Sunday 9 December 2012

出産の前日

今更ですが出産の時のことを。「ああ、今日生まれるかも」と思ってから出産するまでを記録に残しておきたかったので、出産の前日にずっとブログを書いていました。以下、そのときに書いていたものをそのまま載せます。

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その日も、夜中に目が覚めました。なんだか生理痛のような痛みがあったので、リビングのソファーでゴロゴロとテレビを見ていてもなんだか落ち着かない感じ。マーティーが起きてくる頃には結構激しい前駆陣痛が。
「大丈夫?会社休んでもいいよ」と言ってくれましたが、前回の例(前駆陣痛が激しくて生まれるかも〜と思ったら空振りだったこと)もあるので出社してもらいました。
なぜか無性にお菓子が作りたくなってホットケーキを焼きました。
「本当はパンが作りたいけど、イーストを発酵させているうちに本格的な陣痛が始まったら生地が無駄になっちゃうのでやめる」と痛いお腹を押さえながらマーティーに訴えると「相変わらずアホだなー」と笑って出社していきました。
昔からお菓子作りは好きでしたが、ロンドンに来てから(特にここ数ヶ月)パン作りにハマり、休日は良くパンを焼くようになりました。
んで、夜眠れない時とかちょっとストレスが溜まっている時とか、無性にパン生地がこねたくなります。

前駆陣痛が治まっても生理痛みたいな痛みは残り、何もする気が起きず、テレビを観る気もせずにソファーでゴロゴロしながらKindleアプリで漫画を読みました。孤独のグルメの一巻とのだめカンタービレの1-5巻を一気読み。孤独のグルメものだめもおいしいご飯が出て来るので、お腹が減ってないのにおにぎりが無性に食べたくなって、おにぎり2個完食。もちろんホットケーキも完食。我慢しきれなくてのだめの6巻のKindle版を購入して読み、全巻大人買いしたいところを押さえて(というか事情があって大人買いできず)ふて寝。

ふて寝してる間に友人二人から「調子どう?」とメールが。いろんな人に心配してもらったり応援してもらったりして本当にありがたい。私も逆の立場だったらこういう優しい友人でいたいと思います。
起きた後も生理痛みたいなのはひかなくて、やっぱりパンを焼くことに。カモメ食堂を観て以来、なにかというとシナモンロールが焼きたくなる私。シナモンロールを焼くことにしました。
のだめの千秋様が演奏したラフマニノフの協奏曲を聞きながら(ミーハーだ)ひたすらパンをこねる私。ラフマニノフ、さすがロシア人だけあってドラマチックだなーとか思いつつ。パンをこねている間は痛みも軽減される感じです。生地の性質がだんだん変わっていくところも、生地の感触も大好きでなんとも癒されます。20分くらいゆっくりこねたところで生地を寝かせます。一時発酵した後の生地がさらにふかふかで気持ちいいんですよねー。イーストの匂いもたまらん。
生地を休ませている間に夕ご飯も作りました。ミートボール入りのパスタソースです。お気に入りのキッチンでお気に入りの鍋とかで、おいしい材料を使って料理するのはなんとも贅沢だなーと感じます。時々、イテテテテとかなりながら作りました。
このイテテテテが定期的になってきたので時間を測ることに。iPhoneのアプリを使って測りました。陣痛を測るアプリまであるとは本当に最近のアプリって便利です。

そうこうしているうちに「おしるし」が!マーティーにメールで「今夜かもよ〜」と軽いタッチで伝えます。痛みの間にバジルとか刻む私。そのほうが落ち着くので。落ち着かなくて陣痛の間に料理をしちゃう出産前の妊婦ってどのくらいいるのかなーと思います。
マーティー帰宅。本格的に痛い陣痛が始まりました。
じっとしてるより動き回っていたほうが気が紛れるので、陣痛の合間にシナモンロールの続きをやりました。
二次発酵もうまくいってオーブンに入れようとしたところで5分くらい長い陣痛が。Birth Centreにマーティーに電話してもらうと、「おそらくEarly labourなので、3分毎に陣痛がくるようになったら来てください。軽い食事を取ってください」と言われました。
「この状態で食事するのかー」と驚きつつも陣痛と陣痛の間にパスタを食べ、シナモンロールも上手に焼けました。

次回に続きます

Wednesday 5 December 2012

親バカ

アイサを授乳をする時、恋のキューピッドに胸を矢でいられ、脳天に雷が落ちたような衝撃を受け、「ああああぁぁぁぁ〜!!なんってかわいいのぉぉ〜!大好きぃぃぃ〜!!!」と床を転がって身悶えしながら叫びたい気持ちになります(←授乳中なのでしませんが)。授乳毎にドラマチックなフォーリンラブ。そんな気持ちに毎回メロメロになりつつも、「絶対これは脳内でなんか変な物質が出てるよな〜」と思っていました。

そんな話を妊娠中の友人に話してみたら、そのステキな脳内物質は Oxytocin(オキシトシン)と呼ばれていて、授乳中に分泌されると母子のをより強いものにする効用があるらしいです。Oxytocin は陣痛を促したり、産後の子宮収縮を促したり、痛み止めとして活躍したりと大変パワフルな脳内物質。人工的に似たような薬物が作られていて、強い痛み止めとしても使用されているのだとか。もんのすごく中毒性が強いらしいです(とっても納得!)。こんなステキな脳内物質が出ているからこそ、毎日昼も夜もなく繰り返される授乳という作業を母親もマジメにこなすのですね。自然の摂理ってすごいです。そんな摂理に操られまくっている単純な自分もすごいなぁ。
このステキな Oxytocin、大変微量ですが鼻からスプレーで接種できるようにしたものも市販されているらしいです。なんでも父親と子供のを強めるのにお父さんが使うものらしいです。
んなアホな、と思ってググってみたら普通にAmazonで売ってありました。
そして、その話をマーティーに冗談でしてみたら、「ああ、試したことあるよ」て言われました。

は?

「昔の職場のみんなで通販で買って試したことがある」とマーティー。
若い野郎ども4人にアルバイトの女性1人という小さい職場のメンバーで、どんな会話がかわされ、なにがどうなってOxytocinを鼻から接種する運びになったのかはわかりませんが、とにかくみんなで試してみたと。結果は「なーんにも効果がなかった。残念だった。」らしいです。当時は絆を深めるような子供もいなかったしね。
そんなスプレーがあること自体びっくりでしたが、まさか自分の夫が数年前に試していたとは...。人生は奇想天外です。いや、奇想天外なのはマーティーか。

幸運なことに、マーティーに Oxytocin は不要だったようで、アイサの顔を見るたびに「So cute〜!(かーわいい〜!)」と身悶えしています。
「アイサってさ、他の赤ちゃんよりぜったいかわいいよね」←親バカ度100%
「自分の子供だからこんなにかわいいのかな。それとも客観的にみてやっぱりこんなにかわいいのかな。」←親バカ度120%
「アイサを見に来た友達もみんな、めっちゃかわいいって言ってるよね。社交辞令で言ってるのかなぁー。やっぱり客観的にアイサは特別かわいいから言ってるのかな。」←親バカ度200%
などとのたまっております。友達の子供を見に来て「かわいくない」なんて言う人はおらんがな。

