 April 2014

赤ちゃんの検尿

保育園に行き始めてからというもの、しょっちゅう病気をもらってくる愛彩。多少の熱などにはあまり動じなくなってきましたが、熱が上がったり下がったりすること3日目。さすがに心配になって病院に連れていきました。

日本と違って、イギリスでは風邪や子供の熱くらいだと病院に行きません。行ったところで「ただの風邪です。水分をたくさんとらせて休養させてください。」と「わかっとるがな」的なアドバイスをもらって家に帰るだけです。

なので、最初の1−2日は特に心配もせず、解熱剤を飲ませて対応していましたが、さすがに3日も熱が下がらないと不安になり、医者に連れていきました。そのときたまたまみてくれたお医者様が、ものすごーくそっけない人で、「熱が高くてつらそうだったら解熱剤を飲ませてください。そのうち治ります。」と1分以内に帰されそうになったので、「熱が3日も下がらないんですが、大丈夫でしょうか?何が原因なのでしょうか?」と食い下がってみたら、「さあねぇ」て言われました。はぁ?!医者が「さあねぇ」てどういうことやねん!とキレそうになりましたが、ぐっとこらえて、「ただのウイルスでしょうか?」と聞いてみたら「たぶん。ま、そのうち自然に治ります」と。「たぶん」ってなんだ、「たぶん」って!!

し、か、も、

このそっけないお医者さんはとーっても気楽な感じに「大丈夫だと思いますが、念のため尿を取ってきてください」と言うではあーりませんか。「オムツをしている赤ちゃんからどうやって尿を取ればいいのでしょうか」と聞いてみたら、「お水をたくさん飲ませて、しー、て言えば、おしっこすると思いますから、それを取ってきてください」と。はぁぁ〜!?まず、「お水をたくさん飲ませる」ってね、赤ちゃん相手に「はい、たくさん飲んで〜」っつても飲まねえんだよっ。それから、「しー、て言えば、おしっこする」って、そんな簡単におしっこしませんってっ!最後に、「それを取ってきてください」ってちっちゃいプラスチックの容器もたされても、どうやって取るの!?

軽い絶望を感じながら家に帰り、とりあえず赤ちゃんの検尿の仕方をググってみると、途方に暮れているママは私だけではなかったようで、たくさんのママが同じような質問をネット上でしているのを発見しました。親切な解答のなかに、「甘い飲みのもだったらたくさん飲むので、ジュースをお水で割ったものをあげて、すぐにオムツを取って下半身裸にして20分くらい様子を見ます。煮沸したボウルなどの容器を持って待機。赤ちゃんがおしっこをし始めたら急いでキャッチします。床など汚れますが、成功率は高いです」というものがあったので、さっそく試しました。まずジュースを水で割ったものをあげると、ノーサンキューと断られました。水で割らずにそのままあげても、ノーサンキュー。お水をそのままあげたら一口二口飲んで終了。のっけから作戦失敗。お昼ご飯になるまで待って、ご飯と一緒にお水をあげると、ごくごく飲みました。やった!いそいで下半身裸にして、煮沸したボウルを持ってじーっと待機。が、1時間待っても一向におしっこはでません。そのうちなんだか真剣な顔になったかと思ったら、ウンチをもりもり〜と床にする愛彩(ツルツルのキッチンの床でよかった♡)。そのもりもりしたウンチの上からじょーっとおしっこ。作戦、またもや失敗!今度はおやつの後に、今度は夕ご飯の後に...、と再チャレンジを繰り返すも全然おしっこがでなかったり、でた〜!と思ったときにちょうど電話中だったりして、ことごとくチャンスを逃す私。しかも、熱があって本調子じゃない愛彩はすぐに疲れて眠くなったりするので、下半身裸でずーっとウロウロさせておくのもよくないので、眠くなってきたらオムツをさせてベッドへ。寝ている間におしっこをたくさんするので、ますます起きている間におしっこを採集するのが困難に。そんなこんなで一日が過ぎ、しかたなく「明日再チャレンジだ!」と眠りにつきました。

