Wednesday 23 January 2013

出産のときのことを

私のお産は23時間かかりました。最終的には帝王切開になってしまったので、難産といえば難産だったのかもしれません。忘れないうちにその日のことを書いておきます。

下の写真は私が泊まったBirth Centreの部屋です。これにバスタブ付きのシャワールームと出産用の特別な椅子が付いてます。iPod用のステレオまでありました。別の部屋には大きな出産用プールが付いています。



まるで5つ星ホテルみたい♡と出産前から夢にまでみたBirth Centreでしたが、出産当日になんとエアコンが壊れてしまい、ものすごく寒くて、今思い返せば自宅出産の方がまだ快適だったかも...と思います。設備としては大変よかったし、助産師さんたちもとても優秀で親切だったんですが...。

私の場合、希望&想像していたお産と実際のお産はぜーんぜん違いました。
希望では「プールで自然分娩。痛み止めも笑気ガスだけ」と思っていましたが、実際はハードな痛み止めのフルコースに助けられての帝王切開でした。

強く希望していた出産用プールは私のお産が難航したため使用できませんでした。激しい陣痛が8時間くらい続きましたが子宮口があまり開かず破水もしなかったので、助産師さんが破水させてくれました。破水した後に陣痛の感覚が1分以下になり、ピークの痛みがずーっと続いている状態に。この状態は助産師さんがペチジンを打ってくれるまで2時間半ほど続いたのですが、あんまり痛くてあまり記憶がありません。記憶をあいまいにすることで体が私を痛みから守ってくれたんだと思います。人体の仕組みってすごいです。
破水して4時間後、子宮口があまり開かなかったので病院に搬送されることになりました。この時点で私はエピジュール(Epidural:硬膜外麻酔)を希望しました。エピジュールが効いてきて痛みから解放されたときの安心感といったら!医学の進歩よありがとう。

お産で痛いといえば、ハリウッドの映画とかだと「ぎぃやぁぁぁぁ〜〜!」とか「F◯UK!」とか叫んでますが、日本人でも「死ぬ〜!」とか「殺して〜!」とか「もうやめる〜!」と叫ぶ人もいるらしいですね。知り合いの日本人男性は苦しむ奥さんの背中をさすってあげたら、バシーっと手を払いのけられ「触らないでっ!」と一括されて死ぬほど怖かったそうです。
私はどうせ叫ぶならなんかいいことを叫ぼうと決めていました。とはいっても「うれしい〜!」とか「すばらしい〜!」ってのもなんか違う気がするので、赤ちゃんもがんばってるんだということに焦点を当てることにしました。
ということで、陣痛がひどくなると「赤ちゃんがんばれ〜!」とか「大丈夫だよ〜!」と声をかけるようにしました。これがけっこう効果的で、大きな声を出すこと、赤ちゃんもがんばってるんだと思い出すこと、の2つが痛みを紛らわせるのにとても役に立ちました。ちなみに私は病院で看護師さんから「東洋人って静かに痛みを我慢するのねぇ〜」と言われました。彼女いわく人種によって叫び声のボリュームが違うらしいです。

病院に搬送されているときに、助産師さんから「シナモンロールありがとう。おいしかったわ」と言われました。なんと、マーティーが私が陣痛をこらえながら焼いたシナモンロール(詳しくは出産の前日に書いてあります)をカンカンに入れて持ってきてくれてて、しかも助産師さんたちに配ってくれていたのです。人間、テンパってる時はいつもしないような行動に出るものです。病院に搬送されていくストレッチャーの上に乗りながら、私はマーティーの手を握って言いました。「シナモンロール、ちゃんと味見した?お砂糖足りなかったかも」マーティーは私の手を握り返して言いました。「味見、しなかったよ。でもきっとおいしかったと思うよ」。もうろうとする意識の中で私は言いました。「助産師さんたちにあげるなら、ちゃんと味見してからにしてって言ったじゃーん!絶対甘みが足りなかった気がする〜」マーティー「大丈夫だって!」以下同じようなやり取りが数分続く...。
今思い出してもシュールな展開だったなぁと思います。

さて、病院に搬送されてお医者さんに診断してもらたところ、Birth Centreから病院に搬送されている間に子宮口がかなり開いたみたいで、そのまま出してしまおうということになりました。お医者さんに「もう9cmくらい開いてるよ。もうちょっとだよ。頭もちゃんと降りてるし。今赤ちゃんの頭をつかんでるけどわかる?」と言われました。おおおお〜!頭がつかめるとは!
「もうすぐ赤ちゃんに会える〜!」と思っていたものつかの間、赤ちゃんの心拍数が下がり、下がったと思ったら急に上がったと伝えられました。その後1分も経たないうちに病室にいきなりいろんな人が10人くらいワラワラ入ってきました。
「申し訳ありませんが、赤ちゃんの心拍数が心配なので緊急で帝王切開をします」と言われ、あれよあれよという間に手術室へ。手術が私から見えないようにブルーのシートで下半身を隠されて、あれよあれよという間に切開され、切開後、私たちに赤ちゃんが見えるように赤ちゃんをシートの上まで持ち上げてくれました。
愛彩を初めて見たとき、私とマーティーは声をそろえて言いました。
「So cute! (かーわいぃー!)」
本当に声がピッタリそろいました。それが愛彩の第一印象でした。

映画なんかだと、この後すぐに裸ん坊の赤ちゃんがお母さんの胸に抱かれますが、帝王切開で切って赤ちゃんを出したら、縫わないといけないんですよね。ということで、私のお腹をチクチク縫ったり愛彩をきれいにしたりしている間、20分くらい、まだかなぁーと思いながらマーティーとぼーっとたわいもないことを話して待っていたのを覚えています。
やっと愛彩を胸に抱いた時、軽くてあったかくて小さくて、そしてやっぱりとってもかわいくて。やっと会えた〜。嬉しいなぁ〜。幸せだなぁ〜。と思いました。


「本当にこれが私のお腹の中にいたの?」という実感のなさは解消されることはありませんでした。
帝王切開だったからかもしれませんが、お産の直後はまだまだお腹が妊娠6ヶ月くらい大きかったです。
「こんな大きなものが出たのに、どうして私のお腹は大きいままなの?」と不思議でした。

No comments:

Post a Comment