そういう私も、「こんなかわいい子が私の子のはずないよなー。遺伝子マジック?」なんて常々思っています。実際に、ルックスは十人並みだけど人種が違う夫婦で、子供がめちゃめちゃかわいいという例も見ております(すみません)。
「多少ぶさいくでおバカでも、健康でハッピーな子供だったらいいと思っていましたが、健康でハッピーなだけでなく、顔もかわいくて賢い子供を授かった私はどうすればいいんですか、神様!」と困っています。←親バカ度300%

マーティーママが調べたところ、Isa という名前はヘブライ語で「神様の贈り物」という意味があるそうです(他の諸説も多数あります)。なんだか本当にそうだなと思います。大事に育てよう。





Saturday 1 December 2012

おっぱいの話3

アイサは手のかからない良い子だなーなんて言っていましたが、ついにやってきました、眠れない日々が...。
私がバイブルのように読んでいる本「Your Baby Week by Week」によると、生後2週間を過ぎたころ、赤ちゃんの急成長期がやってきて、おっぱいをいつもより多く欲しがりママが出せる量よりもたくさん飲みたがる(こともある)とのこと。この成長期は大抵2-3日でママのおっぱいの量が増えるころには治まるそうです。
いやなんか、この本に操られてる!?と思うほど的確にアイサもハングリー期に突入。おっぱいを飲ませても飲ませてもすぐ起きて「もっと〜」とせがまれ、その間にウンチもおしっこもいつもよりたくさん出し(そりゃそうだ)、一息ついたところでまた「もっと〜」が始まり...。
今までは授乳と授乳の間は起きてても寝ててもハッピーだったのが、「うぅぅぅー、うはっ!」とか「ひっひっひぃー」とか、ウンチを出そうとしてるのか、げっぷが出そうで気持ち悪いと訴えてるのか、もうすでにお腹が減ったと言っているのか、本人もおそらく把握していないような声で四六時中ぐずるようになりました。
(ちなみに、この本にも「赤ちゃんはいろいろな体の感覚の識別がまだつかないので、消化している感覚を不快だと勘違いしたり、いろいろな感覚に驚いたりして、泣いたりぐずったりすることがあります」と書いてあります)

アイサの声にすっかりチューニングされた私の耳は、アイサのちょっとしたぐずり声にも敏感に反応してしまい、昼も夜もあまり眠れなくなりました。
しかも折悪しく、アイサが鼻カゼをひいてしまいました。鼻の片方だけ詰まっていたので、かろうじて鼻で息ができる状態ですが(ちなみに、生後間もない赤ちゃんは口で息ができません)、おっぱいを飲むのが大変。一気にたくさん飲めないので、少しずつ休憩をしながら飲みます。その間にオムツを代えて...とかしていると耐久4時間以上授乳することに。
生後間もない赤ちゃんはママのホルモン分泌の多い夕方から夜にかけて一番活動的になるとのこと。っていうことで、夕ご飯は授乳しながら片手で食べる日々。

ナイアガラの滝を誇っていたおっぱい山がついに枯渇の危機に!産後初めての食糧危機です。
私は体がとても疲れると、熱がぶわーっと出て、丸一日寝込むと翌日元通りになるという変な癖(?)があります。
食料危機に陥って弱気になったのか、間接が痛むなどの熱が出る前兆が。
「どうしよー。具合が悪いです。熱が出るかも。おっぱいが出なくなるかも〜!」とマーティーとマーティーママの前でパニクる私。
おっぱい山を枯渇させてはならん!と一家総出で食料危機に取り組むことに。
とりあえず粉ミルクでミルクを作り、消毒した哺乳瓶に詰めて緊急時のバックアップを準備。
「大丈夫。熱が出てもお乳はでるから!足りなくなっても粉ミルクがあるし!」とマーティーママに励ましてもらい、「とりあえずご飯を食べてお水を飲んで横になりなさい。授乳だけしてればいいから。後は全部私がやるから。」と力強いお言葉。
「僕は今日疲れてるから、とりあえず2-3時間仮眠してから、なんかできることがあれば手伝うよ」という超マイペースなマーティー。(←いやでも、アナタの判断は非常に合理的です)
夜通しでマーティーママがアイサを預かってくれ、お腹が空いたよ〜コールの時だけ私のベッドまでアイサを抱いて連れてきてくれました。いったん授乳が終わるまでベッドに座って待っててくれて、授乳が一息つくとさっとアイサを抱いてげっぷをさせたりオムツを代えてくれたり。その間に私はできる限り休息。疲れていたので短時間でも眠れましたが、眠れなくても目をつぶって体をリラックスさせてとにかく休息。
マーティーママの夜通しのサポートのおかげで、おっぱい山はなんとか枯渇せずにすみ、哺乳瓶を使うこともなく、私は産後初めて分眠とはいえ夜7時間も眠れました。

翌日は大分元気になり、おっぱい山も春のうららの隅田川くらいには回復しました。とはいっても、アイサがハングリー期で鼻づまりなのには変わりなく、食料危機も完全に回避したとはいえないのです。
ということで、とにかく授乳と休息に没頭することに決めました。日本のお母様の言いつけを守り(ちょっと遅いけど)、ブログも書かず、検診などに行くとき以外は外にも出ず、訪問客もできるだけ呼ばないようにし、とにかく食べて水分をたくさんとって寝ることに。授乳が終わったらすぐに次の授乳に備えて食べて寝る。おっぱいのハリ具合から次の授乳が何時間後くらいか割り出し、「よし、あと一時間は眠れる」などと睡眠時間を計算。ご飯もできるだけ高タンパク高カロリーのものを食べるように(日本だと乳腺が詰まるという理由で避けられるものが、こちらでは奨励されてたりします)。生まれて初めての高カロリーダイエット。
ただ食っちゃ寝てるだけなのにアスリートなみの体調管理で「なんとしてもアイサを食料危機に陥らせちゃぁならん!」とママはがんばりましたよ。

危機に陥ってからちょうど3日目にすっかり回復!ナイアガラの滝もパワーアップ。休息って大事だなぁーとしみじみ思いました。アイサの鼻かぜもほぼ完治です。アイサのおかげで私も術後の回復がちゃんとできたかも。
マーティーママ、マーティー、アイサちゃん、ありがとう♥



天使と閻魔大王


Saturday 24 November 2012

手のかかる子もかからない子も

アイサちゃんが生まれて2週間ちょっと経ちました。驚く早さで成長していくアイサちゃん。毎日どころか、毎数時間ごとに体が重くなっているのがわかるほどです。授乳しているときの横顔は二重あごどころか三重あごに!
今日の検診では体重が3585gでした。一週間でほぼ半キロ、出生時と比べると700g近く体重が増えていました!
マーティーは普通サイズで生まれたのに、瞬く間に超おでぶベイビー(生後半年で11キロ、生後一年で14キロになりました)になったので、末恐ろしいです。



初めてのパスポートの写真
やせ細ったマーティーママとおでぶマーティー


ナイアガラの滝も上手に対処できるようになりました。授乳したことのある人はわかると思いますが、ニポーには複数の穴が空いていて、そこからお乳がじわーと出てきます。その穴の一つが小さくてお乳の勢いが良いと、噴水のようにピューっとお乳が飛び出すことがあります。当然のことながら、最初はこの二ポーの噴水にびっくりオタオタしていたアイサちゃんが、ついに口でキャッチするようになったのを見たときは感動っていうか爆笑しました。