「明日熱が下がっててくれないかな〜。そしたら検尿もしなくてすむし」という希望を抱いて眠りにつきましたが、朝起きて抱っこすると、まだバッチリ熱がある愛彩。また医者に連れて行ったところで「尿を取って来てください」と帰されるのがオチだと思い、朝から尿採集に挑みます。朝ご飯と一緒にたくさんお水を飲ませ、下半身を裸にし、今度はチャンスを逃さないように、椅子に座って愛彩を膝の上に座らせ、愛彩が大好きな犬や猫のYouTubeビデオを見せてスタンバイ。もちろん、椅子の下には煮沸したボールを設置しました。が、30分ねばってもおしっこしません。ビデオをアニメに変えたりいろいろ試しましたが、やっぱりこの年頃の赤ちゃんが30分以上もじっとしているはずがなく、家の中を歩き回るおしり丸出しの愛彩をボウルを持って追いかけます。そのうち家の中も飽き、私の集中力もさすがにきれてきて、外に連れ出した〜い!と思うのですが、「もうそろそろおしっこするかも〜。っていうか、早く病院連れて行きたい。なんとしてもおしっこを採集せねば!」とねばりにねばって2時間半、またしても、もりもりもり〜とウンチ&おしっこをリビングの床(フローリングでよかった♡)にする愛彩。しかも熱も下がっていたので、「治ったってことにしよう」とまたオムツをして外へ連れ出しました。が、夕方になるとまた熱がぶり返す愛彩...。

その後も何度も何時間もおしっこ採集を試みましたがことごとく失敗し、絶望的な気持ちのまま二日目終了。朝から晩までおしっこ採集にはげみ、夜は「今日もおしっこ採れなかったよ...。」と無念を抱えて就寝。夢の中でもおしっこ採集。という日が、なんとこの後2日も続きました。4日間まるまるおしっこ採集に捧げ、ことごとく失敗。しかもまだ熱が上がったり下がったりしている愛彩。「ああ、こんなアホな母親は私しかいるまい。ネットとか見る限りでは、他のお母さんはちゃんと赤ちゃんの検尿してるみたいだし。4日間ずーっとトライしてただの一滴もおしっこが採れないなんて、ありえない」と泣きそうになりましたが、熱が一週間も下がらない幼児を抱えて、我が身を嘆いている場合じゃないので、とりあえずまた医者に連れて行きました。

「おしっこ採ってきてください」て言われたら、泣こう。と本気で考えていました。泣いて「4日間トライしましたがどうしても採れません。採血かなにか他の方法で調べられませんか?」て言おう、と思っていました。そのときみてくださったお医者さまは、中年の優しそうな女性。にこにこと愛彩と接しながら「お水や牛乳などはちゃんと飲んでますか?熱のほかに症状はありますか?」などと質問をし、「心配いりませんよ。ただのウイルスです」とのこと。「ウイルスで熱が10日ほど続くことがありますが、赤ちゃんがちゃんと食べて寝て元気だったら問題ありません。」とみるからに元気いっぱいの愛彩を見ながら太鼓判を押してくれました。「検尿はどうしましょう...」と恐る恐る聞いてみたら、「検尿は尿道感染症の疑いがないか一応調べるために必要ですが、見たところ大丈夫そうなので、別にしなくてもいいですよ。もしあと2-3日しても熱が下がらなかったら、また来てください。」と言ってくださるではありませんか!やった〜!!
愛彩が「大丈夫」だといわれて安心する気持ち以上に「もう検尿しなくてもいいんだ〜!」という開放感で踊り出したい衝動にかられました。

しかも、この女医さん、赤ちゃんから尿を採集するためのテクニックを教えてくれました。清潔なビニール袋を小さく切って赤ちゃんの「あの部分」をカバーし、医療用テープで肌に直接くっつけ、上からオムツを付けるとよいそうです。検査にいる尿は少量でいいので、ビニール袋から尿があふれたりしてもオムツに吸収されてオッケー。尿がでたかな?と思ったらビニール袋をはがして慎重に中の尿を容器に移せばできあがり♡その他、救急病院だと、オムツの下に入れて使える検尿パックなるものが配布されるということでした。普通の病院でも配布してくれよ〜。

