Tuesday 29 January 2013

川の字

日本だと赤ちゃんは親と(特にママと)一緒の布団に寝るのが一般的ですが、イギリスではあまりそんな習慣がありません。NHSのガイドラインでは、生後6ヶ月までは保護者と同じベッドルームでベビーベッドに寝せるのがよいとあります。生後6ヶ月したら赤ちゃんは自分の部屋でベビーベッドに寝るのが一般的みたいです。
添い寝については一定の項目(喫煙者ではない。泥酔していない。など)を守れば問題ないとされています。でも、一般的には「添い寝はよくない」と思われているようです。
添い寝がよくないとされている理由は、「親が寝返りをうったりして赤ちゃんを窒息死させてしまう危険がある」「ベッドから落ちて骨折してしまう可能性がある」「子供が自立しない」「夫婦の生活が守れない」など。
生後間もない赤ちゃんを昼も夜もなく授乳しているお母さんの中には、ベッドで横になったまま授乳していてそのまま寝てしまったり、ソファーで子供を抱いたまま赤ちゃんと一緒にウトウトしてしまったりする人もたくさんいます。そういうお母さんは「ああ、赤ちゃんを危険な目に合わせてしまった!」と罪の意識に苛まされたりもするようです。

日本人の私からすると添い寝をするほうが赤ちゃんが寂しくなくていいと思いますし、赤ちゃんがまだ昼も夜もおっぱいがいる時期などは特に、ママにとってもずっと楽だと思います。
私は添い寝をしませんでしたが、まず夜の授乳の度にベッドから起きるのが面倒くさい。今はベビーベッドなので柵越しに愛彩の顔が見えますが、前はバスケットだったので、愛彩がなにか声を発する度にベッドから起きて顔を確認して「ああよかった寝てる」と思ってまたベッドに戻るということの繰り返し。「添い寝してたら赤ちゃんが寝てる時は一緒に眠れるから楽なのになぁ〜」と多々思いました。
イギリスでは、大人用のベッドの横にくっつけられるベビーベッドが流行っているらしいです。これだと「なんちゃって添い寝」ができます。添い寝ってやっぱりお母さんにとっても便利だからなんでしょうね。

日本で添い寝が普通な大きな理由は、伝統的に床で生活をするからじゃないかと思います。伝統的な日本の家だと、ご飯を食べるのも、寝るのも、オムツを代えるのも、みんな畳の上でやります。イギリスというか西洋の国々では、寝るのはベッド、ご飯はダイニング・テーブルの上、オムツを代えるのはオムツかえ専用の台の上でやります。これ、日本のやり方を知ってる私からいわせると、めんどくさーい!オムツかえ専用の台なんていらなーい!と思います。特に赤ちゃんがよく動くようになると、高いオムツかえ台の上に数秒でも放置すると危険です。なので、最近はオムツかえ用のマットを使って、床の上でオムツをかえています。
欧米のライフスタイルだと大人が床よりも高いところで生活をしているので、赤ちゃんをそれに合わせようとすると転落などいろんなリスクを考えなくてはいけません。
床での生活って、小さい子供がいる家族にとっては便利だったんだなぁーという発見でした。

ちなみに、フランスでは添い寝はせず母乳でなくミルクで育てるので、おしゃぶりが必須という記事を読みました。文化の違いにびっくりしました。日本人の感覚からしてみると薄情な親に思えるかもしれませんが、フランスの子供はマナーがいいと、イギリスやアメリカでは大変評判がいいのです。フランスでは早いうちから子供を大人のルールに合わさせるようにし、大人の生活が子供中心にならないように努力しているのかな?と思います。それがいわゆる躾ということなのかもしれません。
親が子供を思う気持ちも赤ん坊の世話の大変さも世界どこへ行っても同じ。特に子供が小さいうちは子供中心に生活したほうがずっと楽だったりもします。
なので、フランスのママの中にも「添い寝できたら楽なのに〜!」て思う人や、子供が心配で、夜通し子供部屋と自分の部屋を行ったり来たりして眠れない人なんかもいるんじゃないのかなぁと想像します。

フランスでは、夫婦がいつまでも「男と女」であることを重視します。子供がいつまでも添い寝してると夫婦がどうしても「お父さんとお母さん」になってしまうので、そういう意味でも添い寝はしないのかなーと思います。いつまでも魅力的な男・女でいようとする。いつまでもアモーレなときめきを大切にする。そういう努力は見習いたいなと思う私です。

フランスでは子供が「小さい大人」のように扱われるのに対して、現代の日本は子供が長く子供らしくいられるところなのかも...と思いました。そういう日本も、ちょっと前までは12歳で元服、15歳で結婚したりしてたんですよね。子供が子供らしくいられる時間が長いなんて、いいではないか。



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