ちょっと前まではお乳を飲んでいるか眠っているかウ○チしてるかのどれかだったのに、今は泣かずに起きている時間が長くなりました。一度に眠れる時間も長くなりました。

自分の体も分眠に慣れて来て、前はなかなか目が冴えて眠れないときもあったのが、今ではスキをみてすぐに眠れるように。
おっぱいとアイサちゃんとのコミュニケーションも上手くいっているようで、授乳の時間になるとおっぱいが張って自然に目が覚めるようになりました。また、おっぱいの減り具合でアイサちゃんのお腹の減り具合もわかるようになりました。私とアイサちゃんはつながってるんだなぁーとまた自然の摂理に関心します。

アイサちゃんは基本的にとってもハッピーな性格なようで、お腹がいっぱいで、消化がうまくいっていて、オムツがきれいだったら、何時間もあまりむずがったり泣いたりしないでいてくれます。そのおかげで私もよく眠れています。神様、こんな手のかからない健康で良い子をビギナー・ママの私に授けてくれてありがとう!

生まれつき寝付きが悪い子、あらゆる刺激に過敏な子、体の弱い子...などなど、親が手を尽くしても一日泣き続けたりする手のかかる子もいますが、手がかかる子 = 悪い子 なんてことは決してないんですよね。どんなベイビーもみんないい子。手のかかる子を授かって眠れぬ日々を送っているご両親に心からエールを送ります。

んで、本当は手がかからない子の性質を持って生まれてきたのに、一日中泣き続ける手のかかる子になってしまうこともかなりの確率であります。赤ちゃんをお腹いっぱいにするというシンプルなことが、とっても難しかったりするからです。私のまわりの新米ママの大半は、生後間もなくは本当に大変だったと言います。その理由のほとんどは「授乳がうまくいかなかったから」。お乳がなかなか出なかったり、ニポーが腫れてしまったり...。授乳がうまくいかないと、赤ちゃんは恒常的に空腹なので、眠れないし一日中でも泣いています。サバイバルだから赤ちゃんだって必死です。
ちなみに、貧しい国で母乳があまり出ないお母さんの子供はどうするんだろうとちょっと疑問に思ったのですが、そういう場合の赤ちゃんは、一日中泣くほど体力がないというか、エネルギー節約モードに入って、おっぱいが飲めるときに一生懸命飲んで、生き残る子はちゃんと生き残るのではと推測します。

それから、ウ◯チがちゃんと出ないとか、お腹にガスが溜まるとか、排泄関係のトラブルも、赤ちゃんが泣き続ける大きな理由のひとつ。
結局、産後直後の子育ては、おっぱいとウンチが全てだなと思います。お腹が真ん中にあって口とお尻がその両端にある。ほとんどの動物って結局そういう生き物ですよねー。

授乳や排泄がうまくいってない子のママは、一生懸命がんばっているのに泣き続ける我が子を不眠不休で面倒をみないといけないので、「私ってダメなママかも...」とノイローゼになったり...。
聞いた話によると、アフリカのコミュニティーの中には、ママたちが授乳をシェアーするところも結構あるそうです。授乳がなかなかうまくいかないママは、他のママに授乳してもらえばいいから大丈夫!
ママ一人で子育てをするなんて、不自然で無茶なことかもしれないです。孤独ママは本当に大変。家族でも友達でも政府でも近所の人でも、差し伸べてくる手があったら迷わず頼るのが賢明なんじゃないかなーと思います。

ということで、昨日はお友達が作ってくれた激ウマ野菜リゾットを食べ、マーティーにげっぷ出しとオムツ替えをしてもらい、マーティーママが作ったデザートを食べ、後片付けまでマーティーママにしてもらいました。うひひ。このご恩は忘れません♡




Tuesday 20 November 2012

ぷりぷり哲学

授乳中、アイサちゃんがおっぱいを飲むのを止めて、眉間にしわを寄せ壮大な哲学の問題について熟考しているような険しい顔になることがあります。というか、最近は授乳の最中に必ずおっぱいを飲むのを中断して熟考にふけります。そんな険しい顔を眺めながら、私とマーティーは「今日は宇宙の神秘について考えてるね」とか、「人間と動物の究極の違いについて悩んでるよ」など、熟考の内容に思いをはせます。
私はアイサちゃんの熟考を促すため、アイサちゃんを肩にかつぐ形で背中をさすったり(略して背中トントン)、膝の上に座らせてお腹をさすったり(略してお腹トントン)します。そうしているうちに、
ぷりぷりぷりぷり〜
とか、
ぶぶぶっ!ぶりぶり〜
とか、
ぶばばっぶぼっ!
などという、大変ありがたい音が聞こえてきます。哲学の誕生です。

速やかにその紐を解くと、キーマカレーを水で薄めたようなものが...。
「あらっ、今日のもとっても立派ね〜」などと内容をチェックして礼賛するのも忘れてはいけません。

この哲学の紐解きをあまりに速やかに行ってしまうと、大変な目に会います。
ある朝、私が着替えていると、リビングから
「Oh no 〜!Why why why, Isa!! (ああぁ〜!アイサ、なぜ、なぜ、なぜだぁ〜!!)」
という情けない雄叫びが聞こえてきたので様子を見にいってみると、おむつ台の前で泣きそうな顔で肩を落としているマーティーの姿が。
「おむつ代えてる途中に新しいオムツにぶりぶりーっとやられて、そのおむつを代えてる間にまたやられて、5分に4枚もおむつを代えたよ」とトホホな顔で教えてくれました。
その情けない顔と、アイサちゃんのあくまで真面目くさった顔を見比べて爆笑する私。
「今日のアイサ先生はご精が出ますのねー」と上から目線のコメントをしてその場は終わりました。

その日の夜中、授乳を終えておむつを代えていると、ぷすーっという音と共にアイサちゃんのお尻の穴から私の顔めがけて生暖かい風が直撃。その一秒後にはキーマカレーがぷりぷりぷりぷりーとゆるやかに新しいおむつへ...。「あらららら〜」とまだ余裕な私は速やかに新しいおむつを投入。その2秒後に今度は知の泉から暖かい液体が勢い良くほとばしりました。「おぉぉぉ〜」と若干動揺するも、気を取り直してもう一枚。そうすると今度はぶばっとおしりからキーマカレーの噴射が。新しいおむつだけでなくおむつ台カバーやアイサちゃんの足にまでキーマカレーが...。この間約3分ほど。代えたおむつは4枚。こうも早いうちにバカにしていたマーティーの記録を軽々と超えてしまうとは。しばらく絶句して頭を足れる私。午前3時。「うふふ。ふふふふふ。」と不気味な笑いをもらしつつ片付けました。

フィロソファーとは時間をかけてつき合えっていうことですかね。

熟考中のアイサちゃんの顔
 









Saturday 17 November 2012

おっぱいの話2

赤ちゃんが生まれてから数週間は、平均2-3時間ごとに授乳します(と本に書いてあります)。産後直後の2-3日間は白い母乳ではなく、初乳といって、黄色い、濃い、赤ちゃんの成長にもってこい、の抗体入りの母乳が出ますが、2-3日後に白い母乳が出始めます。
初乳はちょっぴりしか出ませんが、生後直後の赤ちゃんのお腹はとても小さいのでちょうどいいそうです。生後2-3日すると赤ちゃんのお腹も白い母乳オッケーな状態になります。この白い母乳がなかなか出てこないお母さんもたくさんいて、赤ちゃんが常に空腹状態になるため一日中泣いたりして、最初の一週間は大変だったりするようです。