ちなみに日本語で「赤ちゃんの検尿」をググったら「オムツの上にサランラップを敷いてその上に脱脂綿を置き、おしっこがでたら脱脂綿を絞って尿を採集するとよい」と書いてありました。脱脂綿なんかで絞ってもいいんだ!と目からウロコでした。先に読んでおけばよかった...。

ママ友の一人は、自分の赤ちゃんの尿をとるために一週間奮闘したと言っていたので、こんなまぬけで困難な経験をしたのは私だけじゃないとわかったのでした。赤ちゃんの検尿で泣きそうになったママ、絶対たくさんいるはず!

Friday 28 March 2014

にゃんにゃんとバウバウ

近ごろ急にボキャブラリーが増えてきました。

最初の言葉はナナ(バナナから転じて食べ物全般)
ダダ(Daddy=お父さん)
ママ
にゃんにゃん(猫)
バウバウ(犬:ワンワンと言おうとして言えてない)
Shoe (くつ:これははっきり言えます)
ハッ(ぼうし:hatのtが言えてない)
Ah oh!(あちゃちゃ〜:これもちゃんと言えてます)
Oh no!(どうしよう〜:連呼します)
のぅ(鼻:Nose のズが言えてない)

にゃんにゃんとバウバウ(ワンワンの変形)以外は英語ばっかりです。

でも日本語も「言えないけど理解できる」言葉が増えてきていて、私が「ぼうし」というと、ニヤッと笑って頭に両手を乗せます。「鼻はどこ?」というと自分の鼻を指差します。「耳はどこ?」と言うと、髪の毛を耳にかけるしぐさをします。私は愛彩に耳の説明をするとき、いつも髪の毛を耳にかけてから耳を見せていたので、愛彩は「ミミ=髪を耳にかけるしぐさ」だと思っているようです。「ちゅーして」というと投げキスをするときもあります。

愛彩はにゃんにゃんとバウバウが大好きで、YouTubeなどで犬猫の映像を見せるとめちゃくちゃ興奮して喜びます。日本に帰ったとき、猫カフェに行ってみました。猫カフェは日本ならではのもので海外でニュースになるほど珍しいので、マーティーが面白がってネットで場所を調べて親子3人で行ってきました。入った途端、愛彩、大大大興奮!「にゃんにゃんっ!」と何回も叫んでは高速ハイハイで猫を追いかけまわし、周りの猫好きの大人から新種の猫のように珍しがられ、猫と一緒になでてもらったりしてました。愛彩にとってはこの世の天国だったようです。ずーっと興奮したまま満面の笑みで「にゃんにゃんっ!」と叫び続けていました。

100円でササミとキャットフードのミックスが買えて、猫におやつをあげることができたので、もちろんやってみました。すごい勢いで猫たちが寄ってきて、ビビリの愛彩は私にひしっとしがみついて、ちぃーっちゃい声で「にゃんにゃん...」と言ってました。

私たちが行った猫カフェは、捨て猫の保護センターの役割もしていて、条件が合えば猫を引き取ることもできました(猫カフェってだいたいそうなんですかね?)。猫や人間が病気などにならないように、とても清潔に保たれていて、土足厳禁、入る時は手を消毒するなど徹底していました。赤ちゃんと一緒に行くには最適な環境でした。コーヒーや軽食も美味しかったです。猫が飲まないように、コーヒーや紅茶のマグには赤いゴム製のフタをするのが印象的でした。店員さんは、普通の喫茶店みたいに飲み物を運んだりテーブルを片付けたりレジをしたりする傍ら、猫のお世話もしなくちゃならなくて、常に忙しそうでした。

