Wednesday 13 February 2013

実家に帰らせていただき...けない!?

愛彩には今まで経験したことのないハッピーを毎日たくさんもらっています。が、子育てはかわいい、楽しい、だけじゃなくてやっぱり大変だと思うこともたくさんあります。

出産直後はホルモンのおかげでハイになっていたため、寝れなくっても平気〜♪赤ちゃんってかわいぃ〜♡とはしゃいでいましたが、今思い返してみたら心も体もいろんな障害を乗り越えなくちゃいけませんでした。
まるでオンボロの中古車のように、血液、母乳、鼻水、涙、などあちこちから液体がダダ漏れで、動くのもえっちらおっちらだった私の体。
ホルモンで泣いたり笑ったり。睡眠不足でイライラ。
大好きな授乳の時間も、眠れない日が続くと「私はこれからあと何百回同じことを繰り返すんだろう?」と絶望的になったり。
「私はロンドンで夫と二人で、ちゃんとこの小さい生き物を守って育てていくことができるんだろうか?」と不安になったこともありました。

今は体もすっかり回復し、愛彩も成長して夜に眠ってくれるようになったので、そんなにドラマチックに泣いたり不安になったりすることはありません。
でも、子育てはまだ始まったばかり。これからも不安になることはたくさん出てくるのでしょう。大人ってもっとしっかりした人たちだと思っていましたが、そんなことはないんですね。
糸井重里さんが、「大人は『初めてのおつかい』に出てくるお兄ちゃんのようだ。自分だって不安で泣きそうだけど、弟がいるから泣かないでがまんしている。」というようなことをネットに書いていたのですが、本当にそうだなーと思いました。

さて、私がドラマチックに不安になっていたころ、思い出すのはやっぱり自分のお母さんでした。ロンドンまでお産の手伝いに行けないかわりに、「もし本当に大変になったら飛行機に乗って帰っておいで」と言ってくれていました。しかーし!私は愛彩を連れて「実家に帰らせていただきます」とは言えないのです。というのも、愛彩にはまだパスポートがないから。私は愛彩を生むまで、赤ちゃんにもパスポートがいるなんて考えたこともありませんでした。

オーストラリア人の父と日本人の母を持ちイギリスで生まれた愛彩は、生まれた時どこの国の人でもありませんでした。イギリスで生まれたというだけではイギリス国籍は取得できませんし、日本国籍とオーストラリア国籍も届け出なければ取得できません。
また、日本国籍を申請するためには、イギリス政府に出生届を出し、出生証明書をもらう必要があります。出生証明書を持って日本大使館に出生届を出した後、日本の戸籍に名前が載るまで一ヶ月半から二ヶ月かかります。
というわけで、愛彩は数ヶ月のあいだ何人でもありませんでした。ポジティブに言うなら国境を超えた地球人っていうことでしょうか。
マーティーはアメリカ国籍も持っているので、愛彩は日本、オーストラリア、アメリカの他に将来的にはイギリスのパスポートの申請も可能なラッキー・ベイビーです。

ちなみに、日本国籍を持たない夫のマーティーは日本の戸籍を持つことも戸籍に入ることもできません。私が筆頭の戸籍の備考欄に(って備考欄ですよ!)「夫」として載っています。
日本の戸籍上にマーティーの姓はないので、日本では愛彩の姓は私の姓です。そしてミドルネームの登録もできません。ということで、愛彩は日本とイギリスではまったく別の名前で登録されています。本当にふっしぎー。

パスポートの申請には愛彩の戸籍謄本を日本から送ってもらう必要があり、パスポートの申請からパスポートの取得までも時間がかかるので、愛彩がパスポートを取得するのはまだ先のことです。「娘を連れて実家に帰らせていただきます」とはまだまだ言えない状況が続くのでした。夫婦で仲良くやっていくしか物理的に選択肢がないので、ある意味夫婦円満の秘訣かも...?


パスポート用に撮影

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