私の場合は母乳がすぐにナイアガラの滝のように出てきたので、その問題はありませんでした。その変わり、おっぱいがパンパンで(今の私は顔がかわいくて足が長かったらイエローキャブに就職できるくらい巨乳です。顔が十人並みで足が短いのでできませんがねっ。)寝ている間に母乳がダーッと漏れたりするので助産師さんに相談してみました。この段階はまだアイサちゃんと私のおっぱいがコミュニケーションをとりながらどのくらいの母乳が必要か決めている時期。パンパンになっているからといって搾乳してしまうと、おっぱいがアイサちゃんが飲んでいると勘違いして、さらに母乳を作ってしまうので、「搾乳などで変におっぱいを刺激しないで、アイサちゃんが飲みたいだけ飲んでもらう」のがベストとのことでした。
赤ちゃんは自分の体に必要な母乳の量を知っているので、赤ちゃんの「お腹減ったよ」サインをママがしっかりキャッチさえすれば、お乳を与えすぎたり与え足りなかったりすることはないそうです。そして、赤ちゃんがお腹いっぱいになるまでちゃんと母乳を与えていれば、乳腺が詰まるなど、ママのほうのおっぱいのトラブルも少ないそうです。自然の摂理ってすごいです。
おっぱいがパンパンに張っているときに有効な自然療法として、キャベツの葉をおっぱいに当てるというのがあります。科学的な根拠は解明されていないらしいのですが、世界的にも効果が認められているので、助産師さんにも勧められます。ということで、試してみましたよ。不思議なことに、本当に効きました〜!パンパンなのには変わりないですが、痛くなくなりました。唯一の難点は、ニポーがキャベツ味になるのか、アイサちゃんに「え?なにこの変な味のニポーは?」という顔をされたことくらいです。

授乳はけっこう時間がかかります。最初はごっくごく飲んでいても、5-10分もすればアイサちゃんは空腹のままスヤスヤ寝てしまいます。しめしめと思ってバスケット(イギリスでは生後3ヶ月まで赤ちゃん用バスケットに寝せる人が多いです)に寝かせると、すぐに起きて「え?まだ終わってませんけど?!」と、時として激しく抗議をされます。なるべく一回の授乳が長持ちするように、赤ちゃんを寝せないよう薄着にさせたり、足をぎゅーっと刺激したり、いろいろ試すママ・パパが多いようですが、私はアイサちゃんが授乳の途中で寝てしまったら、デレデレと顔の変化を見て楽しんだり写真を撮ったりFacebookをチェックしたりしてまた「え?まだ終わってませんけど?!」と起きるまで待ちます。
私が読んでいる本によると、最初のごっくごくは喉を潤す水分補給のための授乳で、おっぱいは段々濃度の高いお乳を出すようなり、赤ちゃんが飲めば飲むほどお乳が濃くなっていきます。ここでおっぱいの左右を変えてしまうと、赤ちゃんは薄いお乳しか飲めないので、おなじおっぱいで授乳します。赤ちゃんのごっくごくの速度も遅くなってきます。濃い、栄養補給のためのお乳なので、時間をかけて飲む必要があります。
アイサちゃんのペースにあわせて授乳をすると、一回にだいたい1時間半から2時間かかります。そのうち大抵ばぶぶぶーん、ぶりっ!とウ◯チする音が聞こえてくるのでおしめを変えます。
お腹いっぱいになるまでお乳を飲んでおしめもちゃんと変えた後に寝かしつけると、アイサちゃん2-4時間ぐっすり寝てくれます。ブラボー(涙)!

新米ママはあまり眠れないと聞いていましたが、私の場合は幸運なことに、一日のトータルで6-8時間は眠れています。
一日8時間ぶっ続けで眠るという習慣は、ヨーロッパではビクトリア朝のころに始まったそうです(アジアや他の地域ではどうだかは分かりませんが)。その前までは4時間ずつ分眠するのが普通だったそうです。
また、人間以外の動物のほとんどは、日中か夜かに関わらず、ちょこちょこ睡眠をとるそうです。人間のようにぶっ続けで長時間眠ってしまうと、すぐに天敵に食べられてしまうのではないでしょうか。
一日8時間ぶっ続けで眠るということは、裏を返せば一日16時間ぶっ続けで起きているということ。そんな荒技ができるのは人間だけだそうです。
これって、日が出ているうちに長時間起きている方が生産性が高いせいじゃないかと推測します。つまり、現代の常識になっている睡眠パターンは、生産性が高いという意味ではベストかもしれませんが、必ずしも動物としての人間本来の睡眠パターンではないかもしれないということです。
ちょっと説明が長くなりましたが、分眠で全くオッケー!ていうことです。分眠がオッケーだと知っていると、夜長時間眠れないことをストレスに感じないのでさらによしです。

授乳はとっても疲れます。ジムとかヨガに行った後みたいな肉体的な疲労を感じます。なので、アイサちゃんが眠ったら私も横になります。眠れない時もありますが、横になっているだけで十分体力が回復されます。1時間もすれば元通り。2時間続けて休めたら、「今日はケーキでも焼こうかしら♪」と思えるくらいに回復できます。お母さん、丈夫で単純な体に生んでくれてありがとう(涙)。ちょうどアイサちゃんが起きて次の授乳をするころには元気になっています。自然の摂理ってやっぱりすごーい。

いろんな人から、「最初の一週間は大変だからね」と言われていましたが、マーティーと私にとっては、ただただ嬉しい楽しい一週間でした(もちろん、お互いに疲れて些細な事でケンカをしたりもしましたが)。「こんなスムーズにずっといくはずがないよね」とお互いに言い合っていますが、個人的にはこんなスムーズさで最後まで逃げ切りたいです。15でグレられるかしら。
私たちの子育て一週間目が嬉しいだけでよかった理由は、
アイサちゃんが全くの健康体だということ。
母体の回復が順調だったこと。
授乳に何も問題がなかったこと。
マーティーが家事ができる人だったこと。
マーティーがアイサちゃんにメロメロになってしまったこと。
コミュニティーから十分なサポートを得られたこと。
最初の子育てに必要な情報を十分得られたこと。
など、いろいろな要素がすべて上手くいっていたからです。
もし授乳がうまくいっていなかったら...。マーティーのお母さんは、授乳がうまくいかなくてニポーが腫れてしまい、ニポーが腫れているものだから授乳がさらに困難になるという悪循環にはまってしまったそうです。パラセタモールとコデインという二種類の痛み止め(どちらも赤ちゃんに影響ありません)を授乳の20分前に飲んで、5時間くらいかけて授乳したこともあったそうです。私だったらそんな目にあったら、すぐに母乳を諦めて哺乳瓶にしていたと思いますが、マーティーのお母さんは完全母乳でマーティーを育てました。えらい!
子育てはうまくいかないことがあって当たり前なんだから、私たちが過ごした最初の一週間は、ほかの多くのパパ・ママに比べたら「ビキニでピナコラーダを飲みつつクルーズでカリブ海を横断」しているようなものだったと思います。どうかこのまま逃げ切らせてくださいと神様にお願いしたらバチがあたるかなぁー。