猫カフェ、なんだか不思議な場所です。でも、また愛彩を連れて行きたいなーと思いました。


Thursday 13 February 2014

始めの一歩

「もうすぐ歩きそう」と思ったのは、愛彩が11ヶ月くらいのころでした。一歳の誕生日には歩くかな、と思いましたがそれも過ぎ、オーストラリアでの休暇中に歩くようになるかな、と思いましたがそれも過ぎました。一人でゆーっくり立ち上がり、ものすごーく腰が引けてる状態で「グリコ」のポーズを取り、満面のドヤ顔。「わー、たっちできた。すごいねぇ」と拍手すると、自分も拍手します。伝い歩きはもちろん、一人で立った状態で拍手をしたりおもちゃを振り回したりできるのに、なかなか始めの一歩が出せない愛彩。来週歩くかな?と何週間も言い続けました。マーティーは「もうバランスも筋力もありそうだけどねぇ。小心者だからだろうね」と性格の問題だと納得していました。

そして2月8日の土曜日、愛彩がちょうど15ヶ月になるころ、やーっと始めの一歩を踏み出しました〜!その日はご近所の親子が遊びに来てくれていて、20ヶ月になる男の子がたくましい足取りでわしわしと家の中を歩き回っていました。男の子に触発されてかされずか、本当にちょっとだけ、パタっと最初の一歩を踏み出しました。私は興奮して「マーティーさーん!」と叫びました。小心者の愛彩は、その時点ですぐにしゃがみこみました。その日はそれだけで後は一歩も歩きませんでした。

それから4日間はなにもなく、いつも道り伝え歩きとハイハイのみ。木曜日の朝にまた、トタっと一歩を踏みました。んで、それっきり。

テレビなんかのイメージでは、最初の一歩を踏み出したかと思うと、「あ、歩いた〜!」と周りの大人が感心している間に、すいすい歩けるようになる感じがしますが、実際の愛彩の「始めの一歩」はもっと地味なものでした。「一歩」が2回できただけで、「歩ける」とはまだまだ言えない状態です。こうやって少しずーつ歩けるようになっていくのだと思います。嬉しいけど、これから大変になるぞーい。

ア、オー!

最近の愛彩のマイブーム(死語)は、Uh Oh(ア、オー)です。日本語にすると、「あっちゃー」とか「あらら」にあたる言葉でしょうか。小さい失敗をしたときなどに使います。

自分で帽子などをわざと落として「ア、オー!」。
食べ物やスプーンを床に落として「ア、オー!」。
ヨーグルトを私の洋服にべちゃっと付けて「ア、オー!」。
「ア、オー!」と言うだけあって、やっちゃいけないことだとわかっているのに、わざとやって面白がっているようです。

ここは、親の威厳を保たないと!と思い、怖い顔で「ダメ!」と言うと、ニターと笑います。て、手強い...。何度か怖い顔をやってみましたが、一向に効果がないので今は無視しています。そのうちマイブームが去ってくれるのをじっと待っております。親の威厳もなにもないナリ〜。

ア、オーの他にもバイバイ、ダダ(マーティーのこと)、ママ(私のこと)、ナナ(バナナを含む食べ物全体のこと)にゃー(猫の鳴き声)が言えるようになりました。そのうち日本語も話せるようになってくれたら嬉しいな。


Saturday 8 February 2014

オーストラリア

24時間のフライトの末たどり着いたオーストラリア。季節が北半球と逆なので年末年始は真夏です。メルボルンに夏に帰省するときは、いつもサマードレスばっかり持って行くのですが、意外と雨が降ったり寒かったりするので「あぁ〜、しまった!セーターとかジーンズも持ってくればよかった」と後悔します(真夏なのに!)。今回の滞在中も、昼間は34度あったのに、夜には12度くらいになったことがありました。数時間で20度も気温が下がる、恐るべきメルボルン。

愛彩は体調が悪かった上に時差ぼけになり、気候も、日照時間も、家も、出会う人たちも、何もかも違う状況にびびりまくっており、夜は眠れないし昼間はママから離れられないという、大変かわいそうな仕上がりになりました。

マーティーママは今回の帰省をキリンのように首を長くして待っていて、ベビーカーからチャイルドシート、子供用の食器からオムツまで、考えられるベビーグズは全てそろえていてくれました。マーティーのお姉さん夫婦には3歳の娘さんがいるので、お古のベビーベッドやすんごい量の洋服やおもちゃなどをどっさりと用意していてくれました。

