Tuesday 6 October 2015

二児の母

二児の母になった私ですが、二児の面倒を同時に一人でみることはまだほとんどありません。というのも、愛彩はまだ週5で保育園に行っており夜と週末はマーティーがいるので、自分一人で二人ともみるのは、保育園にお迎えに行ってマーティーが帰って来るまでの2時間くらいなものです。11月からは毎日、娘と息子の面倒を一人でみることになるので今から恐ろしくてたまらない母です。

愛彩と怜の面倒を同時に一人でみたことがほとんどないとはいっても、やはりそういう機会がちょこちょこありまして、その度に激しくヘコんでいます。

それはお友達のウェディングパーティーでのことです。親しい家族だけでの式の後、夕方からパブでカジュアルなパーティーがあり、そこに家族四人で招待されました。マーティーは職場から直接会場に向かうことになったため、私が怜と愛彩の両方を会場まで連れて行くことになりました。いつも通り、怜をスリングで抱っこして愛彩をベビーカーでお迎えに行き、駅へと向かいました。怜はスヤスヤ、愛彩はご機嫌で順調です。ところが、電車に乗ったとたん怜がスリングの中でブボーっと周囲の人に音が聞こえるほどのウンチをしてしまい、その振動で起きてしまいました。でもギャン泣きではなくまだぐずる程度。あやすために立ち上がり、電車の中で上下左右にゆらゆら揺れる怪しい人に...。動きが止まるとぐずりだすので怪しい動きをキープしたまま、「なんとか会場まで泣かないで持ちこたえてね〜」と祈っておりました。

30分程度の電車での移動中はなんとか泣かずに持ちこたえてくれました。愛彩もずっといい子でいてくれて助かったのですが、怜のオムツが心配でたまりません。ロンドンはトイレがない駅のほうが多く、会場に着くまではオムツが代えられそうにありません。駅でマーティーと落ち会って、会場に徒歩で向かいました。途中で道に迷ってしまい、30分くらい経過したころから怜が泣き始めました。かれこれ1時間もウンチ爆弾を処理してないし、おっぱいもしばらくあげていないので気が気ではありません。

やっと会場に着いた私たち。兎にも角にもトイレー!と思いましたが、もちろん、新郎新婦に挨拶をしなくちゃなりません(←っていうかそれがメイン)。ただでさえ大音量のパブに怜の泣き声がシンクロします。
新婦:「来てくれてありがとう」
怜:「ギャー!」
私:「ええ?ごめんね。聞こえない。○○(新婦の名前)、女神様みたいにきれいよ〜!」
怜:「ギャー!」
新婦:「ええ?ごめんね。聞こえない」
とシロヤギさんとクロヤギさんのような不毛なやりとりをした後、身振り手振りで「ごめん、まずこの子のオムツを代えておっぱいやってくるね」と新婦に伝え、マーティーに、「ベビーカーと愛彩を見ててね」とお願いしてトイレにダッシュしました。

しかし、その後も新郎やお友達など挨拶しないといけない人がいっぱい。全く心のこもらない高速ハグとキスをしながら泣いている怜を指差し、ジェスチャーで「ごめん、とりあえずトイレ行って来る」的なことを伝えてトイレへ走りました。さて、やっとトイレの前にたどり着き、ふと後ろを見て私は仰天しました!愛彩がついて来ているではありませんか!「マーーーーティーーーー!!」と心の中で叫びましたが、とりあえず愛彩も一緒にトイレに連れて行きました。トイレの中に入ると、やはり愛彩が「おしっこー」といいます。泣き叫ぶ怜をスリングで抱っこしたまま個室に愛彩を連れて行き、大人用の大きなトイレに座らせました。「赤ちゃんをスリングで抱っこしたままでも、ちゃんと愛彩を抱っこしてトイレに座らせたりできるもんだな」という新鮮な発見がありました。