Thursday 15 November 2012

Baby Blues

産後5日目くらいになると、ホルモンのバランスに変動が起きて、Baby Bluesと呼ばれる不安定な心理状態になることがあるそうです。私が呼んだ本によると約80%の女性が経験するそうです。

ご多分にもれず、産後5日目の11月14日になりましたよ、Baby Bluesに。もう笑っちゃうくらい「本に書いてあるそのまんまやないけ!」というタイミングで。
まず朝起きて授乳した後、すやすやと寝ている娘を見ながら「かわいいね〜。元気にすくすく育ってるねぇ。でもこれから病気とか怪我とか経験していくんだよね」とマーティーに話しているとツツーと涙が。
「すごいねぇ。本当に産後5日目で図ったようにBaby Bluesになったねぇ。」と笑いをこらえながら感心するマーティー。あぁー、そうだった。そういえば助産師さんか誰かがそんなこと言ってたわーと思い出す私。朝イチで思い出してよかったですばい。マーティー、グッジョブ。
その後も娘の寝ている姿を見るたびに「かわいすぎる〜」と涙が。その日は授乳時以外は娘の姿を見ていられませんでした。あまりにもかわいすぎて感動して泣いてしまうので。

実はその前日に娘の爪を初めて切ったときにほんの少し深爪をしてしまい、娘を90分ほどノンストップで泣かせてしまいました。小さい手をコットンでふいてあげているときに、深爪の部分がほんのりピンクになっているのを見て「ごめんねー」と号泣。

産後一週間は自宅療養をするべきなのですが、あまりに天気がよかったので、マーティーとアイサと外を散歩することに。アイサをベビーカーに載せて自宅から徒歩5分もかからない公園へ。紅葉が夕焼けに映えて美しく、空気も澄んでいていい感じ。が、11月のロンドンは肌寒く、だんだん冷えてきました。アイサにとっても生まれて初めてのお散歩。案外泣かないでキョロキョロしていましたがちょっとグズりだしました。私も体の節々がずっしり痛くなってきました。「ああー、やっぱり無理するんじゃなかった。」と思い、公園に着いて3分もせずに帰ることに。普段なら5分かからない公園からの距離も、ゆっくりしか歩けないので15分ほどかかりました。暖かい家に着く頃には体が冷えきっていて、気分は文字通り超ブルーに。アイサにとっても大変だったろうと思いましたが、暖かい家に着いたとたん、ぐっすりすやすや眠るアイサちゃん。「強いなー。えらいなー」と感動して号泣。
もう、体は冷えるわ泣きまくるわで疲労の限界がきていた私は、とりあえず温かい紅茶で甘いものを食べることに。マーティーの分までカフェインレスの紅茶を作ってあげようとすると、マーティーが「カフェインレスはいやだ」とカップに入れたティーバッグをゴミ箱へポイ。その時点でまた涙だだ漏れ。
泣きながらも、しっかりロールケーキを食べてベッドへ。
ベッドに横たわって10分もしないうちにアイサちゃんが「お腹減ったよー」と起きて泣き始めました。
這うようにしてアイサちゃんのところへ行き、床に座り込んで泣きながら授乳。
その姿を見たマーティーがさすがに心配して、「大丈夫?悲しいの?」とアイサちゃんをあやすのとまっっっっっったく同じ感じでなでたりさすったりしてくれました。発見:ホルモンに支配された女は生後5日目の赤ちゃんよりもよっぽど赤ちゃんです。
「悲しくないのー。ホルモンなのー。わかってるけどコントロールが効かないのー。」とニポー丸出しで床の上で号泣する31歳。

その後も、1歳児が誘拐されて殺されたニュースをテレビで2秒見て泣き(マーティーが速やかにチャンネルを変更)、産前に作り置きしておいたディナーが「冷凍・解答したらおいしくなくなったね」と言われては泣き、自分の好きなテレビ番組を「好きじゃないから見たくない」と言われて泣き、涙にあけくれて一日が終わりました。こんだけ単純にホルモンのなすがままになる人も珍しいかもしれません。

ちなみに、これを書いているのは翌日ですが、昨日のことが嘘のように普通です。

Tuesday 13 November 2012

おっぱいの話

乳首のことを英語でNippleといいますが、ちくびだと若干生々しいのでこのブログ上ではニポーと呼ぶことにします。

11月13日、アイサ(まだ漢字が決まってません。募集中です。)が生まれて4日目、昼寝から起きてみたら私のおっぱいが人生最大のサイズになりパンパンに張っていました。
例えるなら、私が戦国時代の武将だとして、戦の形勢が危うくなり絶体絶命のピンチ!というときに、援軍が何千・何万とかけつけてくれて、「皆の者、よく集まってくれた!これでもう大丈夫だ。いくぞ、打て〜!!」と出陣の号令をかけたくなるような気持ちです。完全装備、フルスロットルで行くぞってな感じです。
アバターのネイティリのセリフ、「Eywa has heard you! (エイワがジェイクの頼みを聞いてくれたわ〜!)」や、もののけ姫の乙事主のセリフ、「もどってきた!黄泉の国から戦士達が帰ってきた!」を言いたくなる状態です。実際に「Eywa has heard you!」と言いながらガッツポーズを取っていたらマーティーに怪訝な顔をされました。
例えが分かりにくかったですかね?マーティーにも分かってもらえませんでした。新米ママならこの興奮と喜びを分かってくれる気もするのですが。それはさておき。

おっぱいがフルスロットルな状態で、アイサちゃん起床。お腹減ったサインをっぱい出しながらキョロキョロしているアイサちゃんをつかまえて、いざニポーを口いっぱいに含ませます。いつもだったらゴクゴク勢いよく飲んでくれる絶好のポジション。「よし、うまくいった」と思ったとたん、アイサちゃんがびっくりした顔で二ポーを口からだし、ヘビメタのファンみたいに頭を上下左右に降りながら自分の手を舐めまくっているではないですか!わたしゃ仰天しましたよ!「ええ〜!なに?なに?アイサちゃんどうしたの〜!?」と言いながら二度三度ニポーを口にくわえさせても、やっぱりニポーを吐き出してヘビメタ頭振りをしながら手をなめまくるアイサちゃん。そのうち火がついたように泣き出してしまいました。
とりあえずアイサちゃんを抱いて途方にくれる私。負けそうです。あんなにたくさん援軍が駆けつけてくれたのに...。
アイサちゃんが落ち着く→ニポーを口にふくませる→ヘビメタ頭(マーティーはモンスター・ヘッドと呼びます)→手をなめなめ→火がついたように泣く→私は途方にくれる
という繰り返しを何度かした後、私は気づきました。私のおっぱい山のニポーさんがナイアガラの滝のようにミルクを流出していたことを。
アイサちゃんは私のナイアガラの滝の勢いにびっくりしてどうしていいかわからず、でもお腹はすいているし、ミルクは手に垂れてくるしで、思いっきりキョドっていたのです。