そうやって、熱烈に歓迎された愛彩ですが、いつものスマイルもなく、私に抱きついて離れず、不安そーぅな顔をしていたので、「慣れるまではそっとしておいてあげよう」ということになりました。じーちゃん、ばーちゃん、おじちゃん、おばちゃんに抱っこしてもらってニコニコ笑うようになったのは、メルボルンに着いて数日たった後でした。

フライトはスムーズでしたが、フライト後の自分も疲れて時差ぼけなのに子どもも体調悪くて時差ぼけという状況は、非常に大変でした。夜中にバッチリ目を覚ましてぜんぜん眠れなさそうなので、夜中の3時にキラキラ星を100回くらい歌ったりおもちゃで遊んだりしました。こんな苦労をして定期的にオーストラリアに飛ばないといけないのなら、いっそロンドンからメルボルンに引き上げようとかなり本気で思いました。

メルボルンで一週間ほどすごし、その間にたくさんの親戚やお友達に会えました。その後はマーティーママが定年後に住むことになった、夢のようなステキな町マラクータに移動して一週間くらい過ごしました。マラクータでは太陽の光をたくさん浴びて、庭で採れた野菜や果物を毎日食べ、ビーチに行き、のんびりと過ごしました。マーティーママが家事をぜーんぶやってくれて、縦のものを横にもしなくていいほど甘やかしてくれました。ありがたや〜。マーティーからのサプライズプレゼントで、マッサージとフェイシャルの2時間コースなんかも堪能してしまいました♡ステキすぎるよ、マイハズ〜(My Husbandの略)♡
肩こりも腰痛も疲れもすーっかりとれて、肌もツヤツヤーな感じでマラクータを去ったのですが、ロンドンへの24時間のフライトで3000点くらいのダメージを受け、せっかくのリラクゼーションが全く日常生活に貢献することなく水の泡になってしまったのは非常に残念でした...。やっぱりメルボルンに引っ越そうかなぁ。






Thursday 30 January 2014

親の心子知らず

親の心子知らず
という諺がありますが、親になったらどれだけ親が苦労して自分を育ててくれたかわかり、親のありがたみが身にしみるものだよ、とよく言われます。あまり親孝行らしいことをしてきてない私にとって、以前は「うへ〜」とひれ伏したくなるような、罪悪感と義務感におそわれる諺でした。

親になってみて、意外なことに「親が子供に与えるもの」の大きさより「子供が親にあたえてくれるもの」の大きさのほうに私は目からウロコでした。(愛彩があまり手のかからない子だからかもしれませんが。)

私が妊娠したのは30歳を過ぎてからだったので、妊娠・出産・子育てについてはすっかり耳年増になっていて、妊娠中はつわりとか腰痛とかいろいろあって大変だとか、生むときは死ぬほど痛いとか、子供が生まれたらろくに眠れないなどなど、子供を生んで育てるためにかかる多大な苦労や面倒については盛りだくさん情報を得ていました。それでもほしいと思ったから赤ちゃんを生むことにしたのです。

生んでみて、「こんなに大変だったとは」と思うことも多々ありましたが、それより「なんだこりゃ〜!?」と思うくらい、赤ちゃんがかわいかったのです。思えば、妊娠したときから「なんだこりゃ〜!?」の連続でした。特につわりが終わってから6週間ほど続いた多幸感は忘れられません。ホルモンの仕業なのでしょうが、朝起きた瞬間から夜眠りに落ちる瞬間まで、一分一秒を歌って踊って過ごしたくなるほど、とにかく幸せ〜♡実際に朝から歌って踊ったりしていました。周りの人にとっては大変ウザい存在だったと思われます。腰痛、むくみ、睡眠不足、消化不良と全て経験しましたが、みな初めての経験だったので文句を言いながらも内心はしゃいでいました。出産の痛さも今となってはいいネタです。授乳のときは床を転げ回って「かわいい〜!」と叫びたくなるほどの興奮が訪れましたし、離乳食になったら食べ物を口に運んだというだけで「うちの子は天才だわ!」と感激しました。

