Saturday 17 November 2012

おっぱいの話2

赤ちゃんが生まれてから数週間は、平均2-3時間ごとに授乳します(と本に書いてあります)。産後直後の2-3日間は白い母乳ではなく、初乳といって、黄色い、濃い、赤ちゃんの成長にもってこい、の抗体入りの母乳が出ますが、2-3日後に白い母乳が出始めます。
初乳はちょっぴりしか出ませんが、生後直後の赤ちゃんのお腹はとても小さいのでちょうどいいそうです。生後2-3日すると赤ちゃんのお腹も白い母乳オッケーな状態になります。この白い母乳がなかなか出てこないお母さんもたくさんいて、赤ちゃんが常に空腹状態になるため一日中泣いたりして、最初の一週間は大変だったりするようです。

私の場合は母乳がすぐにナイアガラの滝のように出てきたので、その問題はありませんでした。その変わり、おっぱいがパンパンで(今の私は顔がかわいくて足が長かったらイエローキャブに就職できるくらい巨乳です。顔が十人並みで足が短いのでできませんがねっ。)寝ている間に母乳がダーッと漏れたりするので助産師さんに相談してみました。この段階はまだアイサちゃんと私のおっぱいがコミュニケーションをとりながらどのくらいの母乳が必要か決めている時期。パンパンになっているからといって搾乳してしまうと、おっぱいがアイサちゃんが飲んでいると勘違いして、さらに母乳を作ってしまうので、「搾乳などで変におっぱいを刺激しないで、アイサちゃんが飲みたいだけ飲んでもらう」のがベストとのことでした。
赤ちゃんは自分の体に必要な母乳の量を知っているので、赤ちゃんの「お腹減ったよ」サインをママがしっかりキャッチさえすれば、お乳を与えすぎたり与え足りなかったりすることはないそうです。そして、赤ちゃんがお腹いっぱいになるまでちゃんと母乳を与えていれば、乳腺が詰まるなど、ママのほうのおっぱいのトラブルも少ないそうです。自然の摂理ってすごいです。
おっぱいがパンパンに張っているときに有効な自然療法として、キャベツの葉をおっぱいに当てるというのがあります。科学的な根拠は解明されていないらしいのですが、世界的にも効果が認められているので、助産師さんにも勧められます。ということで、試してみましたよ。不思議なことに、本当に効きました〜!パンパンなのには変わりないですが、痛くなくなりました。唯一の難点は、ニポーがキャベツ味になるのか、アイサちゃんに「え?なにこの変な味のニポーは?」という顔をされたことくらいです。

授乳はけっこう時間がかかります。最初はごっくごく飲んでいても、5-10分もすればアイサちゃんは空腹のままスヤスヤ寝てしまいます。しめしめと思ってバスケット(イギリスでは生後3ヶ月まで赤ちゃん用バスケットに寝せる人が多いです)に寝かせると、すぐに起きて「え?まだ終わってませんけど?!」と、時として激しく抗議をされます。なるべく一回の授乳が長持ちするように、赤ちゃんを寝せないよう薄着にさせたり、足をぎゅーっと刺激したり、いろいろ試すママ・パパが多いようですが、私はアイサちゃんが授乳の途中で寝てしまったら、デレデレと顔の変化を見て楽しんだり写真を撮ったりFacebookをチェックしたりしてまた「え?まだ終わってませんけど?!」と起きるまで待ちます。
私が読んでいる本によると、最初のごっくごくは喉を潤す水分補給のための授乳で、おっぱいは段々濃度の高いお乳を出すようなり、赤ちゃんが飲めば飲むほどお乳が濃くなっていきます。ここでおっぱいの左右を変えてしまうと、赤ちゃんは薄いお乳しか飲めないので、おなじおっぱいで授乳します。赤ちゃんのごっくごくの速度も遅くなってきます。濃い、栄養補給のためのお乳なので、時間をかけて飲む必要があります。
アイサちゃんのペースにあわせて授乳をすると、一回にだいたい1時間半から2時間かかります。そのうち大抵ばぶぶぶーん、ぶりっ!とウ◯チする音が聞こえてくるのでおしめを変えます。
お腹いっぱいになるまでお乳を飲んでおしめもちゃんと変えた後に寝かしつけると、アイサちゃん2-4時間ぐっすり寝てくれます。ブラボー(涙)!