私はニポーをいったん絞って滝の水量を調整してからアイサちゃんに再度飲ませてみました。すると、今までなかったくらいの勢いでごっくごっく飲み始めました〜。勝利です。

私は自分のニポーが滝化しているのに気づいたとき、「アイサちゃん、ごめんねー」と心から謝りつつ、一人で身をよじって爆笑してしまいました。あんまり笑って帝王切開の傷が開くかと思いました。キョドってるアイサちゃんの動画を可能ならぜひ見せたいです。もう、ほんっとにかわいすぎる〜。

ミルクで酔っぱらったアイサちゃん
11月12日5時撮影


Thursday 8 November 2012

出産の前兆

予定日の1月前くらいから夜中に毎日目が覚めるようになりました。普段は睡眠が足りないと日中疲れてしまうタイプですが、なぜか毎日普通に仕事に行っても平気でした。体が赤ちゃんが生まれた後の生活パターンに慣れるように、赤ちゃんが私をトレーニングしているのかも...と思いました。

予定日の10日前、仕事の最終日の夜、前駆陣痛(こちらでは発見した医者のJohn Braxton Hicksさんの名前からBraxton Hicks contractionもしくは単にBraxton Hicksと呼びます。自分の名前がそのまま痛みの名前っていうのもビミョーですね。)が数時間続き、「今日生まれるかも〜!」と思ってマーティーと二人でオタオタしていましたが、何事もなく終わってしまいました。助産師さんからは「赤ちゃんがもうずいぶん降りてきてるから、予定日前に生まれるかもね」と言われていたので、心の中で勝手に予定日より5日くらい前に生まれるかな?と思っていました。次の日の夜も同じような前駆陣痛があり「今度こそ生まれるかも〜!」と思いましたがまた何事もなく...。予定日の前日に同じような前駆陣痛があったときは、「今日かも。でも前に同じようなことが2回もあったし...」と比較的冷静に。そうこうしているうちに予定日は過ぎ、予定日の翌日にまた助産師さんとの検診がありました。
母子ともに問題はなく、赤ちゃんはすでに肩の近くまで降りているとのこと。
「出産を促す自然療法ってありますか?どんなにバカらしいことでもいいので」と聞いてみました。出産を促すまっとうな方法はいくつか知っていましたが(そこはR指定で割愛します)、それに加えて2つほど新しい方法を教えてもらいました。ひとつはラズベリーの葉のお茶を飲むこと。もうひとつは卵3個を半リットルの水で30分間茹でて、その茹で汁を飲むというもの。
「これ、バカみたいに聞こえると思うけど、ちゃんと根拠があってね。血中のカルシウム濃度が上がると神経系を伝って股関節が開くのを促す効果があるらしいのね。なので、卵の殻に含まれるカルシウムを飲むとよいというわけです。」
なるほど、これなら効きそうです。というわけで試してみました。茹で汁は普通の水の味でしたが、なんか変なものが浮いてて気持ち悪かったです。

「赤ちゃんは自分の意思で生まれて来る」と聞いたことがありますが、いつ生まれて来るかを決めるのはお母さんじゃなくて赤ちゃん。なので、自然にまかせて生まれるのを待っていいのですが、できれば予定日を過ぎて2週間以内には生まれてほしい理由がありました。というのも、42週目までは5つ星ホテルみたいなBirth Centreで生ませてもらえるのですが、それを過ぎると病院で生まないといけなくなるから!あの5つ星ホテルみたいなBirth Centreに泊まってみたいんだよーぅ!写真も撮りたいし。こんな不順な動機で出産をせっせと促す母でごめんよ。

話が少しそれますが、前駆陣痛があるとき、私はなんだか胸がキューンとする時がありました。中学生の時に片思いしてる人を思って「はぁー」ってため息をついてる時みたいな胸キュンです。うれしいけど切なくて悲しいみたいな。なんだかちょっと泣きたくなるような感じです。悲しいのに嫌じゃないという不思議な感じ。ホルモンマジックでしょうか。こういう風になる人って結構いるのかなと興味があります。

映画やドラマなんかだと、いきなりドバーっと破水して救急車で運ばれたりして、オタオタしてるうちにイキんであっさり赤ちゃんが誕生しちゃったりしますが、実際こんなことは稀なようですね。まず、破水は陣痛が本格的に始まってから数時間後に病院で起こる人が大半で、生まれる直前まで破水しないのも珍しくないそうですね。陣痛が始まる前に破水する人も、ドバーっじゃなくって、チョロチョロ〜としみだす感じの人も多いのだとか。(こういうこともNHSのクラスで習います)
日本だと多分早い段階で病院にいさせてもらえるのだと思いますが、イギリスでは陣痛の間隔が5分以下になるまでは自宅にいるように言われています。子宮が4cm開くまでの間をEarly Labourと呼んでいてその段階ではまだ自宅待機。陣痛がひどくなって一分以上続き、陣痛と陣痛の間が5分以下になったら病院またはBirth Centreに来るように言われています。イギリスでは自宅出産も支持されているのですが、自宅出産の場合はこの段階で助産師さんがいろいろ薬や道具を持って家に来てくれます。

出産前もこうやっていろいろ新しい経験をたくさんするのに、出産後はすぽーんと忘れてしまうとお友達に聞きました。なので、忘れないうちに書いとかなきゃ!と思います。激しい前駆陣痛がある度にメモを取るようになりました。そうしてると痛みから気が紛れるし、一石二鳥です。ああー、早くベイビーに会いたいです。

Wednesday 7 November 2012

イギリスの医療制度その2

2000年にWHOが出したランキングによると、医療制度の世界一はフランス。日本は10位でイギリスは18位です。
(リンク:http://en.wikipedia.org/wiki/World_Health_Organization_ranking_of_health_systems
このランキング、ランキングの出し方とランキングそのものの有効性が批判されてもうやらなくなったそうです。医療制度みたいに複雑なものをランキングにするのは一筋縄ではいかないのでしょう。

個人的にはスンバラシイと思ったNHSですが、やっぱりいろいろ問題もあり、中でも私がトホホと思ったのは、医療が細分化されすぎてていろいろ余計に手間と時間がかかってしまうところ。
例えば、妊婦は助産師さんに定期的に検診してもらいますが、薬を処方してもらいたかったら医師と別に予約を取らなければいけません。採血は看護師か医師にまた別予約。超音波検査は別の病院でまた別に予約。社会人は忙しいので全部一緒にやってよ〜!て感じです。しかも、定期検診をしてくれる助産師さんと分娩を手伝ってくれる助産師さんは別の人です。このへん、もうちょっと要領よくやってくれたら患者側だけじゃなくて医療側の手間暇も大分省けるのになぁーと思います。
目の調子がなんとなく悪いなぁと思って助産師さんに相談したら、まず主治医と予約して主治医から眼科に推薦状を書いてもらうように言われました。もう、この時点でトホホ。症状をググってみたら、妊娠中はホルモンのバランスが変わって、眼球の周りの液体がちょっと減ったりすることがあって、目がぼや〜っとすることがあるとのこと。あと、貧血だったら目がかすんだりもしますよね。なので、眼科に行ってもしょうがないと思ってそのままにしていたら自然に治りました。こういう総合的な診断をド素人の患者がやってるという時点でトホホです。