完全にバカになりました。親ばかです。こんなにバカになるほど誰かを愛しいと思うことが、人生に何回あるものでしょうか。
愛彩が病気や怪我をしたら本当に代わってあげたいと思うし、自分の死よりも愛彩の死のほうがよほど怖いです。特に慈愛に満ちあふれているわけでもない凡人の私がそんな気持ちになれるなんて、自然の力はすごいと思います。しかも、その愛しい人と両思いなのです。ある著名人が「愛することは愛されることと同じかそれ以上に難しい。自分が愛しているからといって、相手に自分を愛するように求めるのは無理難題だ」みたいなことを書いていたのですが、私はひどく感心して「なるほどなぁ〜」と思ったのを覚えています。でも、子供がまだ小さいころは、「お母さん、お母さん」と自分を好きでいてくれます。それが赤ちゃんのサバイバル術ですから、そりゃもう、全力で愛してくれます。

掛け値なしに愛し愛されること。誰かに必要とされること。新しい経験。新しいお友達。すごいスピードで育っていく過程を見守る楽しみ。愛彩が生まれてからもらったものを思うと、「愛彩がいなかったときは、どうやってその隙間を埋めていたんだろう?」と疑問に思うほどです。

子供がおぎゃぁと生まれて大人になるまで育てるのは、時間もお金も労力もたくさんかかります。これからの長い道のりを思うと気が遠くなりそうですが、それを上回る幸せとか強さとか楽しみだとかを子供は与えてくれます。どんなに言葉を尽くしても、親にとって子供がどれほどかわいいかというのは、やっぱり親になってみないと分からないものなのかもしれません。そう思うと「親の心子知らず」という諺が少し好きになりました。

大人になった愛彩に望むのは、とにかく幸せであってほしいこと。でも願わくば、思春期を過ぎて忙しい大人になっても、仲良くしてほしいなぁと思います。ちっとも親孝行をしていない両親に「どこか美味しいご飯でも食べに連れて行ってあげようかな」なんて思う今日この頃です。


Wednesday 29 January 2014

ふたりで、子連れフライト2

すったもんだのあとに飛行機に乗ったわけですが、オーストラリアのメルボルンまでは、どんなに乗り継ぎがよくても24時間くらいかかります。ちなみに直行便はありません。ヨーロッパからオーストラリアまで飛行機で飛ぶためには、途中で給油しないといけないので、たいていシンガポールとかドバイなどで乗り換えになります。遠いなぁ〜、オーストラリア。

愛彩はなんかのウイルスにまた感染したらしく、出発の前日に下痢と熱がありました。この状態で24時間のフライトはきついだろうなぁ、と思っていました。当日、ありがたいことに下痢もおさまり熱もひきましたが、やっぱり元気がない愛彩。体を完全に伸ばして寝かせてあげられないのがかわいそう...と思っていたのですが、なんと、ビジネスクラスにアップグレードしてもらったのです!やったーい!その日のフライトはたくさん赤ちゃんが乗っていてベビーベッド席が足りず、エコノミーは空席もなかったので、ラッキーにもアップグレードになったのでした。でも、アップグレードしてもらえるのはマーティーか私のどちらか一人。とりあえず私をビジネスにしてもらってマーティーはエコノミーに行ってもらい、途中で交代することにしました。ビジネスでゆったりと愛彩の面倒をみるか、エコノミーでゆっくり一人の時間を楽しむかという2選択。

ビジネスクラスってほんとうに贅沢ですね♡
スペースが広々としていて完全に横になって眠れるというのがもちろん一番ありがたかったのですが、担当の乗務員さんが私のことを名前で読んでくれるし、愛彩と遊んでくれたり、中には愛彩にiPadを貸してくれる乗務員さんもいて感激〜。ちゃんとした布のナプキンにカトラリーで3コースのディナーも食べられました。愛彩はもちろん、私も比較的コンパクトなので、ビジネスのベッドで一緒に楽々と横になることができました。子連れじゃなくても疲れる24時間のフライトは、子連れだとやはりものすごーく疲れましたが、文句を言ったらバチが当たるくらいスムーズなフライトでした。