新米ママはあまり眠れないと聞いていましたが、私の場合は幸運なことに、一日のトータルで6-8時間は眠れています。
一日8時間ぶっ続けで眠るという習慣は、ヨーロッパではビクトリア朝のころに始まったそうです(アジアや他の地域ではどうだかは分かりませんが)。その前までは4時間ずつ分眠するのが普通だったそうです。
また、人間以外の動物のほとんどは、日中か夜かに関わらず、ちょこちょこ睡眠をとるそうです。人間のようにぶっ続けで長時間眠ってしまうと、すぐに天敵に食べられてしまうのではないでしょうか。
一日8時間ぶっ続けで眠るということは、裏を返せば一日16時間ぶっ続けで起きているということ。そんな荒技ができるのは人間だけだそうです。
これって、日が出ているうちに長時間起きている方が生産性が高いせいじゃないかと推測します。つまり、現代の常識になっている睡眠パターンは、生産性が高いという意味ではベストかもしれませんが、必ずしも動物としての人間本来の睡眠パターンではないかもしれないということです。
ちょっと説明が長くなりましたが、分眠で全くオッケー!ていうことです。分眠がオッケーだと知っていると、夜長時間眠れないことをストレスに感じないのでさらによしです。

授乳はとっても疲れます。ジムとかヨガに行った後みたいな肉体的な疲労を感じます。なので、アイサちゃんが眠ったら私も横になります。眠れない時もありますが、横になっているだけで十分体力が回復されます。1時間もすれば元通り。2時間続けて休めたら、「今日はケーキでも焼こうかしら♪」と思えるくらいに回復できます。お母さん、丈夫で単純な体に生んでくれてありがとう(涙)。ちょうどアイサちゃんが起きて次の授乳をするころには元気になっています。自然の摂理ってやっぱりすごーい。

いろんな人から、「最初の一週間は大変だからね」と言われていましたが、マーティーと私にとっては、ただただ嬉しい楽しい一週間でした(もちろん、お互いに疲れて些細な事でケンカをしたりもしましたが)。「こんなスムーズにずっといくはずがないよね」とお互いに言い合っていますが、個人的にはこんなスムーズさで最後まで逃げ切りたいです。15でグレられるかしら。
私たちの子育て一週間目が嬉しいだけでよかった理由は、
アイサちゃんが全くの健康体だということ。
母体の回復が順調だったこと。
授乳に何も問題がなかったこと。
マーティーが家事ができる人だったこと。
マーティーがアイサちゃんにメロメロになってしまったこと。
コミュニティーから十分なサポートを得られたこと。
最初の子育てに必要な情報を十分得られたこと。
など、いろいろな要素がすべて上手くいっていたからです。
もし授乳がうまくいっていなかったら...。マーティーのお母さんは、授乳がうまくいかなくてニポーが腫れてしまい、ニポーが腫れているものだから授乳がさらに困難になるという悪循環にはまってしまったそうです。パラセタモールとコデインという二種類の痛み止め(どちらも赤ちゃんに影響ありません)を授乳の20分前に飲んで、5時間くらいかけて授乳したこともあったそうです。私だったらそんな目にあったら、すぐに母乳を諦めて哺乳瓶にしていたと思いますが、マーティーのお母さんは完全母乳でマーティーを育てました。えらい!
子育てはうまくいかないことがあって当たり前なんだから、私たちが過ごした最初の一週間は、ほかの多くのパパ・ママに比べたら「ビキニでピナコラーダを飲みつつクルーズでカリブ海を横断」しているようなものだったと思います。どうかこのまま逃げ切らせてくださいと神様にお願いしたらバチがあたるかなぁー。








No comments:

Post a Comment