逆にすごくいいなーと思うのは、ずばり無料なところ。ホームレスの人もゆきずりの外国人も、命に関わる場合は等しくちゃんとした医療サービスが受けられるのは人道的にすばらしいと思います。
それから、情報開示が徹底されていて、個人の意見をとても尊重してくれるところ。例えば、いつから産休を取りたいか、どこでどうやって生みたいか、陣痛の痛み止めを希望するか、もし希望するなら何がいいか、赤ちゃんは授乳で育てたいか、などなど全て妊婦が決めて医療スタッフに伝えます。医療スタッフが上から指示を出すことは全くありません。その代わりそれぞれどんな選択肢があってどういうメリットやデメリットがあるのか、医療スタッフ側が勧めたい選択肢とその理由を詳細に伝えてもらえます。
私は予定日の10日前まで出社しましたが、予定日から2週間〜4週間前から産休に入る人が多いようです。私を担当した助産師さんが「破水した日まで働いてた」というツワモノだったこともあったかもしれませんが、「産休をいつ始めるかは完全に個人の自由です。肉体的にも精神的にも大丈夫だったらギリギリまで働いて全く問題ありません。」と太鼓判を押してもらい、「普通の人はこのくらいから産休取りますね」なんてことさえ言われませんでした。「くれぐれも無理はしないように。ストレスが多いと感じたり疲れたらすぐに休むこと。出社するのが困難に思えてきたら産休に入ってください。自分の体の声を聞くようにしてください」と言われました。でも、いつ生まれるかわからない時期まで働くと会社に迷惑がかかるのでは?と思って聞いてみると、「初産はたいてい予定日より遅くなるから大丈夫よ〜。ハッハッハ!」と一笑に付されました。そういうアナタはいきなり破水して仕事にこられなくなった超迷惑な人だったのでは...と心の中でちょっと思いましたが。

個人の意見をとても尊重してくれるといえば、イギリスはさすが個人主義の発祥の地だなぁと感心することもしばしば。個人主義そのものに関しては、いろいろ一長一短なのかもしれませんが、表現の自由に対する尊重と勇気と成熟さは、イギリスさすがだなぁと思います。
2010年にインドに二ヶ月ほど旅行した時、インド版Times誌を読んだら、めっちゃポジティブなことばっかり書いてあって、「どこ?このステキな国は?」て思ってしまいました。インドはまだ自国の批判がマスメディアに受け入れられるほど安定していないんだなぁと感じました。逆にイギリス版Times誌は辛辣な批判でいっぱい。自分の国の批判ができるというのは、その国が発展していてある程度安定している証拠だなーと感じます。表現の自由とかジャーナリズムに関しては、日本やアメリカ、オーストラリアとかと比較しても、断然イギリスが成熟しているように思います(こんなこと書くとイギリス人から「そんなことない、イギリスのジャーナリズムはめちゃくちゃだ」とか逆に反論されそうですが)。イギリスでニュースとか風刺コメディーとか見すぎると「なんてひどい国だ!」と感じてしまうのが難点ですが(苦笑)。

日本人って欧米に対する憧れというかコンプレックスがあるよなーと前から思ってましたが、「ここよりどこか違うことろ」に対する漠然とした憧れやコンプレックスってどの国の人(特に若者)にもあるみたいですね。例えば、メルボルンではロンドンやニューヨーク、パリみたいな大都市に対して「オーストラリアみたいな田舎と違ってススんでるんだろうなー」て思ってる人にたくさん会いましたし、私が日本人だからというのもあってか、東京に憧れてる若者にもけっこう会いました。
ロンドンに移住してきた当初は「どこから来たの?」と聞かれて「オーストラリア」と答えると、「え?なんでそんなステキなとこからこんなとこに移って来たの?」て真面目に聞かれたり。ロンドンっ子に「ロンドンのいいところは?」て聞いたら「パリまで2時間で行けるところ!」と胸を張って即答されたり。いや、それロンドンじゃないし。
どこの国でも、生きてくのって結構大変なことで、漠然と「ここよりどっかいいところがあるはず」と思うのは人間の性かもしれません。「じぶんち」のよさって、ある程度年を取ってから気づくものなのかもしれません。
「日本に行ったことないけど、いつか行ってみたいんだよねー」とよく言われますが、そのときは「絶対行ったほうがいいよ!めっちゃいいところだよ。絶対気に入るよ」と本気で言うようになりました。いろんな憧れの地に行ってみて、オモシロイと思ったりいい感じに幻滅したりした結果、「やっぱ日本っていいなー」に落ち着いたのでした。ロンドンもいいですよ。いつか遊びに来てね〜。

イギリスの医療制度

イギリスの医療制度はNational Health Serviceの頭文字をとってNHSと呼ばれていて、基本的に全て無料です。(ちなみに歯医者さんは別です。妊婦は歯医者さんも無料。)
いろいろ問題もあってけっこう文句を言われているNHSですが(どの国の医療制度もそうなのでしょうが)、イチ妊婦として利用してみて個人的にはたいっへんスバラシイ制度だと思いました。

一番感動したのは自然分娩を希望する妊婦が利用できる、Birth Centreっていう設備。5つ星ホテルのスイートみたいな部屋で出産できるのですが、こちらも無料。まだ出産前ですがこのスイートに泊まりたくて出産が待ち遠しいくらい(ってどうよ)。このBirth Centreについては出産後に写真とかも入れてまた書きたいと思います。

それはさておき、NHSがとっても良いなぁーと思うのは、丁寧で統制のとれた情報開示の仕方。例えば、妊娠中っていろいろ疑問がでてきますね。「これやっちゃダメ」「あれ食べちゃダメ」といろんな人に言われたり、インターネットで調べたらほんっとーうにいろいろな情報が飛び交っています。
例えばロシアではパセリを食べると流産するという迷信があるそうですし、フランス人の同僚には生野菜を使ったサラダを食べたらダメだと言われました。二人分食べなきゃとか8キロ以上太るなとか、カフェインは一切だめだとか、シーフード全般だめとか。いやもう調べれば調べるほどどうすりゃいいのよって感じになってきます。
NHSのウェブサイトには妊娠・出産専用のページがあって、妊娠中に食べた方がいいものと食べない方がいいものの両方のリストが分かりやすく載ってます。どちらも、なぜ食べた方がいい・食べない方がいいのか理由がきちんと書いてあり、どのくらい食べたり避けたりした方がいいのか詳しく載ってます。例えば、「まぐろのような大きな魚は水銀の含有量が多いので食べ過ぎないようにしましょう。でも週にツナ缶を2−4人分食べる程度だったら問題ないでしょう。」「生の卵、肉、魚介類はバクテリア感染の危険があるので妊娠中は避けたほうが良いでしょう。」といった具合。
他にも、悪阻のこととか毎週の胎児の成長過程とか、細かいセクションごとに分かりやすく載っていて検索もしやすいです。

そこで、日本の政府もそういうガイドライン出してないかな〜と思ってググってみましたが、見つけることができませんでした。民間のサイトとかお医者さん個人のサイトとかはたくさんありましたが。
余談ですが、日本の政府系のサイトは見つけにくい・見にくい・ダサいの三重苦。オーストラリアやイギリスの政府系のサイトを見習ってもっと国民と上手にコミュニケーションとってほしいです。

最初はイギリスのガイドラインと日本のガイドラインの2つだけを参考にしようと思っていましたが(いやもう、ロシアとかフランスとか入れ始めると大変なことになるので)、イギリスのNHSのガイドラインだけにしぼることに決めました。イギリス国民がこれでオッケーなら私だってオッケーなはず!