子供がいなかったころは、飛行機で赤ちゃんの泣き声を聞くたびに、全力でご両親を哀れんでいました。「ああ、私があの人でなくてよかった」と心から思っていました。そんな「あの人」に自分がなってみて、想像したより全然悪くなかったです。ま、でも、将来愛彩が手がかからなくなったころ、乳幼児を連れたお母さんお父さんを飛行機の中で見かけたら、やっぱり「ああ、大変だろうなあ。」とまた心から同情すると思います。

ちなみに、マーティーのお母さんはマーティーが乳飲み子のときにイスラエルまでの長時間フライトを体験したのですが、今思い返しても人生で最大に疲れたそうです。マーティーは全然寝ない赤ちゃんで飛行機の中で何時間も泣き続けたため、最後には乗務員の方から「スコッチをいかがですか?」と勧められ、授乳中にダブルを飲み、「その後すぐに寝てくれた(笑)」と教えてくれました。

子連れフライトは、やっぱり大変。どこでもドアがあればなぁー。

メルボルンからマーティーママが住むマラクータまでの道中、爆睡するふたり

Saturday 18 January 2014

ふたりで、子連れフライト

クリスマスの日、マーティーと私は愛彩を連れてオーストラリア行きの飛行機に乗りました。動き回る一歳児を連れてのフライトにはいろいろと不安があり、様々なトラブルを想定していましたが、事件は飛行機に乗る前に起こりました。

空港へ行く途中のタクシーの中でマーティーが言いました。
「なんかぜったい忘れてる気がする」
私「私もそんな気がする...」
二人で旅行していたときと違って、赤ちゃんを連れての旅行はいろんなベビーグッズが必要になります。着替えにおやつにおもちゃ...。私は前日の夜、いろんなトラブルを想定してベビーグッズに足りないものがないか何度も確認しました。何度確認しても、なーんか忘れている気がする...。
マーティー「ま、サイフと携帯とパスポートさえあれば、後はなんでも買えるからね」
私「そうだね。サイフと携帯とパスポート...、うん、持った持った。大丈夫だよね」

そしてチェックインのとき
「ミス・アイサ・ブラウンのパスポートを見せてください」と言われて、私たちはお互いの顔を見合わせました。愛彩のパスポートを持ってくるの忘れてた〜!!
目の前が真っ暗になる私。「吐きそう」とうなるマーティー。後方にいた気のいいお兄ちゃんが、「大丈夫、今から取りに帰って戻ってくれば間に合うよ!」と根拠もなく元気づけてくれました。しかし、チェックインが閉まるまでに1時間半。空港から家までは片道1時間かかります。「物理的に間に合わない...」と私はすぐに諦め、次の日のフライトに空きがないか、ビジネスクラスにアップグレードできないかなどいろんなオプションを考え始めました。
「とりあえず、いったん座って選択肢を考えよう」とマーティーに言うと、マーティーは
「いや、そんな暇はない。今、解決するんだ!ぜったいこの飛行機に乗る!」とタクシー乗り場まで走っていってしまいました。

私はベビーカーに愛彩を乗せ、チェックインできなかったスーツケース二つをなんとか片手で押して待合所まで行きました。チェックイン担当の方が気の毒そうな顔で私を見送ってくれました。「マーティーがタクシーでどんなに急いで家に帰ってパスポート持ってきても、ぜったい間に合わない。誰か近所でスペア・キーを持っている人はいないか...」と考えた末、一人だけ思い当たる人がいました。私たちはホリデー中、ロンドンのフラットをAir BnBを使って貸すことにしていました。近所に住んでいる若い女性が、お母さんが訪ねてくるのに私たちのフラットを使いたいということで、その女性にスペアキーを預けていました。