さて、仕切り直しでオムツかえ。小さなパブのせまいトイレ。オムツをかえる台は個室の外にあり、オムツ台を広げるとお化粧治しをしているレディーたちの邪魔になることこの上ありません。しかも私はオムツなどの赤ちゃんグッズを入れたリュックサックを背負っており、私自身もかなり「かさばる人」で、着飾った女性たちがギュウギュウしているなか、リュックがあたる度に「すみません、すみません」といいつつオムツを開けます。「あっちゃー」というほど特大のウンチ爆弾です。オムツだけじゃなく下着も代えないといけません。大量のウンチくんをおしりふきでふいていると、「うわーん!」という愛彩の泣き声が。退屈していた愛彩がドアで遊んでいて指を挟んだ模様。ウンチくんまみれの怜をオムツ台に置いてはいけないし、かといって愛彩が怪我していないか心配だし、数秒ほど固まりましたが、運良く愛彩はけがをしたわけではないようで、泣きながら私のほうへやってきました。「人間、本当にどうしていいかわかんないときは真っ白になるんだな」というこれまた新鮮な発見がありました。

リュックからいろんなものを取り出しながら怜のウンチくんと格闘しつつ、愛彩に「いたいのいたいの飛んで行け〜」をしてやり、レディーたちに「すみません、すみません」と、公園の鳩のように頭を前後左右にふり続けました。なんとか怜を着替えさせてオムツを代え、愛彩の手をひいてトイレを脱出。メーターを振り切るマックスのストレス度からようやく解放されましたが、お腹が空いている怜がまだギャン泣きしているのに変わりはありません。

「娘を見失った父親はいねぇ〜がぁ〜(←なまはげ風)」とパブの中マーティーを探します。するとそこには、仕立てのいいスーツをノーネクタイで着こなし、シャンペンを片手にさわやかな笑顔で談笑している私の夫の姿が♡って「なんじゃそりゃーーー!!」っと叫びそうでしたが、おめでたい席なのでグッとこらえ、マーティーに近づき肩をトントンと叩き、微笑みながら「今、この瞬間に手伝ってほしいんだけど。愛彩を見ててね♡」と言い残して、今度は怜におっぱいをあげるためにパブの裏にあるお庭へダッシュしました。私の口元は微笑んでいましたが、目は氷河期の氷河のように冷たかったに違いありません。お庭のすみのほうのイス座り、すばやく授乳。怜が泣き止んでしばしの静寂。「はぁ〜っ」と夜空を見上げながら、私は頭髪まで真っ白でした(←イメージです)。

マーティーの名誉のために付け加えますと、愛彩はマーティーが追っても追っても私についてくる習性があるのです。なので、ほんの一秒目を離したすきに逃げられたに違いありません。追っていこうにもベビーカーをみていなきゃいけないし、あれよあれよという間に新郎新婦やらお友達やらにわらわらと囲まれて、挨拶をしているうちに「あ〜れ〜」と見失ってしまったのだと思います。でも、かたや片手にシャンペン、かたやスリングとリュックを背負った白髪のなまはげですので、天国と地獄の図ですか?と憤っても仕方ないかと...。10分後、マーティーは私のためのソフトドリンクを持って、「大丈夫〜?」とお庭まで様子を見に来てくれました。氷河光線の効果は絶大です。

そんなこんなで30分に10歳くらい老けてしまったパーティーですが、本当に楽しくて、特に愛彩は何時間も誰よりも激しく踊りまくり、周囲の大人の笑いをかっていました。マーティーが「将来はパーティーアニマルになるかも...」と今からけっこう本気で心配しています。

いつも遅くても夜9時には寝る愛彩が、その日10時過ぎまで踊りまくり、家に帰るころになるとベビーカーに倒れ込むようにして眠りました。翌日、スッキリと目覚めた愛彩。朝一番のコメントが「昨日は楽しかった。またやろうね!」でした。末恐ろしいわ〜。


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