妊娠発覚してから数日後に、友人の突撃ハネムーン・サプライズにスペインのマヨルカ島に一泊旅行に行きました。美食三昧の二日間でしたが、妊娠中は避けたほうがいいも白カビや青カビのチーズが盛りだくさん...。理由はやっぱりバクテリア感染の危険ですが、妊婦だからって感染しやすいわけではなく、妊婦が感染すると赤ちゃんに危険が及ぶからです。(でもいつも感染しないんだからきっと普通は感染しないんですよね。感染するっていったらそのへんのサンドイッチとかでもするんでしょうし。)あとやっぱりおいしそうな地元ワインが...。妊娠が発覚する前はみ◯こ姉ちゃんやよ◯へい君とたくさんお酒飲みましたね。妊娠中だったけど。
ってことで、必殺「妊娠発覚がもう一週間遅れたってことにしよう」作戦で食べてしまいましたよ、チーズ。ワインも一口二口は飲みました。「こんなにおいしいものが体に悪いはずがない」作戦で。すんません。
まだみんなに妊娠を発表してなく、お酒を飲まないと怪しまれるので、マーティーのワイングラスが空になりかけたら密かにワイングラスを交換してました。そいで、私が持ってるマーティーのワイングラスにワインが注がれ、マーティーが持ってるグラスが空になったらまた交換。私が持ってるワイングラスにいつもワインが注がれてたので、誰も私の妊娠に気づかれなかったです。
NHSの食べない方がいけないリストに載ってた食べ物は、基本的に妊娠中ずっと避けましたが、どうしても食べたくてリスクが低いものは、「昔の人は食べてたはず」作戦や「日本人(もしくは他の国籍の人)は食べてるし」作戦でちょっと食べたりしてました(すんません)。

妊娠・出産は自然なことなので、適当にリラックスしてるのが一番ですよね〜。へへ。

Friday 2 November 2012

妊娠発覚

市販の妊娠検査薬にピンクの線が二本でていた。一本は「検査終了しましたよ」ていう線。もう一本は「妊娠しましたよ」っていう線。おおぅ、マジですか?わたくし妊娠ですか?もう一度妊娠検査薬のスティックを見る。「あれ?ピンク一本が妊娠?二本が妊娠?」使用前に確認したはずの説明書をまた一から読む。やはり、ピンクの線二本で妊娠らしい。しかし、今度はピンクの線の角度が気になる。これは垂直でよいのか。水平じゃないといけないんじゃないのか。また説明書を一から読む。垂直のピンクの線が二本で妊娠らしい。「あれ?私の妊娠検査薬の線は垂直だったっけ?」と今度は妊娠検査薬を隈無く検査する。別に隈無く検査しなくてもピンクの線は最初から垂直で二本ある。説明書→検査薬→説明書→検査薬の無駄な往復確認作業をトイレで一人あたふたと10分ほどやってから、マーティーに告げるためにトイレを出た。

妊娠を告げた後のマーティーの第一声は「...みゃ?」であった。私だって「みゃ?」である。私たちの人生で最大のニュースである。聞くところによると人生が180度変わっちゃうそうである。そんな重大事をピンクの線二本に宣告されたら、誰だって「みゃ?」なのではなかろうか。
「もう一回検査してみる」と私はトイレに戻った。二回目の検査もやはりピンクの線二本であった。二回目にもかかわらず、やはり私は説明書→検査薬→説明書→検査薬の往復確認作業をまったく怠らなかった。その上、ピンクの線二本の信憑性や誤診の可能性などを一通りググってみた。英語と日本語と両方でググってみた。努力を惜しまない懇切丁寧なリサーチの結果、ピンクの線二本は99%以上の確率で信用できることが発覚した。妊娠検査薬の箱に目立つように大きい文字で書いてある「99% Accuracy」はやはり本当らしい。1%の間違いも、「妊娠してたけど検査が早すぎて感知できませんでした」という場合や、不妊治療薬などを飲んでいる人とか、なんか特別な場合だけらしい。
「けっこう、確実に、ていうか、99.9%くらいの確率で妊娠してるらしいよ」とマーティーに告げた。マーティーは今度は「みゃ〜!」と驚いていた。




いくらグーグル様に太鼓判を押されてもピンクの線二本だけではやはり心もとないので、とりあえず医者に行ってみた。「市販の妊娠検査薬で陽性という結果が出たのですが」と言うと、「あ、妊娠してますね」と即答された。医者もピンクの線を全面支持しているようだ。他に検査をする様子もない。ピンクの線二本に頼るしかないのだ。「最終月経の最初の日はいつですか?」と聞かれる。実は、これがあんまりわかんないのである。「たぶん、1月末です」と言ってみたものの、1月の中旬だった気もするし1月末だった気もする。もしかして12月だったかもしれない。考えれば考えるほどよくわからなくなってくる。私が悶々と考えている間に医者はさらさら〜とノートに何か書き込み、「助産師さんとの面会の予約を取りますね。4月12日の3時です。」と言われた。3週間も後である。「じゃ、お大事に」と会ってから5分足らずの会話の後に帰されそうになったので、「血液検査とかしてもらえないんでしょうか...?」と聞いてみたところ、「
助産師さんとの面会時に一通りの検査をやりますよ。」とのこと。しかも、「最初の12週間は流産の可能性が高いので、超音波検査をするのは妊娠12週間くらいの時期になります。」だそうだ。つまり、12週間よりも前に超音波検査をしても、その後に流産してしまうと検査そのものの意味がないし、母親の心的なダメージも大きくなってしまうので12週間くらいまではやらないそうだ。
ひえぇ〜、流産...。
「4〜5人にひとりは12週間のうちに流産してしまいます。これは、受精卵になにか問題がある場合に体が排出してしまうためです。とても自然なことですから大丈夫ですよ。」
大丈夫って笑顔で言われてましても...。
「じゃあ、職場の人などに伝えるのも12週間目の超音波検査の後のほうがいいでしょうか?」と聞いてみると、「個人の自由ですが、そうする方が多いようですね。」とのこと。
悪阻がひどいのは一般的に妊娠8週間目〜12週間目といわれている。もちろん個人差はあるけれども、一番具合が悪い時期に職場の人に妊娠したと伝えられないなんて酷だなぁ。満員電車に乗ってても、遅くまで残業してても、だれも私が妊娠してるなんて気づかないんだよなぁ。とか考えながら家路に着いた。

帰る途中に薬局に寄り、違う種類の妊娠検査薬を二種類買ってしまった。一つはブルーの線がでるやつで、こちらも陽性。もう一つはちょっとお値段が高かったデジタル式。線が一本とか二本とかじゃなく、Pregnantってちゃんと出てくる頼れるやつ。でも一回使い切りだし、仕組みは一緒っぽかった。
妊娠してたら「おめでとうございます」って音声が出たり、ミニくす玉が出て来てパーンと割れたり、おめでたい音楽がかかってスティックがグルグル回ったりとか、妊娠検査薬のおめでたいバージョンとか売ってないのかな?
ピンクとかブルーの線がじわ〜って出てくる地味なやつよりもよっぽど実感が湧くと思うのですが。