私はすぐにマーティーに電話しました。マーティーはすでにタクシーで家まで向かっていました。
「Air BnBのゲストの娘さんがスペアキーを持ってるから、彼女に頼んでパスポートを持ってきてもらおう」
マーティーはタクシーの中からすぐにその方に電話し、別のタクシーをその方の家まで手配しました。運良くその方は自宅にいて、快く協力してくれました。その方は家まで来たタクシーに乗って私たちのフラットまで行き、マーティーの指示に従って愛彩のパスポートを見つけてタクシーに乗せてくれました。マーティーはパスポートを乗せたタクシーの運転手さんと連絡を取りながら中間地点で落ち合い、パスポートをもらって空港まで引き返しました。

マーティーがそうやってミッション・インポッシブルを決行している間、私は愛彩とスーツケース二つとベビーカーを抱えて空港でオロオロと待機しておりました。シンガポール航空のチェックイン担当のマネージャーらしき方(美女)がやってきて、「マダム、事情は全て伺いました。旦那さまは今どこにいらっしゃいますか?」と聞いてきました。「パスポートを持ってタクシーでこちらへ向かっています。チェックインが閉まる時間までに間に合うかどうか...」と私は答えました。すると「チェックインが閉まる時間を過ぎても少しならお待ちしますから、とりあえず荷物とあなただけチェックインしましょう」と言ってくださったのです。

私は全く冷静なつもりだったのですが、身長の低い童顔の女が(ロンドンでは特に小さく見られる)ひとりで赤ちゃんを抱っこしながら大荷物を抱えてウロウロしている様は、同情をかう風情をドバーッと漂わせていたのか、「大丈夫。とにかくそこに座って待っていてください」といたわってくれました。どう考えても超迷惑な客の私たちにそこまでよくしてくださるなんて感激〜!

荷物と私だけチェックインをしている間、「荷物もチェックインしちゃって、マーティーが間に合わなかったらどうしよう...」という不安にかられつつ携帯を握りしめていました。10時55分のフライトでチェックインが閉まるのが10時10分。なんと10時半になったのにマーティーは現れません。さっきの美女のマネージャーさんが「旦那様は今どこですか?フライトを遅らせるわけにはいかないので、待つかキャンセルするか今決めないといけません。直接旦那様と電話で話をさせてください」と言ってきました。携帯でマーティーに電話したところ「カーナビにはあと8分で着くとあります」という答え。美女のマネージャーさんは「うーん。ギリギリだけど、待ちましょう」と言ってくれました。

「ここから飛行機までは歩いて15分かかります。本当にギリギリなので、先に奥様と赤ちゃんはセキュリティーを通ってゲートのところで待っていてください」と、同僚の人をエスコートにつけてくれました。エスコートの人がセキュリティーの長蛇の列をひょいひょいと割り込ませてくれて、あっという間にゲートにたどり着きました。ゲートでマーティーを待つこと数分、マネージャーさんとマーティーが手に手を取る感じで走って来ました。三人分のパスポートをゲートで見せて、ギリギリセーフ!無事に飛行機に乗ることができました。SorryとThank youを連呼する私たちを、マネージャーさんとエスコートの人は笑顔で「メリークリスマス」と見送ってくれました。かっこよすぎる。ハリウッドみたいな展開に感動〜!!飛行機も遅れずにすみました。マネージャーさんの優しさと判断力に心より敬服いたしまっする。ほんとーにご迷惑をおかけしました。まじでありがとうございました。シンガポール航空、最高!

後日、マーティーから「本当はカーナビに11分て書いてあったけど、3分サバ読んだ」と教えてもらいました。「アンタすげー神経だね!」と心の中で激しくツッコミましたがもし11分と答えてたら乗れてなかったかも。シンガポール航空様、乗客の皆様、迷惑きわまりない客で本当にすみませんでした。不謹慎ですが、人の優しさが心にしみた一件でした。Air B&Bのゲストの娘さん、タクシーの運転手さん、根拠なく励ましてくれた気のいい兄ちゃん、そしてシンガポール航空の社員の皆様方、特に美女のマネージャーさん、本当に本当にありがとうございましたー。